池田龍也 の ちょっと気になるニュースから 【第24回】~ロングステイ財団、旗振り役の退場におどろき~

マイアドバイザー® 池田龍也 (イケダ タツヤ)さん による月1回の連載コラムです。

【第24回】 池田龍也 の ちょっと気になるニュースから ~ロングステイ財団、旗振り役の退場におどろき~

池田龍也プロフィール

▼ 海外ロングステイに憧れた

現役を引退したら、海外でのんびり暮らしたい・・・・
こんな夢を抱いている方々も多いのではないでしょうか。実際に行動に移すか、実現するか、どうかは別にしても、シニア世代なら一度は興味を持ったという方も多いのではないでしょうか。かくいう私も、そのひとりです。

ネットで情報を調べたり、「ロングステイフェア」なるイベントが開かれていると聞くと、足を運んで、情報を集めたりしていました。日本と比べると物価が安い東南アジアがお勧め、とか、マレーシアには受け入れ制度が整っているからお勧め、とか、タイでは介護まで面倒見てくれる施設があるとか、実際の経験者の話などもあり、興味深い様々な情報が飛び交っていました。

▼ ロングステイ財団から突然のメール

3月31日、ロングステイ財団から、突然メールが届きました。ロングステイ財団とは、1992年当時の通産省の肝いりで設立された一般財団法人でロングステイの普及と啓蒙を目的に作られた組織です。で、そのメールの内容は以下の通りです。

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【最終】ロングステイ財団事業活動終了のご案内
メールマガジン登録者の皆様

ロングステイ財団は、2026年3月31日をもちまして、事業活動を終了いたします。
これまで長い間、ご愛読いただきました皆様、ご愛顧いただきました
お客様に厚く御礼申し上げます。

なお、ロングステイ財団賛助会員、海外サロンにつきましては、
今後もロングステイの相談やサポートの依頼が可能です。
ロングステイのサポートが必要な場合、安心してご利用ください。

4/1よりロングステイ財団のウェブサイト上で連絡先が確認できなくなります。
以下のリストをダウンロード・保存いただき、必要に応じてご活用ください。

◎賛助会員・海外サロンリスト
https://www.longstay.or.jp/archives/054/202601/SupportingMember_Salon_List2026.pdf

◎ロングステイ観光学会から情報配信のご案内
ロングステイや滞在型観光に関する情報、セミナー・イベントのご案内を予定しております
https://www.asjlt.jp/20260316/newsletter2026/

※なお、ロングステイ財団の事業活動を承継する団体はありませんのでご留意ください。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
発信:ロングステイ財団
ホームページ:http://www.longstay.or.jp/
E-Mail :info@longstay.or.jp
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メールは以上です。

▼ 旗振り役の突然の退場!!

活動終了の突然のメールにもびっくりしましたが、もっとびっくりしたのは、ホームページがすべて削除されていて、情報を何も確認できないことです。情報の削除だけは、やけに早いなあ、という印象です。

私の個人的な感想ですが、せっかくロングステイ文化を作ってきたのに、その歴史を確認しようと思ったら、すべて削除って、妙ではないですか。活動に意義があった、歴史上、一定の役割を果たした、と自信と自負があるなら、その歴史や記録は残すべきだと思いますし、後世の検証にもたえられるようにしておくべきではないかなあと思います。

活動終了の理由は「ロングステイ・長期滞在が一つの選択肢として定着しつつあり、財団も一定の役割を終了した」ということですが、それならもっと活動の輪を広げる方がより建設的だと思いますし、百歩譲って、仮に店じまいの理由がそうだとしても、ホームページをさっさと削除して、過去の歴史まで抹消してしまう判断は、ロングステイに興味を持った人に対して不親切極まりない、といわざるを得ません。

▼ ロングステイ・アドバイザーはどうなる?

それからもうひとつ。たしか、ロングステイ財団が中心になって、ロングステイ・アドバイザーという専門家を養成していたと思います。財団に登録して、ロングステイに関する相談や支援を行うということでした。有料の研修や講座を受けてロングステイ・アドバイザーになった方も少なくないと思います。私の知り合いにもこのアドバイザーの活動をしていた方がいます。
ただ、ロングステイ財団がホームページを閉鎖してしまったので、このロングステイ・アドバイザーが今後どうなるのかも確認のしようがありません。

▼ 何があったのでしょうか

あまりに不自然な退場だったので、何があったんだろうか、とネットで検索してみたら、当事者の方のこんなコメントがありました。

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財団の運営をめぐっては、幹部による出資金の扱いや組織体制の混乱、説明責任の在り方など、長年にわたり様々な疑念や批判が積み重なり、結果として信頼を大きく損なう状態に至りました。
そしてその総決算が、本日の解散であったと受け止めています。
私はその一員としてかねてより「財団運営」を批判し真相究明と早期解散を訴えて奔走してきましたが、解散は達成できたものの事実は隠蔽されたままという結果になりました。
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ネットの情報で確認のしようもありませんが、実名で投稿している内部の方のコメントなので、勇気ある情報発信なのではないかなあ、という印象を持ちました。

▼ シルバーコロンビア計画

日本が、バブル経済の真っただ中だった1986年、当時の通産省のサービス産業室長が提唱した構想で、豊かな第二の人生を海外で過ごすための海外居住支援事業ということで始まったのが、ロングステイの発想の源流だったようです。紆余曲折があり、バブル経済も終了、この発想だけは1992年発足の「ロングステイ財団」に継承されたということです。

「コロンビア」というのは、コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年から500年後の1992年までにシルバー世代の新天地を海外に築こうという意味合いだったそうです。

発案者の室長は、スペインでの大使館勤務中に保養地の「退職者村」でイギリス人やドイツ人が老後を優雅に過ごしているのを見てこの計画を思いついたそうです。

計画を立案した室長も退官後のスペイン移住を予定していたそうですが、退官を控えた2008年「私が考えていたころに比べて円高のメリットを生かせないので、(スペインに)移住するというわけにはいかない」と述べ移住計画を撤回したというオチまでついています。

▼ ロングステイはひとつの選択肢

バブル期の円高をきっかけにした発想だったとはいえ、その後、多くの関心を集め、ロングステイという文化は、明らかに日本のシニア層に対して、ひとつの夢を提供したのではないかと思います。

お役人の思い付きに引きずられたキライはありますし、ロングステイ財団の突然の退場、という無責任な幕引きでもありますが、シニア世代が引退後の生活を考える時、誰かに頼るのではなく、自分で考え、自分で行動する際の選択肢の一つになっていることは間違いないと思います。

財団の閉鎖はそういう観点からも非常に残念ですし、撤退の仕方が、とても無責任だなあと感じざるを得ません。

 

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