自動車の任意保険(走り屋編)【2012年 第8回】

【2012年 第8回】自動車の任意保険(走り屋編)  クルマを走らすなら、必須ともいえるのが自動車任意保険への加入

矢澤 理惠(ヤザワ リエ)⇒プロフィール

クルマを走らすなら、必須ともいえるのが自動車任意保険への加入。
でも、この任意保険が実はかなり大変なことに・・・

クルマを走らせると、どうしても避けて通れないのが交通事故。
もちろん、誰もが「自分は事故なんて起こさない。」と考えていますし、起こそうと思って起こしているわけではないですよね。
でも、動くモノに乗っているのですから、タイミングやうっかりといったいろいろな要素が重なり交通事故が起きてしまいます。
そんなときのために自動車任意保険があります。
基本的には自賠責保険がありますが、その保障範囲外が任意保険で補償されるということになります。
この辺りはみなさんもご存じの方が多いと思います。

走り屋に非常に厳しい自動車任意保険

「走り屋」と言われる車種に対して、料率クラスが高く設定されています。
確かに、ドリフト(クルマをわざと横滑りさせて運転すること)したり、免許取り立ての若い人がこのんで運転することが多いので、事故率が高いと言えます。
料率クラスは1~9のクラスに分けられます。
一番高い9クラスの車種としてBMW760・コルベット・ベンツCL550 ・フェラーリF430などがあげられます。 高級外車と言われる種別のクルマです。国産車であれば、GT‐Rや少し前のランドクルーザーがあげられます。
GT‐Rは国産車の高級スポーツ車と言うことでなんとなくわかりますが、ランドクルーザーがなぜ?と思いますよね。
実はこのクルマ、中東での需要が高かったらしく、とにかく盗難にあっていたのです。任意保険で盗難にも対応していたので、事故ではないのですが保険料が上がってしまった、ということなんですね。

一般的なフェラーリは一つ下の8クラス。
私のクルマ180sxは、と言うと7クラス、クラウンが5クラス、エスティマが4~5クラス、となっています。
私のクルマは高級外車の一つ下位のランク付けをされているわけです。
それでも、最近は20等級で、最高の割引き率63%を適用、条件として35歳以上、ゴールド免許、日常・レジャー用使用などで年間7万円程度の保険料負担で済んでいます。

車両保険の仕組み

一般的に、新車で買ったクルマは最初に買った時の金額で車両保険を付けることができます。そして、1年経過するごとに10%~15%ずつ償却(価値が下がること)されて車両価格が下がっていき、最終的には10%ほどの残価となります。
そうなると、10年も乗ったクルマは実際に必要な価値を、車両保険上で付けられないことになります。

ところが、走り屋に人気の車種は中古車市場でも値段が下がりません。たとえ10年経ったクルマでも100万円以上で取引されます。このように中古車市場で人気のクルマは中古車購入価格から車両保険を設定することができます。ただし、売買契約書等が必要です。

ちなみに私のクルマは、初年度登録から13年落ち(経過)で138万円でした。それから2年乗っていますが、現在の車両保険は100万円となっています。だいたい計算が合いますね!

若者にも厳しい任意保険

下記の図をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

私が今かけている任意保険と同じ条件で免許を取ったばかりの18歳のシミュレーションをしてみました。
免許を取ったばかりだし、何があっても対処できるようにとフルカバーの車両保険付きで金額を出すと1年間で902,180円(月額で約7万9千円)!!!
エコノミー車両保険で、592,290円(月額約5万2千円)。
車両保険をつけなかったとしても、339,450円(月額約3万円)・・・
18歳の若者に、クルマのローン以外にこれだけの任意保険料が払えると思いますか?
この金額で、若者のクルマ離れの理由の一端を見た気がしました。

細分化された任意保険

最近は乗るシーンや年齢、頻度、走行距離などによって任意保険の内容も細かく細分化され、必要に応じた保険を選ぶことが可能となっています。これは、保険会社側で聞いてくれるので自分で要不要を判断することができれば、ある程度保険料を抑えることも可能となります。

現在は対人・対物無制限、人身傷害付きは当り前の世の中。
ここで、最近話題の特約をひとつご紹介しておきます。
「被害事故弁護士費用」これはかなり使われる頻度の高い補償です。事故が起きなければ使うこともないでしょうが、使われているということはそれだけ事故が起きている、ということです。

実際にコトが起きてしまったときに、ちゃんと使える補償を用意しておくことが大切です。
払いすぎはもちろん、少なすぎる補償になっていないか、今一度見直してみてはいかがでしょうか?

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