固定費削減効果大の保険の見直し②【2013年 第11回】

【2013年 第11回 固定費削減効果大の保険の見直し②】 家計節約~家計のダイエット〜

中村 真佐子 ⇒  プロフィール

家計ダイエットは支出を無理なく減らしていこうというもの。支出削減の王道は固定費から。これまでは固定費のダイエットとして通信費や、光熱費を見てきました。今回は、前回に引き続き保険の見直しを取り上げます。

保険の見直しのきっかけは?

保険の見直しを考えるきっかけは、今加入している保険の更新の時期がくる、というケースが多いのではないでしょうか。前回よりも年齢が上がっていますので、同じ契約を継続するならば、当然保険料もアップします。その金額を見てこのまま更新をして良いのだろうかと悩む方もいらっしゃるでしょう。
また、収入が減るなどの経済環境の変化などで、家計の状況が苦しくなってきて保険料を少しでも減らせないのか?ということもあるでしょう。
このように、見直したいと思うきっかけはあってもいざ見直すとなると、どうしたらよいのか?戸惑ってしまうのではないでしょうか。
ではどのように見直していったら良いのでしょう。

保険の見直しの仕方:保障から考える

保険は加入しているものの、本当にこの保障は適切なのか?という視点から考えてみましょう。
適切な保障でなければ見直す必要があります。
今回は、子供がいて、一番お金がかかる時期を補う定期保険の保障額についてみてみましょう。
子どもがいる家庭では、子どもが独立するまでがお金がたくさん必要な時期で、独立までの時期が長いほど必要なお金が多くなります。子どもが小さい頃に加入した保険は、適切な保障だったとしても10年たてば、必要保障額がかわってきますので、10年後の同じ保障は適切ではないということになります。
では、必要保障額は、どのようにして算出したら良いのでしょう。
ここで誰もが出来る簡単必要保障額の計算方法をご紹介します。保険会社サイトや保険の営業の方は、正確に必要保障額を計算してくれますが、会社により設定が違い金額も様々。どれを信じてよいのかわからなくなります。
大まかどれくらい必要なのか?自分で計算できれば、適切な保障額への見直しにつながります。
必要保障額はどのように計算するのかというと、現在の生活費を元に、現時点で今後に必要なお金を試算したその総額のことを指します。その総額から、遺族年金、貯蓄、残された配偶者の収入を差し引いて足りない分を民間保険で補います。
下記図表の例は、夫婦と子ども一人の家族で、夫が亡くなった場合の必要保障額の概算計算です。
まずは、夫の死後、生活費と将来のためのお金がどれだけ必要なのか?考える必要があります。夫の死後の生活費を想像するのは難しいので、今の生活費の3割減プラス将来に必要なお金を見積ります。
この例では、毎月の基本生活費を25万円、教育費やその他必要なお金を5万円と見積もっています。
現在の生活費にどれくらいかかっているかにより、必要生活費が変わってきます。
誰もが出来る簡単必要保障額の計算ですので、あくまでも概算です。夫が会社員ならば、遺族厚生年金がプラスされますので、この例よりも必要保障額は少なくて済みます。
また遺族基礎年金は、子どもが18歳までしか支給されませんので19歳以降は別計算をします。保険として必要なお金は、将来の経済環境は変わりますので現時点で大体がわかれば良いと私は思います。
この計算はあくまでも1例です。貯蓄は教育費という位置づけでしたら、毎年の切り崩しの分をなくし、基本生活費を月25万円で計算するなど、いろいろなケースで試算してみてください。
今回の例は配偶者に収入がないケースですが、配偶者に収入がある場合は、必要生活費から年収を差し引きますので、必要保障額はさらに少なくなります。
この図表を見ると子どもの成長により必要保障額が少なくなっていくのがわかります。
例えば子ども2歳時に5,000万円で契約した定期保険は、10年後の更新時に同じ保障内容で更新する必要がなく、この例で見ますと3,000万円程度に減額してOKということになります。そうなると保険料アップはなくなり、場合によっては少なくなるでしょう。
これも立派な保険の見直しです。現在加入中の保険の保障は適切か?確認してみましょう。
今回は定期保険の保障額について見てきましたが、他にも必要のない特約は解約したり、医療保険についても、公的健康保険もあるので医療費については貯蓄でまかなう、となれば医療保険を解約するということもできますね。
生命保険見直しの際にはまず、適切な保障なのか?を見極める必要があります。
保険会社サイトに必要保障額をシミュレーション出来るものがありますが、驚く程保険会社によって金額が違います。設定条件が各社で異なることからこのような差が生じるのだと思います。
家族の生活費、将来に必要なお金はそのご家庭により様々です。ご紹介した簡易の計算でいろいろなケースを想定して大まかな必要保障額を計算して、我が家の適切な保障額を出してみましょう。
今回は、保障から考える見直しの方法をご紹介してきました。次回は、保険料から考える見直しの方法と、最終回になりますので、家計ダイエットを総括したいと思います。
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