Let’s Enjoy “旅”『 賢く楽しく“旅”しましょう。』【2009年 第 9 回】

【 2009年 第 9 回 】Let’s Enjoy “旅”『 賢く楽しく“旅”しましょう。』 楽々旅々

合田 菜実子(ゴウダ ナミコ)⇒プロフィール

ゾッとするような忘れ難い“失敗”の話

今でも、思い出すとゾッとするような、私にとって最も忘れ難い“失敗”の話です。

入社5年目ころ、海外団体旅行の企画営業を行っていた時のことです。お得意先の会社の社長さんから、お友達との“ケニアツアー”企画のご依頼を受けました。私自身、アフリカ、ケニアには行ったことは無かったので、ガイドブックやパンフレット、観光局の資料などでかなり勉強をしてコースを考えました。

ケニアツアーと言うと、主に“サファリドライブツアー”。“キリマンジャロ”を背景に、アフリカゾウやキリンに出会える“ アンボセリ国立公園 ”、フラミンゴが多く生息する ”ナクル湖国定公園”、 シマウマやキリンなどの草食動物をはじめ、ライオンやチーターなど肉食動物も期待できる ”マサイ・マラ国立保護区 ”等、サファリカーに乗って、ロッジを転々と旅します。ものすごく広い、“自然のサファリパーク”をサファリドライブしているイメージですね。

希望に応じたツアーを企画

ツアー企画の流れですが、まずは日程と予算を聞いて、各航空会社に航空券の見積もり。 次に現地オペレーター(現地のホテルやガイドを手配する国内の専門会社)にホテルやガイド、送迎や車の細かい見積もりを取ります。

社長様はパッケージツアーではなくお友達グループ10名ほどだけで、個別のグループとして自由に旅行をしたいとのご希望でしたので、ご希望の航空会社・ルート、ホテルやロッジのランク、行きたいところ、見たいもの、会ってみたい動物、体験したいもの、食べてみたいお料理、などを細かく伺って忠実にコースを組んでみました。
ご予算の都合もありますので、何社かのランドオペレーターから見積もりをとり、アフリカのプロともいわれる担当者のアドバイスを十分聞いたうえで、社長様に企画提案しました。

それに対する社長様のお返事は、「内容は良い!でも、もう少し安くならないか??」とのことでした。どうやらパッケージツアーと比較して、少し高いのでは、と感じられたようでした。【そのころ私は、大阪支店、で働いていました。ちなみに大阪では“まず値切る”のが一般的です。(笑)】
ただ、パッケージツアーは、大量に飛行機の席や宿泊施設を仕入れ、一定人数以上集客してツアーを催行するものなので、安いのは当然だと言うのは、前にお話しした通りです!

しかし、お得意先の社長様のご希望とあって、私は、一生懸命安くて良いものを提供してくれる、ランドオペレーターを探し交渉し、値段を下げて再提案をしたのでした。これが“大失敗”の原因でした。

“カンカンに怒って帰国

いよいよ出発され空港でお見送りした約2週間後、なんと、社長様は“カンカンに怒って”帰国されたのでした。理由は、サファリカーがボロボロで、3回もエンストして、そのたびに車から降りて、乗客全員で動かすために力を合わせて車を押すはめになったそうなのです。

社長様いわく、

「チーターがインパラを追っかけ、捕まえて食ってるのを見た直後にエンストして車外に出て、ガイドに車を押すように指示されたんやでぇ!!我々がチーターの餌食になっていたとしたらどうしてくれるんや!!(激怒)」

とのこと。支店長とお詫びに伺っていた私は、返す言葉もなく、ひたすら頭を下げるのみでした。そのうえ、車を押している横を、最新のサファリカーが軽快に何台も追い抜いていったのだとか・・・。

正直、若干大げさにおっしゃっている印象は受けましたが、“危険なツアー”を企画してしまったのは明らかに私のミスということで、利益以上の返金をすることになったのは言うまでもありません。

この失敗は、お客様の“ツアー代金を安くしてほしい ”というご希望に答えるべく、格安で提示してきたランドオペレーター(現地手配会社)を信じて依頼してしまった私の“選択ミス”でした。幸い、誠意が通じたのか、社長様は許して下さり、その後もよいお付き合いをさせて頂くことが出来ました。

 

みなさんが、旅行商品を選択されるときにも同じことが言えると思います。

“安すぎるツアー” には、落とし穴が隠れている場合があります。

特に、“猛獣”が住んでいるような危険なところにお出かけの際は特に、注意してくださいね。

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