持ち家VS賃貸!選ぶための視点 【2016年 第2回】

【2016年 第2回 持ち家VS賃貸!選ぶための視点】生活に欠かせない持ち物!これからどうなるの?

小松 英二(コマツ エイジ)

私たちはさまざまな“持ち物”に囲まれていますが、最も高額なものは何といっても「家」です。
その住まい方は、これまで「持ち家」中心でしたが、徐々に「賃貸」を検討する人も増えています。
背景には、土地は必ず値上がりするという「土地神話」が崩れ、所有へのこだわりが薄れていることがあります。
大きな選択肢となる持ち家と賃貸!メリットとデメリットを見ていきましょう。

 

 

一生持ち家のメリット&デメリット

まず、持ち家のメリットを見ていきましょう。

(1)何と言っても「自分の家を持った」満足感です。家族や親族もこぞって喜んでくれるでしょう。会社の上司、同僚も祝福してくれるかも知れません。そして、年を取っても確実に住まいが確保できている安心感もあります。

(2)資産価値の上昇期待もあります。他の金融資産と同様に不動産も変動しますので、安く買って、高く売ればキャピタルゲイン(値上がり益)も狙えます。ただ、逆もありますので注意!値下がりしてから売るとキャピタルロス(損失)が生じます。現在は人口減少社会に入り、市街地は成長・拡大路線から、停滞・縮小路線に転じていますので、キャピタルゲイン狙いは慎重さが必要です。

(3)その他、間取り変更や改装など自由にできること、ペットを飼うことや趣味を思いっきり楽しめること、近隣とのお付き合いを大切にできること、などが挙げられます。

デメリットとしては、設備や外装の修繕コストが発生することです。
マンションでは強制的に修繕費の積み立てをしますが、一戸建ての場合も自主的な積み立てをしっかりとしなければなりません。
他にも、災害による倒壊があっても住宅ローンは残ります。
地震保険などは部分的なカバーに止まります。
また、住宅にかかわる省エネ技術などの革新があっても、その恩恵を享受しにくいことなどがあります。

 

一生賃貸のメリット&デメリット

まず、賃貸のメリットを見ていきましょう。

(1)転勤・転職などで住まいを変えたいときに、迷わず実行できることです。職場が変わり片道2時間以上の通勤となる場合、往復の通勤時間はとても体に堪えます。住み替えにより、緩和されると助かるでしょう。

(2)災害にあっても建物の損害は入居者である自分にかかってこないことです。家主さんの責任の範囲となりますので気が楽です。災害だけではなく、周辺環境に不満があれば、引っ越せばいいのです。東京都内も国際都市に変貌する中で、風紀や治安が悪化している場所もありますので、引越しのしやすい賃貸は有利です。

(3)収入・家族構成の変化に応じて、住まいを自由に変えられることです。会社の経営不振で給与が大幅にカットされ、家賃を払い続けることが無理な場合、安い物件に移り住み、新生活をスタートさせることができます。家庭の事情で同居する人が増えて部屋が足りなくなっても、部屋数の多い住まいに引っ越すことができます。

デメリットとしては、払った家賃が財産形成にならないことです。
家賃を払い続けなければなりませんので、計画的な貯蓄が必要となります。
90歳、100歳になっても家賃を払い続けることもあり得ますので、家賃の捻出をしっかり意識しておかなければなりません。

なお、以前は年齢を重ねると賃貸物件が借りにくくなる状況でしたが改善が進んでいます。
2001年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の施行により、高齢者の入居を拒まない体制が整備され、賃貸における年齢制限問題は徐々に解消されています。

 

以上、持ち家と賃貸のメリットとデメリットを見てきましたが、ここで政府の賃貸に対するスタンスを押さえておきましょう。

政府は、高度成長期に「新築建築促進策」一辺倒でやってきましたが、このところ既存住宅のリフォームや「中古住宅市場の整備」に力を入れ始めました。
背景には、国内の総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)の高まりがあり、2013年には過去最高の13.5%となりました。
これは日本の不動産市場が空き家を放置し、中古住宅市場が育っていないからです。
今後、中古住宅の購入・流通促進策が出てくると思われますので、政府などの動きに注目しましょう。

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