FP相談6つのステップ【2016年 第2回】

【2016年 第2回 FP相談6つのステップ】最近のFP相談事情と今後

長谷 剛史 (ハセ タケシ)

第1回ではFPに相談できることを具体的にご紹介しました。
実際にFPへ相談してみたいと思っても、どのような手順で進むのだろうか?と少し不安を感じる方も少なくないかもしれません。
そこで、今回は、FP相談のプロセスを6つのステップに分け順を追ってご紹介したいと思います。
FP資格を取得するときに必ず勉強するのが、この6つのステップになります。

(1)顧客との関係確立とその明確化

相談者とFPとの信頼関係が生まれてこそ、適切なプランの提供と相談者の満足があります。
大事なお金の相談をするわけですから、知識と経験も大切ですが誠実で信頼できるFPであるかどうかをこの段階で見極める必要があります。
長い付き合いになる可能性が高いFPですので、実際に依頼するかどうかは慎重に検討するようにしましょう。

また、相談者に提供されるサービスの内容やプランニング手順を確認し明確化してもらうと、実際の相談への不安が解消されていきます。

(2)顧客データの収集と目標の明確化

相談者のデータをFPに伝えることになりますが、全ての情報を提供しないと最適なプランが作成できないかもしれません。
伝えたくない情報もあるかもしれませんが、FPに求められた情報は全て提供するようにしましょう。
必要な情報は収入や資産、保険や年金の加入状況など数値化できる情報だけではなく、将来の目標やお金に関する価値観、家族関係など数値化の難しい情報もFPがプランを考える上では非常に大切な項目になります。

また、人はそれぞれ姿や形が違うように人生の目標も様々です。
どういう人生を送りたいのか?何を優先するのか?など目標を明確化していきます。

(3)顧客のファイナンス状態の分析と評価

相談者から得た全ての情報をもとに、まずは現状分析を行い問題点を洗い出していきます。
この段階では相談者が気付いている問題点や不安は漠然としたものが多いので、FPが様々な角度から分析を行い、相談者へ提示することになります。

具体的には、
①ライフイベント表(=相談者とその家族の予定や希望を時系列で示したもの)
②キャッシュフロー表(=家計の収支状況や貯蓄残高を一覧表にしたもの)
③バランスシート(一定時点の資産及び負債の状況を示したもの)
を作成し分析を行います。

(4)プランの検討・作成と提示

分析の結果浮き上がってきた問題点を、相談者の価値観や優先順位を考慮しつつFPから解決策が提示されます。
1つではなく複数の解決策が示される場合も多いですが、この場合はそれぞれの解決策にはどのようなメリットがあるのか、他の解決策との違いや実行性などが説明されます。

また、解決策を実行した場合、どの程度キャッシュフロー表が改善されるのか?を確認することができます。

(5)プランの実行援助

相談者が納得できた問題解決策や改善策であっても、実行する方法がわからない又は難しい場合もあります。
このような場合、FPは実行方法を指導したり・代理したりすることによって速やかに実行できるように援助を行います。

ただ、FP資格だけでは援助できないこともあるため、税理士や弁護士など他の専門家と一緒に実行援助を行うことも多く、FPが信頼できるネットワークを持っているかどうかもFPを選ぶ上では重要な要素かもしれません。

(6)プランの定期的見直し

相談者の働き方や家族状況及び考え方が変化することもありますし、経済状況や税制の改正なども考慮すると、定期的にプランを見直す必要があります。
1年に一回程度見直すことが理想ですが、それが難しい場合でも人生の節目にはきっちり再作成し、目標に向かって順調に進んでいるのかどうかをチェックするようにしましょう。

FP相談6つのステップをご紹介しましたが参考になりましたでしょうか?
FPへの相談は一回きりではなく、定期的に面談を行う長い付き合いになりますので、信頼できるFPを人生の早い段階で見つけられれば、将来の夢や希望を叶えられる可能性が高くなりますね。

次回は、相談できるFPの選び方を取り上げますので楽しみにお待ちください。

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