地震に対する備えと復興支援【2008年 第1回】

【2008年 第1回 地震に対する備えと復興支援】地域コラム 甲信越・北陸

田中 美紀子(タナカ ミキコ)

 

 

 

 

今年も忘れられない1月17日が廻ってきました。1995年1月17日未明に起こった、震度7の阪神・淡路大震災。6,500名近い尊い命が失われ、避難人数30万名以上、家屋全壊105,000棟という未曾有の被害が出ました。

私自身大阪でこの地震を体験し、高速道路が崩れ落ち、ビルが崩壊し、神戸市街地が壊滅状態に陥ったその被害の実態を目の当たりにした時の大きな衝撃と恐怖は、生涯忘れることはできないでしょう。
最愛の家族を、恋人を、友人を奪い、人々の生活を一瞬にして破壊してしまう天災を前にしては人間の無力さを感じざるを得ません。年数が経つにつれ忘れられ風化してしまいそうになりますが、しかし鎮魂の思いも込め、けして忘れてはならないのです。

そして、昨年2007年3月25日、震度6強の能登半島地震、1名の命が失われ、家屋全壊700棟あまりという県政史上未曾有の被害がでて、石川県民にとっては忘れられない日となりました。

近年に起こった大きい地震をあげてみると、2000年鳥取西部地震、2001年芸予地震、2003年十勝沖地震、2004年新潟県中越地震、2007年能登半島地震・新潟県中越沖地震となります。また1996年から2007年までの12年間に震度4~6で人的被害のあった地震は80件にものぼります。

まさに地震大国日本、私達はどこに住んだとしても、いつ地震にあってもおかしくない状況にあるといえます。ですから日頃から地震に対する備えをしておくことが大切になってきます。

地震はたくさんの教訓を私達に残してくれています。

大震災で被災した方々が役に立ったものを順番にあげると、①懐中電灯、②携帯ラジオ、③バケツ・お風呂に水を貯めておくこと、だったそうです。この他にも、飲料水をペットボトルに入れておく、保存食、携帯用のガスコンロなどが役に立ちます。

また、住宅が損壊した場合、再建するには多額の資金が必要になります。
事前の備えとして地震保険をかけておくべきだと思います。地震保険は単独ではなく火災保険とセットで契約し、火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で、建物5,000万円、家財1,000万円が上限になります。保険料は地震の発生確率などにより都道府県を1等地~4等地に分類して決められており、2007年10月に改正されています。また、2007年1月より地震保険料控除制度がスタートし、年末調整で生命保険料などと同じように所得控除できるようになりました。

 

 

 

 

 

地震後の被災地の1日も早い復興は、官民あげて取組むべき課題です。
能登半島地震が起こってから、石川県では「能登半島地震復興プラン」“元気のと創生プラン”を5年計画として立ち上げ、被災者に対しては住宅の再建支援、心と体のケアなどが重点的に行われています。

能登の夏が好きで通いつめた青春の日。
輪島の朝市の素朴で元気いっぱいのおばあちゃん達、輪島から曽々木海岸、堂ヶ崎にかけての海岸線のダイナミックな美しさ、日本でも少なくなった千を超す棚田。かがり火のもとで演奏された勇壮な御陣乗太鼓の響きは幻想的で、時を経た今でも、あざやかによみがえります。冬は厳寒の能登の海で獲れたズワイガニ、寒ブリ、カキ、甘エビなどの海の幸が絶品です。

いつ被災者の立場になるかわからない昨今、他人事とは思わず自分のできる範囲で被災地への復興支援を行いたいものです。早期の支援として、義援金・物資の援助・ボランティアなどがありますが、ある程度落ち着いた時期にその地を訪れるという選択もあるのではないでしょうか。海と山に囲まれた自然豊かで人情にあふれた、日本の原風景ともいえる能登をぜひ訪れてみませんか。

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