いつの間にか増えていく通信費 その2【2013年 第6回】

【2013年 第6回 いつの間にか増えていく通信費 その2】 家計節約~家計のダイエット〜

中村 真佐子  ⇒  プロフィール

家計ダイエットは支出を無理なく減らしていこうというもの。支出削減の王道は固定費から。前回は固定費の中でも、通信費についてみてきました。今回は通信費増の原因であるスマートフォンについて掘り下げていきます。

通信費増の原因はスマートフォン?

前回のコラムで、通信費増の原因について、スマートフォンの通信料金を挙げた人が圧倒的に多い調査結果をご案内しました。

携帯電話から、スマートフォンに変えると月々1,500円程度固定費が増えます。家族2人だと約3,000円になります。スマートフォンに変えて通信費アップは、避けられません。

言い換えれば、通信費がアップしてでもスマートフォンに変えるのは、月々約1,500円分の価値が携帯電話よりあるのだということになります。

スマートフォンに見出す価値

スマートフォンと従来の携帯電話の違いは、大きく分けると3つになります。

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①  使えるサービスや機能が違う

②  料金体系が違う

③  操作の仕方が違う

 

自分の使いたい機能(アプリ)をインストールして、便利に利用できることが携帯電話にはない大きな違いです。インターネットの機能もあり、パソコンと同じように情報収集できる機能は従来の携帯電話でもありますが、画面の美しさや写真の解像度の違いなども、従来の携帯電話よりも価値のあるものでしょう。

 

このように自分にとって価値があるものに対して、お金を払う・・・スマートフォンでは、月々約1,500円の価値ということになります。

スマートフォンに変えても、メールと電話、ゲームなどしか利用しないあるいは、便利なアプリを使いこなせないということであれば、付加価値に支払う料金がムダということになります。

スマートフォンは時間泥棒?

楽天リサーチのスマートフォン使用実態(2012年5月)によると、スマートフォンに変えてから従来の携帯電話と比べて、利用時間が増えた人は、7割以上にも上っています。また、同調査でスマートフォンが便利な点の上位は、「画面が大きくて見やすい」「WEBサイトへの接続が簡単」「情報量が多い」となっていて意外にも「アプリが使いやすい」は、4番目でした。

 

同調査では、パソコンの利用時間の調査もあり、「変わらない」が1位となっていて、スマートフォンでWEBサイトに利用価値を置きながらもパソコンでの情報収集も従来と変わらないのであれば、大切な「時間」をWEB閲覧にだいぶ取られているのではないでしょうか。

1日24時間は皆、同じだけ与えられています。その中でお金を生み出す「仕事の時間」、生命の維持、健康を保つための「食事や睡眠の時間」、生活するうえで必要な「家事などの時間」さらに「家族との時間」は生きていく上でもっとも必要な時間です。その大事な「時間」に通信機器が入り込んでくることに価値があるのかを考えてみましょう。

いつでも情報が入手でき、便利に使うことで、時間を効率よく使いことができるスマートフォン。

一方で、ファミリーレストランで観察をしていると、スマートフォンをいじりながら、食事をしている光景をよく目にします。一緒に食事をしている人と、会話がないなんてことはありませんか?

「時間」をお金に換算するのは、難しいですが、「スマホ依存症」という言葉が出てきているように、

便利さに振り回されて大事なことが置き去りになってしまうものに「価値」はあるのかどうかも考えてみましょう。

メンテナンスの煩雑さ

データの維持管理の煩雑さの価値はどうでしょう。

スマートフォンは、情報を多く蓄積できるのはとても良いところです。一方で情報が多くなればなるほどその維持管理が大変になります。そこにも「時間」がとられます。パソコンに操作もあまり得意でない人が、スマートフォンで写真をたくさん撮って、保存にひと苦労ということもあるでしょう。

新しい機種に切り替えるときのデータバックアップについても機器に不慣れな人は、負担となるでしょう。もしこれらを負担に感じるのであるなら、それは「マイナスの価値」となります。

わたしはアイフォーンユーザーです。

アプリはほとんど使っていません。同じアイフォーンユーザーの娘には、「何のためにもっている?」とあきれられています。

数少ないアプリの中で、頻繁に使っているアプリは「LINE」です。「LINE」は、単身赴任中の夫と留守家族とのコミュニケーションには欠かせないとても便利なツールです。私は、このアプリ一つに大きな価値があると思っています。

 

携帯電話に限らず、生活の中でいろいろなモノの価値に対してお金を使うか、我慢するかの判断をする場面は意外と多くあるものです。

「衝動買い」は、その価値を確認する前に「欲求」だけでお金を使ってしまうことです。あとで後悔してしまったら、それは、お金を「ムダ」に使ってしまったということ。

この「ムダ」を限りなく少なくしていくとこが、家計ダイエットには必要なことです。

普段から、モノの価値をお金に換算して判断する習慣をつけると、「ムダ」が少なくなってきます。

 

まずは、通信費。負担に感じているのであれば、今一度支払う価値があるものかどうかを、再考してみましょう。
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