専有部分のリフォーム【2010年 第 7 回】

【 2010年 第 7 回 】専有部分のリフォーム マンションの暮らしを快適に

福本 喜保(フクモト ヨシヤス

専有部分のリフォームを制限する必要性

マンションは自分の家だからといって、勝手にリフォームしては躯体(共用部分)等を傷める、または隣や近隣に迷惑をかけることにもなります。

例えば、上下階の住戸を取得し、階段を設置。隣の住戸を購入し、界壁を壊してしまう。このようなことはマンションの強度を低下させ、建物の構造に影響を及ぼすことになります。床をフローリングにすると下階の住戸に音が響く等迷惑を与え、トラブルの原因となります。

各住戸のリフォームが建物全体や近隣の人々に迷惑にならないようにすることが大切です。そのために、管理組合として、専有部分のリフォームをコントールすることが必要となります。

お互いが快適に暮らすために、明らかに全体やまわりに不利益を与えることは事前に防ぐ必要があります。管理組合は全体の利益、共同の利益を守る権利があります。専有部分のリフォームのコントロールは管理組合の共同管理の範囲でもあります。

専有部分のリフォームのルール

 専有部分のリフォームのトラブル防止策
1.リフォーム内容のルールについてであります。
 例えばフローリングにすることが可能でも床衝撃音の遮音等級L値を定める等の方策

2.リフォーム実施方法のルールであります。
事前に管理組合に届出をし、理事会の許可制にする等といったルールが多く運用されています。

3.リフォーム工事方法のルールであります。
工事期間はもとより、資材置き場、作業員の休憩場所、工事車両の駐車スペースを確保といったことをルールで決めることも必要であります。
その他、エレベターで資材を運ぶ場合は、養生をする等具体的な工事方法を決めることも必要であります。

マンション専有部分のリフォーム手続き

マンション専有部分のリフォームの内容、工期、作業時間などについてマンンション管理組合に届出を行い、理事会の承認を得る必要があります。
リフォーム工事の届出書類の書式は、マンション管理規約等に記載されています。

マンション専有部分のリフォーム工事を実際に行う場合は、必ずマンション管理規約等を確認する。リフォーム工事を実施する際の注意点が記載されていたり、リフォーム工事に使用可能な材料やその仕様が制限されている場合があります。 

特にフローリングのリフォーム工事を実施する場合は注意が必要です。マンションによっては、騒音の問題などもありフローリング自体を禁止しているところもあります。許可するマンション管理組合もありますが、その場合でも、フローリング材の遮音等級に定めがある場合もありますので、よく確認することが必要であります。

また、マンション専有部分の電気容量をアップする場合も注意が必要です。 オール電化製品が数多く出ていますが、これを使用しようとすればマンション専有部分の電気容量をアップする必要があり、各住戸が電気容量をアップする必要があります。 

各住戸が電気容量をアップすればマンション全体の電気ブレーカーが落ち停電になる可能性が高くなります。 マンション専有部分の電気容量をアップする場合は、必ず事前に管理組合・マンション管理会社等に確認することが必要です。

専有部分と専用部分の違い

専有部分と専用部分とは異なる概念である。専有部分とは、居住者が所有している部分である。一方、専用部分とは居住者が専用に利用できる部分です。

例えば、バルコニーですがこれは共用部分ですが、居住者さんが専用使用している部分(専用部分)です。ゆえに勝手に取り壊し、あるいは囲んで部屋にすることはもちろんできません。

専有部分をリフォームする場合は、当該マンションのルールに則り、上下階・両隣り住戸・近隣にコミュニケーションを図り、工事予定等の情報を開示し、住民の協力を得ることがスームズにリフォーム出来ることになります。

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