マッチング拠出【2015年 第5回】

【2015年 第5回 マッチング拠出】 確定拠出年金 基本のき

宮一 幸子 ⇒プロフィール

企業型では会社が出す掛金を「事業主掛金」といいます。企業型を導入した会社が規約で定めれば、加入者が「事業主掛金」に自分で掛金を上乗せすることもできます。これを「加入者掛金」といいます。よく「マッチング拠出」と言われます。

 

 

 

 

●会社に制度がないとできない

マッチング拠出は、企業型の加入者が給与天引きで掛金を上乗せして、確定拠出専用口座で積み立てできるしくみです。そもそも企業型に加入していないと利用できません。また会社が「マッチング拠出」というしくみを導入していなければ利用することはできません。「企業型の確定拠出年金は導入しているけれどもマッチング拠出は導入していない」という会社では利用できないのです。

会社にマッチング拠出のしくみがある場合でも、マッチング拠出の活用は任意なので、やる・やらないは自由です。

●掛金の上限額がある

マッチング拠出は毎月積み立てていくしくみで、年払いや前納、後納、ボーナス月に掛金を増やすことなどはできません。掛金額は任意に決められますが、2つのルールがあります。

ルール1 マッチング拠出の掛金 ≦ 事業主掛金

ルール2 マッチング拠出の掛金 ≦ 拠出限度額‐事業主掛金

 

ルール2の「拠出限度額」は会社の制度によって違います。会社に確定給付企業年金や厚生年金基金がある場合は月額27,500円が拠出限度額です。会社に確定給付企業年金や厚生年金基金がなければ月額55,000円が拠出限度額になります。

 

たとえば会社に確定給付企業年金があって、事業主掛金が15,000円だったら、

ルール1 マッチング拠出の掛金 ≦ 15,000円

ルール2 マッチング拠出の掛金 ≦ 27,500円‐15,000円

となり、2つのルールを満たす12,500円が上限額となります。会社によって掛金が500円単位だったり1,000円単位だったりするので詳細は会社に確認しましょう。

 

●金額変更や掛金停止もできる

ライフステージに応じて、掛金額は柔軟に変更できます。住宅ローン返済や教育費などで家計が厳しいときは掛金の減額や掛金の停止、ゆとりが出てきたら掛金の再開や増額などということもできます。

 

●やっぱり税金面でお得

 

マッチング拠出の掛金は、個人型の掛金のように全額が所得控除となります。つまり、マッチング拠出を活用すると税金がかからない分、給与口座に入るよりも自分の資産が増えるのです。

 

たとえば税率が20%(所得税10%・住民税10%)とすると、会社から支払われる給与の1万円は、給与口座で受け取れば8,000円になります。でもその1万円をマッチング拠出の掛金として確定拠出年金口座に入れると1万円です。これを30年間続けていくと、給与口座に入ったら288万円、確定拠出年金口座に入ったら360万円と、72万円も違います。確定拠出年金口座を活用するだけで20%も増えるのですから、マッチング拠出を活用しただけで20%のリターンを得たことになります。

さらに確定拠出年金口座で運用すると運用益に税金がかからないので、有効的に老後資金が準備できます。

●マッチング拠出があるならやらなきゃ損

給与天引きの積立としては財形年金があります。財形年金も制度を導入している会社に勤めている人が利用でき、一定限度額(貯蓄型は元利合計550万円、保険型は払込保険料累計額385万円)まで運用益が非課税となります。ただ残念ながら財形年金は積立額が所得控除になることはありません。

所得控除が受けられるものとして個人年金保険もあります。ただ個人年金保険料控除は掛金全額ではなく上限額(50,000 円、平成24 年1 月以降締結した保険契約の場合は40,000 円)があります。上限の場合でも残念ながら払い込んだ保険料の1/2 しか控除の対象となりません。

税金面だけでなく、事業主掛金と併せて自分で積立商品を選べるところも魅力です。会社にマッチング拠出の制度があるなら「積極的に活用すべし」です。

●原則60歳まで引き出せないことに注意

マッチング拠出の注意点は原則60歳まで引き出せないことです。掛金額分、今使えるお金が減るので、生活に支障をきたさない程度に掛金額を設定しましょう。

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