横井規子 の『金融教育』現場リポート  第4回<小学生のお小遣い>親の意識が変わった2つの理由

4回目のテーマ <小学生のお小遣い>親の意識が変わった2つの理由

『親子のためのお金教育の専門家』、元銀行員・ファイナンシャルプランナーの横井規子です。

「このままじゃ、将来、お金で失敗しちゃう!」

我が子のお金のしつけをやり直した経験から、金融教育が重要と実感。それをきっかけに親や子のためのお金の授業をスタートし、これまで300校、17,000人が受講しています。

学校授業での経験や金融教育について、1年間お伝えしていきます。

横井規子プロフィール

 

 

小学校PTA 、教育委員会などからお声がけいただき、小学生のお小遣いについて話をする機会を、年に10数回いただいています。

15年以上携わって感じていることは、話を聞きに来る方の意識が変化していること。どのように変わってきているのかをお伝えします。

「そろそろお小遣いを」から、「今すぐお小遣いを渡さなくては!」へ

PTA講演会などに参加された方に、アンケートの回答をお願いしています。活動を始めた頃は、「なぜ、お小遣いの話を聞きに来たのか」という問いに、「そろそろ、お小遣いを渡す年齢だと思って」という回答を多くいただきました。高学年のお母さんの参加が多かったものです。

ところが、平成26年頃から変わっていきました。

「しっかりとお金との付き合い方を教えたい」

「お金の大切さを教えたい」

「お金には限りがあることをわかってもらいたい」

このような声が多くあがってくるようになったのです。

理由は大きく分けて2つあります。一つが子どものゲーム課金トラブルです。無料のオンラインゲームで課金をし、有料アイテムを購入するお子さんが出てくるようになりました。親の知らぬ間に課金を繰り返したことをきっかけに、お金の大切さを教えたいと考える親が参加するようになったのです。

ゲーム課金トラブル3723件!その中身とは

独立行政法人国民生活センターによると、子どもがスマートフォンやタブレット、家庭用ゲーム機を使ってオンラインゲームをし、保護者の許可なく課金をしてしまったというトラブルが急増しています。

2021年8月に公表された記事※によると、2020年度の相談件数は3723件。うち、小学生の相談が半数を占めています。

 

 

 

※独立行政法人国民生活センター2021年8月12日公表
「スマホを渡しただけなのに・・・」「家庭用ゲーム機でいつの間に・・・」子どものオンラインゲームゲーム課金のトラブルを防ぐには?

 

相談の一例をご紹介します。(国民生活センターの相談事例)

・小学生の子どもが、父親のアカウントを使って家庭用ゲーム機で遊び、アカウントに登録されていたクレジットカードを利用して課金していた

・一度だけ課金するためにスマホにクレジットカードを登録したところ、小学生の子どもが30万円以上も課金してしまった。年齢確認画面で「20歳以上」を選択していたようだ

・小学生の子どもがオンラインゲームで150万円以上も課金していたが、決済完了メールが子どもに削除されていたため気がつかなかった

 

私も、直接お母様達から話を聞くことがありますが、国民生活センターの事例と似ています。

・親がクレジットカード番号を入力して一度課金を許したが、子どもが番号を覚えていて勝手に課金していた

・クレジットカードをわかりやすいところに保管していたので勝手に使われ、給料1か月分の支払い請求がきた

クレジットカードを使われても、明細が届くのは1~2か月後。その間、何度もゲームの課金をし続けて支払額が大きく膨らんでいったケースもありました。

ゲーム課金トラブルを防ぐには

クレジットカードでの課金は、際限なく使われてしまう危険性があります。もしも課金をさせる場合は、iTunesカードやGoogle Playギフトカードなど、プリペイドカードでチャージをさせて使わせるのが望ましいでしょう。

クレジットカードの仕組みを知らずに使っている子もいるため、お子さんには、借金をして課金をしていることを教えておくこと。小学校高学年なら話せば理解できると思います。低学年など、まだ仕組みを理解できないようなら、クレジットカードの管理を徹底すること。みつからない場所に保管するなどしておきましょう。

キャッシュレス時代でも、まずは現金で練習を

キャッシュレス時代の到来も、親が子どもにお金のしつけをしようとするきっかけの一つとなっています。

電子マネーや、スマホの二次元コード決済、デビットカードなど、キャッシュレス決済は便利なものであると、私も日頃より感じています。スマホ決済する人も、私の周囲に随分と増えてきました。親がこれらの扱いに慣れてくると、子どもにもスマホを持たせ、送金機能を使ってお小遣いを渡すようになっていくかもしれません。

 

このような時代の変化もあり、ここ最近は、子どもにしっかりとお金との付き合い方を教えておきたいと考える親が増えてきたように感じます。

キャッシュレス決済での買い物は、大人でもつい、使い過ぎてしまうことがあるように、扱いが難しいものです。単に数字の移動であり、現金のようにお金を手に持った時の重みがわからず、お金を支払ったというのが目で見てわかりにくいので、なくなるという感覚がつかみにくいからです。

そういったことから、子どもにお小遣い制を始める際は、まずは現金を渡して練習させ、ある程度の力がついてきてからキャッシュレスに移行してみると良いでしょう。

 

お小遣いで育つ、金銭管理力

ゲーム課金トラブルを未然に防ぐにも、上手にキャッシュレス時代を生きていくためにも、「お金は無限ではないこと」を理解させておきたいものです。そのためには、お金がすぐに手に入る環境を与えないことが大切です。

決まった日に、決まった金額を渡す、『定額制のお小遣い』でお金の使い方を練習させると、やりくりや計画性が身に付くのではないでしょうか。お金をすぐに使ってなくなっても、簡単に追加のお小遣いを与えないのがポイントです。お金が簡単に手に入らないのなら、我慢しなければならないこと、考えて使うこと、お金の大切さを理解できるようになるでしょう。

おこづかいで金銭管理力を育てることができるのです。

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