岡本英夫のFPウオッチャーだより 第20回 FP養成講座の変遷~ ② 【2023年11月】

マイアドバイザー® 顧問 岡本英夫 (オカモト ヒデオ)さん による月1回の連載コラムです。
ファイナンシャル・アドバイザー(近代セールス社;2022年春号以降休刊)の初代編集長として、同誌でも寄稿されていたエッセイの続編的な意味合いのあるコラムとなります。

今回は第20回目です。

岡本英夫プロフィール

日本FP協会初期のFP養成研修とAFP、CFP®制度の確立

1990(平成2)年、日本FP協会は米国のIBCFP(CFP資格認定国際委員会=CFPボード)からわが国におけるCFP®の教育並びに資格認定と商標使用の権利を取得する契約交渉を開始することで基本合意を得た。
この年、日本FP協会の会員数は月間100名ペースで増え、10月には2,000人を超えた。理由は認定教育機関数が増えたことによる。

当時の日本FP協会はFP養成を協会認定の研修を行うに十分な体制と能力を持つ外部機関に委託していたが、これが4社から8社に増加した。
ダイヤモンド社、ダイヤモンド・ファイナンシャル・プランナーズ、MMI、FPステーション、東京ファイナンシャル・プランナーズ、エスエーサービス、エムアイティ(名古屋)、MEC(福岡)の8社である。

しかしながら、金融機関向けのFP養成を行う金財FPセンターや近代セールス社が集合研修や通信教育で多数の受講生を対象とするのに対し、一部のFP先駆者(井畑敏氏、天野隆氏、山田淳一郎氏等)を講師に持つとはいえ、8社で月間100名ペースというのは効率的とは言えなかった。
それでも会員数は確実に増加していた。

1992(平成4)年、日本FP協会と米国IBCFPは、CFP®資格制度導入に関する業務提携契約に調印した。
同年秋、日本FP協会はCFP®資格制度導入に伴い、それまでのFP資格(=会員)をAFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格に移行し、CFP®をその上位資格と位置付けた。

一方、バブル崩壊に伴い、金融機関を対象とする金財FPセンター、近代セールス社のFP研修は当初の勢いを失っていた。

そこに1993年5月30日・6月6日の2日間にわたり、東京と大阪でのわが国初のCFP®資格審査試験が実施された。
全国のAFP862人が申込み、807人が受験、241人が合格した。これにより日本FP協会の活動は活発化する。

日本FP協会の認定教育機関の増加と試験制度の確立

日本FP協会の認定教育機関は、AFP、CFP®資格制度の確立により増加の一途をたどることになる。
AFP資格を取得するためには、認定教育機関が実施するAFP認定研修(合計68単位以上)を修了し、AFP資格審査試験に合格しなければならなくなったことで、予備校や専門学校、研修会社等が新規事業として次々に参入してきたのである。

68単位(=時間)の研修は、1日7時間のカリキュラムで10日間を要する。
通信教育テキストも同等の内容を要求される。
これに提案書の作成・提出も必要になるから、その指導・採点者も必要になる。
講師陣にはFP資格が要求される。

教室を持ち、テキストや問題集作成のノウハウを持つ予備校、専門学校が参入するには有利だった。

現在のAFP資格認定試験は統一試験として全国各地で行われているが、1999年までは認定教育機関が設定した会場で実施し、試験問題は日本FP協会から試験日に届く仕組みだった。
開封して試験を実施し、試験終了後は解答用紙と試験問題をまとめて日本FP協会に返送していた。

教育も試験も認定教育機関に依存していたのである。

近代セールス社が日本FP協会の認定教育機関となったのは1998年だが、この試験対応には苦労した。
試験会場は金融機関の研修施設等を利用したものの、会場ごとに複数の社員で対応せねばならず、某生命保険会社のAFP試験時には営業部員のほとんどを全国各地に派遣した。
この時だけでAFP取得者は1,000名を超えた。

同じく98年には経済法令研究会、BSIエディケーション(銀行研修社)、ビジネス教育出版社、日本マンパワーも日本FP協会の認定教育機関となり、その後、金融財政事情研究会も加わった。

こうしたこともあって、金融機関のFP養成も日本FP協会のAFP、CFP®路線に移行していった。

認定教育機関は、当初4社からはじまったが、2000年には50社を超えている。
これに認定研修を実施する法人賛助会員が加わると100社にもなった。

現在の認定教育機関数は42社(FPジャーナル2023年11月号)に減少しているが、大学などでのAFP、FP技能士養成コースもあり、数的には落ち着いているといえる。

FP技能士(ファイナンシャル・プランニング技能検定)の導入

2001(平成13)年7月、日本FP協会はNPO法人として認証された。
この年の5月には資格認定会員数が10万人を超え、CFP®認定者も5000人を超えている。

そして、2002年4月、国家資格としてのFP技能士制度が導入され、日本FP協会および金融財政事情研究会が指定試験機関となった。

資格認定試験に合格すると、ファイナンシャル・プランニング技能士の称号が付与されるが、与えられる称号は1級技能士、2級技能士、3級技能士の3段階に分かれる。

日本FP協会では、FP技能士2級試験をAFP資格認定試験と位置づけ、合格者でAFP認定研修修了者を資格認定会員として登録されることでAFP認定者として認定する。

CFP®資格審査試験は従来どおり実施し、CFP®資格審査試験の6科目に合格し、日本FP協会に登録されることでCFP®認定者として認定する。
CFP®認定者については、1級FP技能検定の学科試験が免除されることとなった。

AFP、CFP®の既存取得者には特例講習が実施され、現在の制度となった。
約20年前の出来事である。

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