食費と食品ロス【2013年 第3回】

【2013年 第3回 食費と食品のロス】家計節約~家計のダイエット〜

中村 真佐子 ⇒  プロフィール

家計ダイエットは支出を無理なく減らしていこうというもの。主婦にとって「支出を減らす」でまず真っ先に思い浮かべるのは、「食費」ですね。今回は、食費と食品ロスについてみていきます。

食費は変動費

家計を考えるとき「変動費」と「固定費」に分けて考えることがあります。

「固定費」は、毎月必ず一定の支出があるものです。

例えば、「家賃」「保険料」「税金」「授業料」などです。固定費と変動費の中間的なもので、多少その月によって変動があるのは、「通信費」「光熱水費」などがそれに当たります。

「変動費」は、毎月のやりくりによって支出の額が変わるものです。「食費」「日用品費」「衣料品」などです。

今回取り上げるのはその中の「食費」です。

 

主婦は食費と献立に悩む

主婦は、毎日献立を何にしようかと悩みます。「おいしく栄養のあるものを」と考えますが、時には、忙しかったり、疲れていたりすると、簡単に済ましてしまおうということもあります。収入が増えない昨今は、共働き世帯が増えていることもあり、調理時間が短縮できる食品が人気なのもうなずけます。

買い物では、「安くて品質の良いもの」が大前提。お買い得なものがあれば、ついつい手を出してしまいます。必要以上のものを買ってしまい、後から後悔することも少なくありません。

 

主婦が考える食費と献立の理想は、「安くてよいものを手に入れ、ムダなく使い切っておいしい料理を提供する」ことですが、それがなかなかうまくいかずに悩んでいるのです。

主婦が感じている食費のムダの部分で、「もったいないことをしてしまった」こととして、腐らせて捨ててしまった、賞味期限が過ぎてしまい食べずに捨ててしまったということがあります。実際どれだけ捨ててしまっているのでしょうか。

食品ロスの現状

食品ロスとは、食べられる状態にあるにも関わらず廃棄される食品のことを言います。

調理したものも含みます。

家庭での食品ロス率はどれぐらいなのでしょうか。

農水省の2010年の資料によりますと、家庭での食品ロス率は3.7%となっています。

 

食品ロス量

 

食品ロス率を使って、ムダにしてしまったものを金額に換算してみましょう。(あくまでも試算です)

前回のコラムで触れました、総務省家計調査で2人以上の勤労世帯の食料支出は、月額約68,000円でした。

3人家族で月額食費は68,000円とします。そのうちムダになってしまった食料は約3,000円となり年換算すると約36,000円となります。(※)

お金に換算してみて実感としていかがでしょうか。

 

※農水省「食品ロスの現状」より、1日あたりの食品ロス率3.7%を使って単純に試算したものです。3.7%の中には、金額の高いもの、安いものが含まれていますので、現状に即した試算ではありません。

 

食品ロスを減らすことは食費削減の方法の一つ

食費削減の方法の一つとして、食品ロスを少なくすることにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

食費ロス率はあくまでも統計ですので、家庭により多いところもあれば、少ないところもあるでしょう。

食品ロスを少なくすることは、環境に配慮することができますし、お子さんのいる家庭では食育の面からもいいでしょう。

1か月~2か月くらい食品廃棄を意識してみましょう。どんな食材が腐るのが早いか、食べ残しが多いか、手つかずの食品廃棄はどんなものかなど。その上でなぜ食品廃棄に至るかを考えてみましょう。その理由は家庭によって様々です。

 

例えば、ご主人の夕食を作ったのに仕事の都合で食べないことが多くある場合、連絡の不徹底によるものであれば、それを改善すれば防げますね。あるいは、買ってあるものを忘れてしまい腐らせてしまう場合は、冷蔵庫の整理整頓をし、どこの何があるかわかるようにするなどの対策が考えられます。食品ロスしてしまう理由とその対策を講じれば、食品ロス減らせますね。

今回は、食品ロスの視点から食費削減についてみていきました。食費削減はいろいろな視点から取り組むことができます。「これならできる」という方法を探っていきましょう。
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