国民投票法改正から見えてきたライフプランの変化 【aunoeコラム転載 2014年 6月掲載】

本コラムは、2012年3月~2015年3月に「au one マネー」にて掲載された マイアドバイザー®連載コラムのバックナンバーになります。

今回のコラムの執筆者:西谷 由美子

マイアドバイザー®/優益FPオフィス を通じて対応された業務の権利は、退会時に放棄されているため、マイアドバイザー®(運営者:株式会社優益FPオフィス)に帰属しています。

<憲法の記述に対するモヤモヤ>

先日AKB48の握手会で、メンバーがファンに切りつけられるという痛ましい事件が起こりました。被害者の方の心の傷、早く癒えますように。で、その事でネットを見ていたら、AKB → AKB総選挙 → 衆議院総選挙 と芋づる式にたどり着いてしまいました。

「衆議院議員の総選挙」。はい、昔学校で半分眠りながら、授業で憲法の説明聞いていた事を思い出しました。そこで皆様はモヤモヤした気分になったことはありませんか?

憲法第7条に書かれている天皇の国事行為の一つに「国会議員の総選挙の施行の公示」があります。国の正式な行事として、国会議員の選挙の際には天皇陛下が選挙を行うと発表なさるのですよね。でも、国会議員には衆議院議員と参議院議員の二種類があり、衆議院では総選挙、参議院では通常選挙という名称を使用しています。

さて、総選挙と通常選挙の違いは、というと参議院議員の場合総定数242名で任期6年なのですが、3年ごとの改選で半数ずつ議員を選ぶ、という形になっています。衆議院の場合は任期満了又は解散により一度に全議員を選ぶ事になります。つまり参議院の議員を一斉に選ぶ=総選挙は現在の制度上行われないのですよね。

<もし間違いで訂正が必要なら>

前回コラムで、衆議院は総選挙、参議院は通常選挙となっており、参議院は議員を一斉に選ぶ総選挙は現在の制度上行われていないことを触れました。
とはいえ参議院、衆議院とも施行の公示は行われています。あれっ、些細なことではありますが、辻褄が合わないと思いませんか。なんかおかしいよね~、と思ってても先生は明確な説明をしてくれた記憶はありません(質問する私も随分重箱の隅ほじくるやっかいな性格ですけど)。

実はこのもやもやを晴らしてくれる機会がありました。「間違いだらけの憲法改正論議」(イーストプレス 著者 倉山満)という著作の中で、憲政史研究家である著者がはっきりと「誤植」と指摘されているのです。胸のつかえが消えた瞬間でした。

わざとなのか、うっかりなのか、理由と推測される部分に同意できない方がいらっしゃるかもしれませんが、とにかく現実に即していませんよね。出版物だって重要な場合は訂正が挟み込まれていますし、増刷されるときに訂正される事もあります。憲法であっても正確な表記に訂正する、という事は必要なのではないでしょうか?個人の著述の場合間違ってて放ったらかし、であれば恥ずかしい事ですし、何より法律の場合、2004年に年金改革関連法で条文にミスが発覚した厚生労働省では幹部の訓告処分、大臣給与の自主返納などという事もあったんです。

しかし、憲法改正の場合は一般の法律と違って両院共に2/3以上の賛成が必要、という高いハードルがあります。更に信じがたい事に、憲法改正については憲法条文上の規定はありましたが、それを実施する法律は2007年まで存在しなかったんです。

<18歳から投票可能に?>

憲法改正の国民投票について定めた法律は現在改正作業中、もし法改正が成った場合、4年後から18歳以上の国民の投票が可能となりそうです。従来の選挙は20歳から。これは憲法第15条で「成年者の普通選挙」が保障されており、民法で20歳からが成年と規定されているためです。

憲法という国の根幹にかかわる事に対する意思表明の機会は20歳からが良いのか、18歳からが良いのか。色々な意見がありますが、できるだけ多くの国民に関わって欲しい、諸外国での選挙権は18歳からが多数、等の理由を元に、どうやら18歳からに変更されそうです。

という事で民法の改正で18歳からオトナ、ということになったらどんな影響があるでしょうか?まず、同じ法律の規定ですので、必ず起こると予想される事に「未成年者の法律行為は法定代理人の同意が必要」に関する事があります。一例として高額なローンを組んで買い物をするような場合、親が取り消すことができる年齢が下がります。大学生が執拗な勧誘で、必要と思えない語学の教材やら投資ソフト等を買わされるみたいな。大学や専門学校の掲示板に注意喚起の張り紙がしてあるのを見た記憶があります。

 <オトナとおカネの切っても切れない関係>

ヘンなお買い物といえば先日芸能人の脱法ドラック事件などもあり、高価な物、慎重な判断が必要な物には十分な注意が必要。やはり成人として扱われる事には責任が伴うというしごく当たり前の結論になります。あら、「若いうちからの金銭教育の必要性」がAKBから憲法を経て浮かび上がって来てしまいました。

上記以外に18歳から成人として扱うと法律上の齟齬が生じる事例をいくつかまとめてみました。

(新聞報道より筆者まとめ)

結婚、競馬の他には競艇、オートレース等ギャンブルに関わる物に年齢制限が設けられています。大人になる、とは経済・社会に影響を与え、ひいてはそれが自分にも影響を与える重い行為を行えるようになる訳です。私は20歳が18歳になっても、日本の若い人たちを信頼していますが、どうぞ、それが実証される社会でありますように。

あ、それから、日本で最初となる憲法改正の国民投票、初物好きの私としては、もし誤植であれば訂正の是非を問う投票ってやつを第一号として経験してみたいです!

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