マイアドバイザー® 顧問 岡本英夫 (オカモト ヒデオ)さん による月1回の連載コラムです。
ファイナンシャル・アドバイザー(近代セールス社;2022年春号以降休刊)の初代編集長として、同誌でも寄稿されていたエッセイの続編的な意味合いのあるコラムとなります。
岡本 英夫 ⇒ プロフィール
わが国のFPの歴史をたどるとき、井畑敏氏の存在は避けて通れない。井畑氏は立教大学卒業後、米国ハートフォード大学大学院経営学科に留学、帰国後わが国初の独立系FP会社である(株)MMIを1982年に設立、FPの啓蒙活動に尽力されるとともに日本FP協会の設立にも携わられた。現在も現役だが、今回は、MMIで井畑氏のスタッフとして活躍されたFPの草分けともいえる諸氏を紹介してみたい。
中村芳子氏
早稲田大学商学部卒業後、メーカー勤務を経て、1985年に(株)MMIに入社、 ファイナンシャル・プランニング業務全般に携わり、わが国女性FPの第1号ともいえる存在。1991年(有)アルファ アンド アソシエイツを設立して独立。個人顧客向けのFP相談、幅広くマネー記事、単行本の執筆などを行い、現在も活動中である。
女性FP協会(現WAFP関東・他)の設立メンバー(他に小野英子、山元君枝、畠中雅子、木村佳子氏)であり、初代女性FP協会理事長を務められている。筆者とはそのころからのつきあいで、近代セールス社発行・月刊「ファイナンシャル・アドバイザー」誌に長年にわたり連載コラムを執筆してもらった。コラム執筆は中村さんが渡米されるまで続いた。帰国後は、海外生活の経験を生かし、2017年より在日外国人向けのファイナンシャルプランニングサービスも開始されている。
浅田里花氏
兵庫県生まれで同志社大学文学部卒。日興證券に5年間勤務後、1986年(株)MMI入社。1993年からフリーでの活動をスタート。その後は、生活設計塾クルー(※独立系FPによる共同会社。詳細は末尾参照)のメンバーとして活動されており、新聞、雑誌、ネットメディア等への原稿執筆、マネーセミナー講師などでも活躍中である。
初めてお会いしたのは、浅田さんがMMIで井畑敏著『FPビジネスの構想』(1991年、SSコミュニケーションズ)の取材を担当されていたときだった。待ち合わせ場所は虎ノ門の郵政省の地下にある喫茶店だったのを憶えている。月刊「ファイナンシャル・アドバイザー」誌では、連載企画「Q&Aで学ぶ ライフプラン別営業術」を執筆いただき、連載修了後に同名の単行本として発刊したほか、講師としてもいくつかの金融機関にご足労いただいた。
亀井幸一郎氏
中央大学法学部卒業後、山一証券に8年間勤務。1987年(株)MMI入社され、1992年に世界的な金の広報・調査機関ワールド ゴールド カウンシル(WGC/本部ロンドン)に転職。企画調査部長として経済調査、金市場のマーケット分析に従事。2002年マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表取締役。現在は生活設計塾クルーのメンバーとして活動中。
金融市場から商品市場、国際情勢まで幅広くウォッチされており、筆者はクルーセミナ―で亀井さんの理論的で小気味のよい講演を聞くのを楽しみにしていた。日本経済新聞、日経ヴェリタス、テレビ東京などでも活躍されているが、月刊「ファイナンシャル・アドバイザー」の巻頭インタビューに数度登場いただいた。
目黒政明氏
麻布高校から慶応義塾大学法学部卒業後、大和証券を経て1987年(株)MMIに入社。FP部長などとして、個人を対象とした運用アドバイスに携わられた。1992年、MMIライフ&マネープランニングを設立し取締役に就任(2008年より同社代表取締役)。また、2002年には生活設計塾クルーの取締役にも就任し、2010年より同社代表取締役を務める。
大学卒業後、証券会社に勤務された経験からか、資産運用アドバイスを専門とされている。現在は、運用相談、原稿執筆、マネーセミナーの講師などを中心にCFP®をはじめとしたFP資格取得者向けのテキスト執筆や試験対策講座の講師、確定拠出年金の導入時教育・継続教育の講師などを多数手がけている。
『FPジャーナル』の前身である冊子の編集長だったことはあまり知られていないが、当時、目黒さんからの依頼で何度か執筆させていただいた。
野田真氏
早稲田大学政経学部卒業後、出版社((株)きょうせい)勤務、フリー記者等を経て、1987年(株)MMI入社。以来、FPとして活動。2010年9月、10年間所属した生活設計塾クルーを離れ、フリーランスとして活動。個人相談、マスコミ等への寄稿、講演などに従事。編集者出身ということもあり、編集企画、原稿執筆を得意とされ、FPの在り方に一家言持たれている。
生活設計塾クルーでは、当初より代表取締役を務められていた。2代目の代表取締役が目黒政明氏である。退任後、当時東中野にあった近代セールス社をたずねてこられたことがある。その時は「リタイアは早すぎるのではないか」と申し上げたが、生活設計塾クルーが軌道に乗ったことで、潮時と思われたのかもしれない。
浅井秀一氏
早稲田大学在学中の1986年に、相続と法人(同族会社)の清算を体験。独力で申告・清算事務を成し遂げられたことをきっかけに、FPに興味を持ち、1988年に学生では初の日本FP協会の会員となられる。卒業後(株)MMIに入社、MMI埼玉でFP業務に従事。その後、(有)限会社ストックアンドフロー代表取締役として、おもに個人に対するファイナンシャル・プランの作成、雑誌・新聞等への原稿の執筆や、講演会などを携わられた。
筆者の記憶では、現生活設計塾クルーで活躍中の深田晶恵さん、社会保険労務士の望月厚子さんは、浅井氏の事務所に勤務されていたように思う。また、菱田雅生氏も山一證券から浅井さんの事務所を経て独立されている。
深野康彦氏
3年間のクレジット会社勤務を経て1989年に(株)MMIに入社。1996年1月に独立され、現在は(有)ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。最近では、週刊エコノミスト2026年3月24・31日合併号でお名前を拝見した。
「生活設計塾クルー」
生活設計塾クルーは、独立系FPが共同で設立した会社で、これまでに紹介した野田真氏、目黒政明氏、浅田里花さん、亀井幸一郎氏のほか、内藤真弓さん、深田晶恵さん、清水香さんが所属する銀行や証券会社、 保険会社などの金融機関に属さないメンバーで構成されている。この形態はわが国でのFP展開のモデルケースのひとつとも言ってよい。個人的には(株)MMIの系譜にある会社だととらえているが、ご本人たちがどう思っているかは聞いたことがないのでわからない。
詳しくは、生活設計塾クルーのHP(https://www.fp-clue.com)をご覧いただきたいが、浅田里花さん、内藤真弓さん、深田晶恵さんには近代セールス社が実施した米国FPツアーに参加いただいたことがあるし、原稿執筆や金融機関のFP養成講座の講師も務めていただいた。メンバーの専門分野が少しずつ異なることもあって、お互いの相乗効果を発揮している組織形態ともいえる。

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