有料老人ホームの種類【2013年 第10回】

【2013年 第10回 有料老人ホームの種類】高齢期の介護とすまい

岡本 典子 ⇒プロフィール

最期まで介護が付いていて安心してくらせる施設は?というと、有料老人ホームが浮かぶ人が多いでしょう。しかし、有料老人ホームには3タイプあり、すべてに介護が付いている訳ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

有料老人ホームは3タイプ

高齢者が安心して生活できる施設の代表は「有料老人ホーム」ですが、ひとくくりではありません。
下記のように3類型あり、それぞれ内容が異なります。

 

住宅型選択における注意点

住宅型有料老人ホームの特徴は、介護は付いていないという点です。自宅に居るのと同様、外部の介護訪問事業者と契約し、ヘルパーさんに居室に来てもらい、食事や排泄、入浴などの介護サービスを受けてくらします。
元気な自立者が入居する施設もありますが、やはり問題は介護が必要になったとき。介護度や認知症が進んでくると、1割負担限度額内の訪問介護だけで十分ではないのは自宅に居る時と同じで、そのあたりをどう対処するかが問題点です。夜間の介護が必要になったり認知症が重度になると、24時間介護が付いた介護付きの有料老人ホームに住みかえなければならないこともあり、そのための資金を確保しておく必要があります。
住宅型有料老人ホームの多くは、介護を提供している事業所と提携しています。建前は、入居者は好きな事業所と契約することでできるのですが、実際は住宅型有料老人ホームで食事や生活の各方面でお世話になっている以上、介護が必要になっても提携している介護訪問事業所と契約するのが自然な流れです。本人としてもその流れに逆らわずにいる方が居やすいでしょう。その場合、提携している訪問介護事業者が良質な事業者であれば大変スムーズでwin-winです。
住宅型有料老人ホームを選択する時は、提携先となる介護訪問事業者がどんな事業者かを確認しておくことが大切です。

最期まで安心してくらせるのは「介護付き有料老人ホーム」

<自立型>
自立時に「終のすみか」として、万が一介護が必要となってもずっとそこでくらせます。
元気なうちから住みかえ、仲間を作り、充分に楽しみ、スタッフと顔なじみになっておく。そして、介護が必要になったら、慣れた環境の中で最期まで介護してもらおうという長期的プランを立てて入居する有料老人ホームです。自立者が生活を楽しめるよう、共有施設などが充実しており、豪華な施設もあります。
例えば、プール、ダンスホーム、フィットネスジム、ビデオシアタールーム、アトリエ、陶芸室、和室、ビリヤードルーム、囲碁やマージャンルームなど、サークル活動が盛んな施設では楽しそうな声が響いてくるところもありますが、すべての施設が活発に使われているとは限りません。入居を検討する場合は、敷設されている共用施設を自分が有効に活用できそうか、不要な設備が多すぎないかどうかの判断が必要です。
雰囲気としては元気な方が多いことから活気があり、華やかなコミュニティといえるでしょう。

<介護型>
要介護(要支援)認定を受けた人ばかりが入居する施設なので、静かな雰囲気です。
食事、排泄、入浴などの介護、シーツ交換、部屋の清掃、提携病院への送迎、また希望者には看取りや葬儀まで行ってくれる施設もあります。要介護になり、行く末が心配になったとき、安心して最期まで暮らせる施設はどこ?という時の有望な選択肢の一つです。
共用施設は自立型のように充実しているわけではありません。食堂とちょっとしたリハビリルーム(スペース)とリビング程度。大切なのは心暖かい介護が受けられることです。

<混合型>
夫婦の一方が自立、一方が要介護の場合に夫婦で入居できる有料老人ホームです。
雰囲気は介護型に近く、介護を必要としている人がほとんどのため、自立者が生活していくには精神的にキツイかもしれません。
以上のように、有料老人ホームにはさまざまなタイプがあり、金額によっても雰囲気は全く異なります。
入居を検討する場合は、ぜひ見学し、体験入居してみて、施設のありのままの姿を理解した上で選択することが肝要です。

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