麦藁帽子は冬に買え【2013年 第2回】

【2013年 第2回  麦藁帽子は冬に買え】投資の格言から学ぶ 株式投資

松山 智彦⇒プロフィール

すでに1ヶ月が経過した2013年。でもまだまだ寒い日々が続きます。今日はそんな冬をテーマにした格言をご案内します。

 

 

 

 

 

 仕入れ→仕込み→仕上げ

お鮨を注文する時、板前さんはシャリを掴み、そこにネタを乗せて握りますよね。カウンターでよく見る光景ですが、これは仕上げをお客様に見せる演出とも言えます。しかし、そのためには、酢飯(シャリ)とネタを作る仕込みを行っています。いい仕込みをするためにはいい材料を仕入れる必要があります。

仕入れ→仕込み→仕上げの一連の流れは何もお鮨だけには限りません。私たちの生活にかかるあらゆる事にもその流れがあります。

もちろん、株式投資の世界でも同様です。

 

 なぜ夏に必要な麦藁帽子を冬に買うのか?

話は変わりまして。

冬に麦藁帽子をかぶる人はあまりいませんよね。だから必要になる夏に買えばいいじゃん。冬に買っても邪魔になるだけだし。冬に夏が恋しいけれど麦藁帽子まで想像はできない。

だから帽子屋さんでは、夏に向けて安いうちに仕入れておいて、夏になったら高値で売るのです。すると儲かる事ができますよね。

株式投資の世界においても同様です。例えばビールメーカーや清涼飲料水のメーカーなどの株価は春先まで上昇し夏に下落する傾向にあります。つまり売上がピークになる夏には売られ、夏に向けて戦略を立てている冬から春に掛けてはその戦略の期待感から株式が買われるからです。

 

つまり、みんながまだ商品に見向きもしていない時に株式を購入し、商品が売れている時には、株式も売るという事です。

 

  銘柄選びのポイント

投資家の全てが、同じ行動をすれば当然儲かりませんが、ここでのミソは夏に売れる麦藁帽子を見つける事です。

実は「夏に売れる麦藁帽子はこれだ!」と思う麦藁帽子は人によって異なり、さらに夏にならないと麦藁帽子の存在に気がつかないなんて投資家は沢山います。

 

では麦藁帽子はどのように見つけるか?

これには情報収集が欠かせません。特に見落としがちな小さな企業ニュースを探していくことが大切です。例えば飲料水メーカーであれば、夏に向けた新製品は何か?とか、クリスマス商戦におけるゲーム機メーカーの戦略はどうなのか?など。

そこに「あの新製品はおいしそうに見える」「誰かが旨そうだと言っていた。」「新製品の販売戦略はこうだ!」などの分析を加えて判断をしていきます。

私の麦藁帽子の探し方は、街角での噂(現在だとSNSや掲示板などの情報)の信憑性で判断しています。

つまり情報収集のいう仕入れを行い、見つけた銘柄を購入(仕込み)して、高くなったところで売却(仕上げ)を行う。お鮨と同じですね。

 

  夏に麦藁帽子を売る決断ができるか?

これは次回にご案内しますが、株式投資で一番難しいのは売る時なんです。夏になった、麦藁帽子がウハウハ売れる!その上昇トレンドに酔ってしまって売り時を逃してしまいます。これでは冬に買った意味がありません。

 

こういう人間の欲深さを排除してくれる手助けとして、逆指値(ぎゃくさしね)注文という方法があります。

指値(さしね)注文とは、100円以下で買う。200円以上で売るという風に、株価の上限、下限を指定する売買の方法です。因みに株価を指定しないものを成行(なりゆき)注文といいます。この場合、株価がおまかせになるので、思わぬ高値で買うような事もあります。

 

では逆指値注文とは何か?それは100円以上になったら買う、200円以下になったら売るという注文です。上昇トレンドの時の買いや下落トレンドの時の売りは決断しにくいものなので、予め逆指値で仕掛けておけば買いそびれ、売りそびれが防ぐ事ができます。

主なインターネット専業証券では逆指値注文ができるようになっているので、活用してみてはいかがでしょうか?

本日のポイント

「指値注文」:値段を決めて出す売買注文。

実際の注文時は「100円で買い」と指示すれば100円以下で買うという意味になります。

「成行注文」:値段を決めないで出す売買注文。

とにかく買いたい、売りたい場合に出します。

「逆指値注文」:指値注文とは逆に「100円の逆指値の買い」とすれば、100円以上になったら買うという注文方法。
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