今、介護にかかる費用は?【2014年 第2回】

【2014年 第2回】今、介護にかかる費用は?- 介護保険法改正でどうなる、介護のお金

浅川 陽子(アサカワ ヨウコ) ⇒プロフィール

 

介護にかかる費用は、「どこで」「どんな介護を」「誰によって」受けるかに
よって決まってくるといえます。

 

 

 

 

 

認知症の程度が重いほど費用が多く

1.介護にかかる費用(在宅)
家族が同居して介護する場合の費用については、2011年の家計経済研究所の調査結果が参考になりそうです。要介護と要支援をあわせた平均額は、月額69,000円で、そのうち、介護サービス分が37,000円、介護関連費用分が32,000円となっています。さらに介護サービス分37,000円の内訳は介護保険自己負担分が13,000円、全額負担分が24,000円です。

介護保険自己負担分は、認定された介護度で毎月のサービス利用限度額(要支援1で 50,030円~要介護5で360,650円:1単位10円換算の場合)が決められていて、実際に受けたサービス費用の1割が自己負担です。全額負担分というのは、サービス利用限度額を超えてサービスを受けた場合の費用や、通所サービスでの、食費や居住費(宿泊費用)等です。介護関連費用というのは、紙おむつ代や医療費等になります。

介護費用というと、介護保険の1割負担分に目がいきがちですが、実際にはこの1割負担分以外の部分での費用負担も多いのがわかります。要介護1以上の場合の介護度別の金額は下表のとおりです。介護度が重くなるにつれて、費用も多くなっているのが特徴です。さらに、認知症があるか、軽いか、重いかの程度別でみると、やはり、認知症の程度が重いほど費用が多くなっています。

上記のデータは、家族が同居して介護する場合の費用です。独居で、介護を受けながら生活をしているケースもあり、その場合は、さらに費用もかさむものと思われます。要介護5で独居、介護保険利用限度額を全部使い、さらに全額自己負担のサービスを受けて、介護サービス分だけでも10万円を超えているというケースも実際にはあります。

低所得者に対する費用軽減措置も

2.介護にかかる費用(施設)
施設で介護を受けながら生活する場合、どんな施設に入居するかによって、費用は大きくかわってきます。
費用面で安いのは公的な施設で、長期にわたって生活できる介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)が代表的な公共施設です。公共型の施設では、さらに低所得者に対する費用軽減措置があります。

民間施設では、主なものには、有料老人ホーム、サ―ビス付高齢者向け住宅、グループホーム等があり、それぞれ施設の特徴、費用に違いがあります。さらに、有料老人ホームでは、施設ごとに料金設定に幅があるのも大きな特徴です。毎月の費用を20万円前後として比較した場合でも、入居一時金がかからないものから、数千万円かかるものまで、かなり多様化しているのが現状です。

ただし、数千万円といった、高額な入居金が必要になる施設は、全体の数からいえば、少数です。
また、入居金については、一定期間(介護付き有料老人ホームでは5年が多い)で償却しますが、入居後90日以内に契約を解除した場合、解除までの家賃やサービス料金等を日割計算して控除した金額を返還しなければならないことになっています。

3.費用が安い公共型施設、入りたくても入れない?
費用面で安いのが公共型の施設、いわゆる「特養」です。要介護5の人の場合、1か月にかかる介護費用、食費、居住費の合計額は、多床室では約8万円、最も高いユニットケアの個室でも13万円程度です。

さらに、低所得者の軽減措置を受けると、住民税が非課税、収入が年金だけの場合、年金額が80万円以下であれば、多床室でも約5万円、ユニットケアの個室でも6万5000円程度で、それ以外の住民税非課税の場合であれば、多床室で約6万円、ユニットケアの個室でも9万円程度で、介護を受けながら暮らすことが可能です。
費用が安いこともあり、当然、入居希望者も多く、特養入居を待っている人は全国で、約52万人といわれています。ただし、「特養」の申し込みは、同時に複数の施設の申し込みが可能ですので、実際にはもう少し待機者の数は少ないといえるでしょう。「特養」では、「介護度」や「介護者の有無」、「住居の状況」など一定の項目で点数化し待機者リストが作成され、数ヶ月で入居できる人もいれば3 年以上待つ人もいます。

「特養」入居を申し込んで、入居できない人はどのように待機しているのかというと、在宅サービスを受けながら待つという場合が一番多いといわれています。それ以外では、とりあえず有料老人ホームや、サービス付高齢者向け住宅に入居する、また、通所サービスである「ショートステイ」やデイサービス施設でのお泊りデイサービスを、長期にわたって利用する(30日まで連続利用が可)等で、「入居待ち」をしているケースもあります。

4.民間の施設に入居する場合
民間の施設に入居するのであれば、入居金が必要な場合は入居金が用意できるか、さらに、毎月の費用が払っていけるかどうか、プランニングをしっかりしておく必要があります。毎月かかる費用が、年金受取額で、まかなうことができれば、問題はありませんが、貯蓄を取りくずすのであれば、長生きリスクが生じます。

施設でくらす年数ですが、平均的には5年弱といわれていますが、比較的介護度が軽いうちに入居した
場合は、10年以上くらすこともあります。

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