給与明細【2011年 第6回】

【2011年 第6回 】給与明細 ~社会保険(健康保険)~

マイアドバイザー®事務局 優益FPオフィス 

働いていると毎月もらえるのが当然の「給与明細」。じっくり眺めたことはありますか?
会社がすることに、「間違いはない!?」と思いながらも、 同じ仕事、同じ現場、同じ賃金で働いているはずの同僚の手取り額、もしくは年金額が違うなんて不思議が起こっています。
どうしてなんでしょうか。

「標準報酬」の額は、自分の基本給と同じではない

「標準報酬月額」

社労士のような専門家でなければ、普段はあまり使わない言葉ですが、会社でもらえる給与明細に載っている「健康保険料」や「厚生年金保険料」、「介護保険料」などの社会保険料の額は、「標準報酬月額」に保険料率をかけて計算されています。

この標準報酬月額は、原則4,5,6月の給与を3で割った数字となります。
この金額には、いわゆる基本給だけではなく、その他の家族手当や皆勤手当などの諸手当、おまけに交通費や残業代も含まれます。

ですから冒頭のように、同じ仕事をしている同僚と「標準報酬額」が違うということが当然起こりうるのです。
住んでいる地域が違うと電車代やバス代も違いますし、その月は、残業がたまたま多くなったということもあります。

保険料にこだわる?それとも年金額にこだわる?

私は、社会保険労務士ですので、当然、中小企業の社長と話す機会があります。
社長の側からすると、「納付するべき社会保険料はできるだけ少ない方がいい」と考えることもあり得ます。

その対応策としてよくとられる策は、4,5,6、月の残業を出来るだけ少なくするという方法です。
4,5,6月の残業代を払わず、まとめて7月に支払えばいいという問題ではありません。
今度は、労働基準法違反に問われますので、この方法はおすすめできません。

また、労働者の側からすると、たとえ、払うべき社会保険料が高くなっても、年金額にこだわることもあるでしょう。
4,5,6月の残業代が多く、また交通費が高ければ、標準報酬額は高くなります。
そして、報酬が高くなるにしたがって、もちろん年金額は高くなります。

「標準報酬額」の特例あれこれ

標準報酬額は、原則4,5,6月の給与の平均額だと申し上げましたが、原則には必ず例外が存在します。

一つ目の例外は、「養育期間の特例」です。
育児休業から復帰する時期は、人それぞれですが、復帰してみると、子どもを産む前、バリバリと仕事をしていたとしても嘘のように、早く帰って子どもを保育園にお迎えにいくこともあるでしょう。
残業をしない、早退、遅刻も続くと、それに伴って、それまでの給与が維持できないかもしれません。
その際、3歳未満の子どもを養育していれば、もとの高い標準報酬月額に「みなして」あげようという制度です。

保険料は、低いままでも、高い標準報酬のままで年金額を計算してもらえますので、お得な制度と言えます。

2つ目の特例は、震災特例です

普通、給与に変動があった場合、3カ月間保険料は下がりません。
何らかの事情で給与が下がったとしても、もとの高い保険料を3回は払い続ける必要があるということです。

ところが、今回の東日本大震災で特例措置が決定されています。
給与が下がった月から、待たずに標準報酬額を変更出来るという特例措置です。
会社の経営状態が思わしくなくて、従業員の雇用を守りたい場合には、会社は、給料を下げる代わりに雇用は継続するからという約束で、従業員には低い給料で、しばらく我慢をしてもらうことも選択肢の一つになるでしょう。

これから、標準報酬月額が決定される「定時決定」の時期を迎えます。
給与から控除される項目にも注意してみてはいかがでしょうか。

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