夏休みで変わる!お金との付き合い方 【2016年 第7回】

【2016年 第7回 夏休みで変わる!お金との付き合い方】がんばる転勤族の妻たちが「お金」をもっと好きになるお話

松原 季恵(マツバラ キエ)

 

8月は夏休みですね。転勤族の妻の皆さんは、日頃は仕事や家事で忙しいなか「お金」のことを考えることが難しいかもしれません。
ついついお金を使いすぎてしまう夏休みですが「お金」との付き合い方を変えるチャンスの時期でもあります。
今回は、夏休みに取り組みたい3つのことをお伝えします。

 

夏休みはまず予算を決める

夏休みには楽しいイベントがありますが「子どもが喜ぶから」「日頃頑張っているから」とついお金を使いすぎてしまうこともあります。
この“つい”を防ぐ方法として、夏休みはまず予算を決めましょう。

予算を決めるには、まず1年間のイベントを確認します。
例えば、1月は帰省、3月は友達の結婚式、4月は入学式で8月は家族旅行など、大きなお金が出ていくだろうイベントを挙げ、それぞれに必要なお金を書いていきます。
そして、年間の予想手取り収入から日常生活で支出する金額を引いたお金、つまり余裕資金のなかでこれらのイベントをやりくりするように予算を立てていきます。

夏休みの予算をこれから立てるという方であれば、今後の年内のイベントと手取り収入・支出から割り出していきましょう。

イベントのなかにも優先順位があります。
例えば、子どもの入学金や夏期講習のお金などは必須のお金になるのではないでしょうか。
その年々で優先順位を考え、優先順位の高いものから予算を入れ低いものは残った予算のなかからやりくりします。

予算が立てられたら、その金額を夏休み直前に引き出すと管理がしやすいです。
現金が目の前にあると使ってしまいそうに思いますが、使える金額が目に見えるというのは却って使いづらくさせる効果があります。

これは食卓と似ていて、食卓に大皿をみんなで囲む形で料理が出てきた場合には、各自が食べた量が分からず食べ過ぎてしまうことがあります。
家計管理でも、銀行にあるお金を必要な時に少しずつ引き出していると使った金額が分からず、つい使いすぎてしまうことがあります。

一方で食卓に一人ずつ一汁三菜が並んでいたら、自分が食べる範囲が一目瞭然で、時には好きなものを大事に残すケースもあります。
お金も同じで、使える額を目の前に置くことで、管理がしやすく、大事に使うようになりやすいです。

 

お金の学習イベントに参加する

夏休みは各地でさまざまなイベントをしていますが「お金」に関するイベントもあり、多くが無料で参加できますので、お金に対する意識を高めるために参加してみるのはいかがでしょう。

 

例えば日本銀行では「日銀夏休み子ども特別見学会2016」を開催しています。
これは本店の見学や体験学習などを親子で楽しく参加できるものです。
また、中学生を対象に金融政策を決定する流れを模擬体験できる企画もあり、親子で経済の動きを学ぶことができる良い機会です。

 

また日本取引所グループでは「シェア先生の親子経済教室」を開催し、私たちの暮らしが経済や株式会社とどう結びついているのか、親子で学ぶことができるようになっています。
子どもにとっては夏休みの自由研究にもなり、大人も夏休みで緩んだ財布にもう一度ひもを締めなおすイベントになりそうです。

 

この他にも、全国の銀行や証券会社など金融機関で夏休みのお金の学習イベントを行っています。
親子体験に限らず学校の先生を対象とするような大人向けのイベントもあり、積極的に参加することで、今後のお金への意識が高まり、付き合い方も変わっていくのではないでしょうか。

 

家族でこれからのことを話す

夏休みは家族がそろいやすい時期です。この機会に家族で今後のことを話してみてはいかがでしょうか。
例えば、住宅の購入や子どもの進路、自分たちの仕事のことや親の介護のことなどです。
これらを話すことで、自然とお金の話も出てきて今後の計画を立てることができます。

 

転勤族のご家庭であれば、自分たちの意思に関係なく転居をする可能性があるので、より今後の計画が立てにくいです。
特にこまめに話す機会を持ち、想定外のことに対処しやすくしましょう。

例えば住宅購入は転勤族家庭において大きなテーマです。
子どもの高校進学を見据えて中学と同時にするのか、高校生まで社宅や賃貸に住み子どもが離れて暮らすようになってから夫婦二人生活に合わせた住まいを買うのかなど、いつ購入するかは特に子どもの進学と深く関係します。
また、購入する場所によって子どもの進学や単身赴任時の夫の帰省、親の介護などにかかってくる費用が大きくことなる場合があります。

いつ、どこに住宅を固定するのか、それとも社宅や賃貸を利用するのか、住宅によって影響する人生のイベントを一つ一つ家族全員で確認しながら決めていくことが大事でしょう。

話し合うなかで分からないことがあれば専門家に尋ねてみるもの良いです。
多くの金融機関は夏休み期間も営業し客数は比較的少ないです。この機会に家族で相談してみましょう。

 

夏休みで変わる、家族のお金

家族がそろいやすく、一緒に過ごす時間が増える夏休みは「お金」について考える良い機会です。
まずは予算を組む練習をしてお金の良い使い方の習慣をつけます。
そして、夏休みのお金のイベントや家族との会話から、家族の意識が高まり問題を共有し、今後のお金との付き合い方が変わるチャンスとなるでしょう。

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