生活音【2010年 第 4 回】

【 2010年 第 4 回 】生活音 マンションの暮らしを快適に

福本 喜保(フクモト ヨシヤス

生活音には

人の話し声、子供の遊びの音、足音、扉の開閉、家具の使用に伴う音、ラジオ・ステレオ・ピアノ等の音、洗濯機・掃除機の音、冷暖房・空調機器の音など、さまざまなものがあります。

マンション生活音の性質

人間は、自分が出す音は気にしないのに、他人が出す音に対しては、非常に神経質になることがあります。お互いに少し気を付ければ解決できることでも、音を出している側は苦情を言われると個人生活に干渉されたと憤慨し、また苦情を申し入れる側は、相手方の無神経をなじって対応策を講じない相手を責めるというように感情的にこじれた問題になりがちです。

同じ音でも、全く顔を合せていない人の出す音は「うるさい」と感じ、普段から付き合っている人の出す音は「うるささ」の程度が低くなる傾向にあります。気にだしたらなんでも騒音です。日頃のコミュニケーションを良くしておけば相手への思いやりやりも出てきますし、ちょっとした気遣いで相手の出す音も気にならないものです。上下左右の居住者はお互いに自分達の生活パターンの状況を理解し合えるより良い関係をつくることが大事であります。

生活騒音対策

○苦情は早めに、直接相手にさりげなく理解を求め、また、苦情を言われたら謙虚に聞くことです。

○管理組合の規約や使用細則等に制定する。
・楽器等の室内での練習等は早朝・深夜においては、近隣の迷惑を考えてこれを禁止する。
・近隣の迷惑となる言動を行い、騒音等を発することを禁止する。
・組合員等は専有部分に於いてテレビ・ラジオ・カラオケ・各種楽器等の音量に留意し、音量は他に迷惑とならないようにしなければならない。

○掲示、広報を十分活用しマナーを徹底する。
・早朝や深夜にピアノを弾いたり、ステレオ・テレビ等の音を必要以上に大きくしたり、ドアをバタンと閉めたりすることは近隣の迷惑となります。
・ピアノ・ステレオ・その他の楽器等の使用は、時間と防音を考えます。
・コンクリートは、音に対して敏感です。ある程度のことはやむをえないが、一人ひとりが注意していれば防止することはできます。特に夜間のテレビ・ラジオ・楽器等の音量には十分気を付ける。

○管理組合の総会・役員会等で居住者の意見を十分踏まえたルールを設定する。
・楽器の演奏など、大きな音が発生する恐れがある行為は、午前10時~午後8時頃までに制限する。
・ピアノやステレオ等設置する場所が固定されるものについては、その設置場所を制限する。
・楽器の演奏、テレビのボリューム、音楽鑑賞などの音量を制限する。
・楽器演奏中は、窓やドアを閉める、厚手のカーテンを引くなどの制限を設ける。

生活上の受忍限度

我慢するにも限度があります。この限度を受忍限度と言います。隣人に音を低くしてもらうか、時間を制限してもらうか等について話し合い、それでも我慢の限度の受忍限度を超えた時、はじめて損害賠償の請求、騒音の差止請求、防音装置の設置を請求することができます。

(判例)人が社会生活を営む上で、それが日常生活上必然的に発生する音であれ、時期的場所的に発する特殊な音であれ、近隣から何らかの騒音を受けることは避け難いのであるから、その影響を受ける人によって不快な騒音が発生したからといって、直ちに不法行為に該当し、損害賠償責任を生じさせることはできず、当該騒音が客観的にみて社会生活を営むうえで受忍すべき限度を超えない場合は違法性を欠き、受忍限度を超えると認められる場合にはじめて違法性を帯び、不法行為になるものと解するべきであり、受忍すべき限度を超えているか否かは、その騒音の性質・程度・発生の時間帯、それによって害される利益の性質と内容、その騒音の継続状況、その間にとられた被害防止に関する措置の有無、及び内容、その騒音の発生者と被害者の関係等、諸事情を考慮し、それらを総合的に勘案して決することが相当である。

以上のことから、騒音は客観的に見て、社会生活を営む上で受忍すべき限度かどうかが一つの判断の目安となります。

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