ビジネスと日常生活のマルチな知識:FP技能士【2014年 第3回】

2014年 第3回 ビジネスと日常生活のマルチな知識:FP技能士 キャリアアップにつながる資格のお話

松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒プロフィール

私がFPと出会ったのは実は証券会社でシステムエンジニアをしている時で、日本証券業協会主催のFP講座でした。

FPとはファイナンシャル・プランナーを略したもので、人生設計(ライフプラン)を経済面でサポートするのが主な仕事になります。お金の話を日本人は卑しいと捉える風潮がありますが、日常生活にはさまざまなお金に関する知識を必要としています。

具体的には、住宅を購入する場合の住宅ローン、厚生年金・国民年金の受給資格や手続き、所得税等の税金、金融資産運用、相続手続き、生命保険・損害保険の加入、子どもの教育費などの準備など。

高度成長期やバブル期には誰もが収入が右上がりだったので、知識がなくても生活に大きな支障がなく「知っていたら得をする」程度でしたが、社会構造の変化で終身雇用制度の崩壊、少子高齢社会、リスク自己責任原則への移行等、「知らないと損をする」時代になり、生きるためには知恵・知識が必要になりました。

ファイナンシャル・プランニング技能士(以下FP技能士)は、そういった生きるための知恵・知識がいっぱい詰まっている資格です。

○試験内容

FP技能士試験はその知識を問う学科と、事例から解答していく実技に分かれます。そしてそれぞれ60%以上の得点を取得すれば合格です。また一部合格(学科のみ、実技のみ)の場合には次回以降にもう一方を60%以上得点すれば合格になります。

○受検方式

試験は年3回(5月下旬、9月上旬、1月下旬)行われます。試験方法は二択、三択、四択(学科)、記述式(実技)、口頭(1級のみ実技)があります。いずれも試験会場で筆記によって行われます。持ち込めるものは筆記道具と電卓です。試験申込みは、社団法人 金融財政事情研究会(以下きんざい)、NPO法人日本ファイナンシャルプランナーズ協会(以下日本FP協会)のいずれかで通常試験日2~3ヶ月前から受け付けています。学科試験の内容はどちらも同じですが、実技試験はきんざい、日本FP協会によって異なります。

なお、FP技能士2級に合格し、日本FP協会認定の講座を受講して終了すれば、AFP資格も付与されます。AFP資格は国際ライセンスであるCFP®資格の受検要件になっています。

○受検してみての体験談

FP技能士制度が導入されたとき、すでにCFP®認定者でした。そのため特例講習によって1級FP技能士資格が付与されました。つまり、技能士試験は受検していないのです。しかし、FP技能士講座の講義を行う関係で、毎回3級技能士と2級技能士の問題を解くようにしています。もちろん、合格ラインには達していますよ(笑)。

 ○まとめ

特に学生には、就職活動のためだけでなく、自立するための知識としてFP技能士3級を学んでほしいと思っています。試験レベル的にもそう難しいものではありません。もちろん合格すれば履歴書にも書くことができます。また金融機関や宅建業界等に就職を検討している学生は、FP技能士2級をぜひとも目指してほしいと思います。入社後に2級の資格取得を求められると思いますが、他の新人研修や配属先で仕事を覚える事で時間や体力が取られてしまう事が予想されるので、学生時代にぜひ、取得しておく事をオススメします。

CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。

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