「エコライフ」と「環境税」の親密な関係【2009年 第 1 回】

【 2009年 第 1 回】「エコライフ」と「環境税」の親密な関係 エコライフ

 江口 久美子(エグチ クミコ)

ここ数年、新聞・テレビ・雑誌などのメディアで「エコ」という言葉を毎日のように耳にするようになりました。スーパーなどでも、ポイント制や割引を実施して「エコバッグ」持参の推進をしていることはみなさんもよくご存知だと思います。

単純に「エコ」と言っても、「エコ住宅」、「エコカー」、「エコドライブ」、「エコツーリズム」、「クール・ウォームビズ」などたくさんのエコに関する言葉があります。逆に考えると、その言葉の数だけエコにつながる「モノ」や「行動」が存在し、地球温暖化防止に繋がっていくことになります。

「環境税」ってなに?

ところでみなさんは、日本でも国税として「環境税」の導入が検討されていることはご存知でしょうか?(地方税としては林環境税や水源税としてすでに導入済の地方自治体もあります)

環境税とは、地球の温暖化を防ぐために電気・ガス・ガソリンなどのエネルギーにかける税金で、温暖化防止への有効な手段と考えられています。

平成21年度税制改正大綱の中で、環境税については「税制抜本改革に関する議論の中で、税制全体のグリーン化を図る観点から、様々な政策的手法全体の中での位置づけ、課税の効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、既存の税制との関係等に考慮を払いながら、納税者の理解と協力を得つつ、総合的に検討する。」と記されています。

世界の先進各国が環境税(または炭素税)を導入し、温室効果ガス排出量削減を実現している中で、私たちの生活に現実として税金がかかってくる日はそう遠くないうちにやって来るかもしれません。

環境税の効果と問題点

まず環境省が提案する、環境税の効果と問題点を挙げてみたいと思います。

<効果>
1.税収を森林の管理や自然エネルギーの普及、住宅・ビルの省エネ化などの温暖化対策に充てることができる
2.高い税率で消費そのものを減らすとともに、燃料ごとに税率を変えることで二酸化炭素の少ない燃料に誘導できる
3.国民が負担感を覚えることで温暖化防止を考えさせる「アナウンスメント効果」が期待される

<問題点>
1.景気に悪影響を与えることが懸念される
2.価格上昇による排出抑制効果は期待できない
3.税収の使用途が不明確

この他にもいくつか問題点がありますが、私たち生活者が理解できるような税制となるにはまだまだ議論の余地がありそうです。

環境税が導入されたら、私たちの負担はどれくらい?

それでは、もし環境税が導入されたら私たちの生活にどれくらいの影響があるのでしょうか?
環境省の試算によると、家計への負担は一世帯あたり年間約2,000円(月額約170円)となるようです。

温暖化防止としての環境税のこの金額が多いか少ないかについての議論は別にまかせるとして、今後環境税が導入された場合、普段私たちがそれとなく行っている「エコ活動」の積み重ねが良くも悪くもこの金額に反映されてくるのかもしれないですね。

「楽しんで」エコライフを継続するとみんながHAPPYに!!

私たちにとって税金が課されることは嬉しいことではありません。
ただ、もし仮に環境税導入が決まった時に導入までの流れを知っているかいないかでは受け取り方も違ってくるのではないかと思います。

「エコライフ」と「環境税」は親密な関係にあります。
みなさんの今までの何気ない「エコ活動」が自らの家計に影響が出てくるかもしれないと思うと、ちょっと真剣に取り組んでみようかなという気になってきますよね?

少し難しい話になりましたが、一番大切なことは「楽しんで」エコライフを送ることです。エコに限らず仕事や勉強、趣味でも「楽しむ」ということが継続への一番の近道ですよね?


「楽しんで継続したら、家計も節約できた!温暖化も止められたみたい!」
まさに一石二鳥。みんながHAPPYになれるそんな声が聞けるよう、楽しい「エコライフ」を送っていきましょうね。

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