準備は万全?~災害に備える~【2009年 第 8 回】

【 2009年 第 8 回】準備は万全?~災害に備える~ エコライフ

 江口 久美子(エグチ クミコ)

今から16年前の1993年8月6日、私の住む鹿児島市では死者行方不明者49名、浸水約12,000戸にもなった「8・6水害」と呼ばれる大水害がありました。

 


その年から鹿児島を離れていた私は実際にはその大水害を体験していませんが、腰の高さくらいまで水につかりながら自宅に帰る人や、自宅にたどりつけずに病院やビルの中で夜を明かしたりした人も多かったと話を聞きます。土砂崩れで自宅が全壊して大学を休学した友人もいたほどひどいものでした。

16年前のこの時は「100年に一度の豪雨」と言われていたのですが、100年に一度どころか最近では福岡や山口の大水害、群馬の竜巻など大きな災害が続いていて、いつどこでまた起きてもおかしくない状況になってきています。

ふだん、会社などでは火事や地震にそなえて避難訓練を行ったり、ヘルメットなどを常備しているところも多いと思いますが、自宅での「備え」はいかがですか?
事前に準備できることを挙げてみたいと思います。

 

 

 

●事前に準備できる災害対策

1. 住まいの安全対策

・ 家具やテレビなどが転倒しないように固定をする。
・ 高いところには物を置かない。
・ 自治体が発行している「ハザードマップ(=自然災害による被害を予測してその被害範囲を地図化したもの)」を確認しておく。
・ マンションに住んでいる場合は、管理会社や管理組合によって災害への対策が異なるので内容を確認しておく(非常用の食料や水などを備蓄している場合もあり)。

2. 耐震診断をする(自治体によっては耐震診断費用の助成制度もあり)

・ 自分で耐震診断をしてみる。(財)日本建築防災協会ホームページ上で調べられる。
・ 自治体に耐震診断を依頼する。耐震診断費用に助成金が出る自治体も多い。
・ 民間の業者に依頼して耐震診断を行う。

3. 災害用伝言ダイヤル(NTT)や携帯の災害用伝言板の利用方法の確認

<NTT災害用伝言ダイヤル「171」>
「忘れて171(いない)」と覚えましょう。171ダイヤル後はガイダンスに添って操作する。

<携帯の災害用伝言板サービス>
大規模災害(震度6弱以上の地震など)が発生した際に、携帯のインターネットを利用して自分の安否情報を登録したり、家族や友人の安否情報を確認することができる。

4. 非常用の持ち出し品の準備

水や食料、お金や身分証明書、ラジオ、衣類、近郊の地図、ローソク、マッチ、電池など最低限の生活をするために必要なものがいろいろありますが、最近は防災グッズとしてセットで販売されているものもあるので、このセットに足りないものを追加していくと便利でしょう。

5. 損害保険(地震保険、自動車保険)の加入・見直し

<地震保険>
・ 火災保険とセットで契約が必要(単独では加入不可)。
・ 地震保険の保険金額は火災保険の30~50%の範囲内。
・ 保険金額は、建物:5,000万円 家財:1,000万円が上限。

例を挙げてみると・・・。
地震によって火災が発生して家が焼けてしまった場合は、火災保険だけでは保険金は支払われません。火災保険とあわせて地震保険への加入が必要です。
地震や津波によって家が流された場合も地震保険に加入していないと保険金は支払われません。

<自動車保険>
台風、高潮、洪水などによる損害は車両保険に入っていないと保険金が支払われません。

6. 財産や生活関連の資産をリスト化しておく

預貯金や株、保険、不動産などの財産をリスト化しておくと、自分に万が一のことがあった際に役立つでしょう。また、家財や車、電化製品、骨董品、貴金属などの生活関連の資産もリスト化しておくと、被害を受けたときの保険金請求時に役立ちます。

非常用の持ち出し品など物資的なものを準備することによって、何か起きたときの「心の準備」も同時にできるのではないかと思います。
「準備バッチリ!」という方もいざというときに役立つように、たまには食料品の賞味期限や消費期限を確認してみましょう。
また、保険の見直しや持ち出し品の見直しも定期的に行うとよいでしょう。

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