【金銭教育その17】若者の消費者トラブル④~民法の成年年齢が引き下げられる?~【2009年 第 11 回】

【 2009年 第 11 回 】金銭教育その17若者の消費者トラブル④~民法の成年年齢が引き下げられる?~ こどもとお金

高原 育代(タカハラ ヤスヨ)プロフィール

自分にとっては不要な物でも、他の人に使ってもらうことができるネットオークション。とても便利なツールとして利用者数が増加している分、トラブルも増えているようです。

大人どうしの取引でも、さまざまなトラブルが起こっている訳ですから、そこに子どもが参加するということになると、さらにいろんな問題が絡んでくることは想像に難くないでしょう。

未成年のネットオークション

オークションの主催者側は、参加者の年齢等に対してどのような規制をしているのでしょうか。

たとえば、ヤフーオークションのガイドラインを見てみると「18歳以上」となっています。

ということは、法律上は未成年者である18歳・19歳でもオークションに参加することは可能だということになります。

実際、取引成立後に、「未成年者の子どもが勝手に契約したので取り消したい…」と申し出てトラブルになるケースなどもあるようです。

ただし、「未成年者取消し」には以前ご紹介したように、未成年者の方が、自分が成人であると信じさせた場合や、親の同意をもらっているなどのウソをついた場合などの「詐術」を用いた場合には取り消すことはできません。

また、未成年者でも結婚している場合や、親からもらう“こづかい”の範囲内と認められる金額などであれば取消しはできないといった一定の例外も定められています。

民法の成年年齢18歳引き下げ

このように、未成年者の契約でも問題となりがちな18歳・19歳。
実は、この18歳・19歳が未成年ではなくなるかもしれないという、「民法の成年年齢18歳引き下げ」問題をご存じでしょうか。

議論の始まりは、日本国憲法の改正手続きに関する法律として2007年5月に成立した「国民投票法」です。
「国民投票法」って何だろう? 政府広報オンライン

この法律は2010年5月から施行されることになっており、国民投票ができる年齢を18歳と定めています。ただし、国では、その施行までに、年齢満18歳以上満20歳未満の者が国政選挙に参加できるよう、公職選挙法の選挙権年齢や民法の成年年齢を検討し、必要な法制上の措置をとることとしているのです。

つまり、国民投票ができる年齢を18歳とするので、他の国政選挙の投票ができる年齢も18歳に、そして民法の成年年齢も18歳にすべきではないかということへの検討がなされてきました。その結果、今年の7月29日に、政府の法制審議会は「18歳に引き下げるのが適当」という最終報告をまとめました。

成年年齢引き下げによる消費者トラブル増加の不安

成年年齢を18歳に引き下げることによるメリットが多数ある一方で、このコラムの8月分でも取り上げたように、現在は、20歳で急増している若者の消費者トラブルが、18歳や19歳で急増する心配が起こるかもしれないといったような不安要素もあります。
そういった問題への配慮などを含めて、法改正の時期についてはまだ明確にはなっていませんが、実際に18歳に引き下げられるとなると、各方面にさまざまな影響が出ることは確かだといえるでしょう。

今後ますます、学校や家庭での消費者教育の充実・浸透をはかっていくことが求められるでしょう。

法律上の成年年齢の議論の行方を見守っていく必要はありますが、子どもを持つ親としては、「何歳から“大人”か」という年齢の問題ではなく、年齢に応じた意思決定や判断能力を育てていかなくてはならないと痛感するとともに、私自身、そのむずかしさを感じています。

次回は、この項の締めくくりとして、最近の消費者政策と新しい動きなどをご紹介したいと思います。

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