人の脳は歳とともに衰えてしまうのか【2017年 第1回】

【2017年 第1回】人の脳は歳とともに衰えてしまうのか
脳のしくみを知って圧倒的な記憶力とライフプラン(夢)実現を手に入れよう!

菱田 雅生 

私はファイナンシャル・プランナーとして約20年、資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに、相談業務や原稿執筆、セミナー講師等に従事してきましたが、2年ほど前から、アクティブ・ブレイン・セミナー(ABS)という記憶法セミナーの認定講師としての活動も始めました。

ABSは、脳の仕組みや使い方を知ることで飛躍的に記憶力が上がることを体験できるセミナーです。記憶力が上がると自分に自信が持てます。自信が持てると自己肯定感も高まり、やる気が出ます。やる気が出るとライフプラン(夢)の達成確率が飛躍的に上がります。

このコラムでは、ライフプランを達成するための脳の使い方や記憶の仕組みなどを月1回のペースで紹介していきますので、FP的なお金の面からのアプローチとは少し違った視点をお楽しみいただければと思います。

 

歳とともに物忘れが激しくなるってホント?

「最近、物忘れが激しくなってきているような気がする」

現在47歳の筆者も、歳をとるにつれて、「ほら、あれ、なんだったっけ?」とか、「あの人の名前、何だったっけ?」といったようなことが増えてきたように感じます。皆さんのなかにも、私と同じような経験がある人は意外と多いのではないかと思われます。

では、本当に人間の脳は年齢を重ねていくのに伴って、衰えてしまうのでしょうか。

もちろん、私は医者ではありませんし、脳の神経細胞の研究者でもありませんので、細胞レベルでの加齢による衰えの有無を正確に把握できているわけではありません。加齢とともに基礎代謝が落ちたり、筋肉が衰えたりするのと同じように、脳の細胞レベルでは多少なりとも加齢の影響が出てくる可能性はあるでしょう。

 

しかし、記憶力が加齢とともに落ちていっているような気がするのは、ハッキリ言って気のせいです。記憶力が落ちているのではなく、きちんと記憶しようとは思っていないからです。「人の顔と名前がなかなか覚えられない」と言う人もいますが、そもそも本気で顔と名前を覚えようとしていましたか?同時に何人もの人と名刺交換をする機会があると、そのときには、もともと覚えるのは無理だと自分で決めていませんでしたか?

 

自分で「無理」と決めてしまうと、脳は動かなくなります。自分で「覚えられない」と決めているわけですから、誰が何と言おうが「覚えられない」のです。逆に言えば、「覚えよう」と自分で決めれば、脳はそのように動いてくれます。物忘れが激しくなってきている気がするのは、そのようにきちんと覚えておこうとは思っていない事柄が多いからではないでしょうか。

年齢はほとんど関係ない?

実際に記憶法のセミナーにおいてトレーニングをやってもらうと、年齢による違いを少し感じるのは、運動神経にも似ている脳の瞬発力が、比較的若い人のほうが優れている気がする程度です。それでも、例えば2日間で200個の単語(「机、時計、パソコン…」などの関連性のない単語)を記憶していく過程で、脳の瞬発力の高い10代20代の若者よりも、40代50代の人のほうが2日目のスピードが上がっていて10代20代の若者たちを一気に抜き去っていくケースもあります。逆に10代20代の若者たちが少し苦労している姿を見ると、記憶していく力ともいえる人それぞれの脳力は、年齢による違いはほとんどないことを実感させられます。

このことは、40代50代以上の人にとっては、ある意味では厳しい現実かもしれませんね。なぜなら、「もう歳だから…」というのは単なる言い訳に過ぎなくなってしまうからです。これを機会に、脳のスイッチを入れなおしてみませんか?「もう歳だから…ダメ」なのではなく、「もう歳だけど…できる」と。

「無理」とか「難しい」と思ってしまうと、人間の脳はそれ以上進むことができずに止まってしまいます。「無理かもしれない」ではなく、「できるかもしれない」と思うことで脳は動いていくのです。年齢はほとんど関係ありません。「何かを始めるのに遅いなんてことはない」とよく言われるように、何歳だろうが大切なのはこれからです。自分の夢や希望であるライフプランを気持ちよく達成していくために、重要なのは考え方、すなわち自分の脳の使い方です。次回以降も、上手な脳の使い方について紹介していきたいと思います。

 

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