名古屋圏はなぜ持ち家率第1位なの?【2005年 第2回】

【 2005年 第2回 】  名古屋圏はなぜ持ち家率第1位なの? ~老後

大沼 恵美子(オオヌマ エミコ)⇒プロフィール

 

 

 

2005年の地価

2005年9月20日に国土交通省が発表した基準地価(2005年7月1日時点)をみると、地価の下落幅が縮小し、東京や大阪、名古屋など大都市圏では逆に上昇した地点が増加しています。
住宅地は、東京圏が0.5%上昇し、大阪圏は3.7%、名古屋圏では2.5%下落しました。しかし昨年に比べると下落幅は大きく縮小しています。

名古屋圏を詳しくみると、名古屋市では東部の千種区などで地価は下落どころか上昇に転じており、全体では0.2%の下落、愛知県の豊田市や刈谷市など西三河地域では下落幅が0.7%縮小しています。(以上日本経済新聞9月21日付より抜粋)。

「都道府県別持家比率、家賃(1998年)」(資料:総務省「住宅統計調査」)によると、大都市の持ち家比率は、東京41.5%、神奈川53.9%、大阪49.6%、愛知57.9%、福岡53.9%で、愛知県が一番高いのです。

また、1住宅あたりの延べ面積も91.03㎡と2位の福岡83.77㎡を大きく引き離しており、豊かな大都市のイメージを実証しています。

住宅価格の地域差

実際に購入された住宅価格の地域差を見てみましょう。

平成15年度「建売住宅とマンションの購入価格」(住宅金融公庫調べ)によると、建売住宅は首都圏3978.8万円、近畿圏3458.9万円、東海圏3423.7万円で、マンションは首都圏3529.5万円、近畿圏3022.6万円、東海圏2931.0万円。
東海圏は首都圏より550~600万円も住宅資金が少なくていいのです。

マンション価格と年収との関係がそれを裏付けています。「中高層住宅の価格とサラリーマン世帯の年収との乖離」(都市開発協会)では、2002年のマンション価格の年収倍率(サラリーマン世帯)は、東京圏では5.22倍、大阪圏は4.18倍、名古屋圏は3.43倍です。

愛知県の製造業の常用労働者は全国第3位の現金給与を得、しかも支出は実に質素です(次回コラム「愛知県人は高所得・食道楽!?」をご参照ください)。
日本経済が復活の兆しを見せている中、名古屋圏が大都市圏の中で「広い持ち家率」第一位の座を不動のものに!そんな気配が漂ってきました。

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