レンタルだっていろいろできます、介護保険【2014年 第3回】

2014年 第3回  レンタルだっていろいろできます、介護保険

西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒プロフィール

施設を使ったり、ヘルパーさんに来てもらったり。でもそれだけではありません。必要な用具の購入に補助があったり、レンタルできる物品もいろいろあります。

ある日友人からメールが来ました。「介護用のベッド、いりますか?」

 何の前置きもなく「いりますか?」と言われた時、あなたは何を考えます?

 たまたまその友人のお母様が長期入院されていることを知っていた私は、てっきり「退院して自宅療養に必要なベッドは今まで使っていた普通のもので良いのか、介護用の電動ベッドに替えた方が良いのか、私に相談している」と解釈しちゃいました。

 で、「介護用のベッドはレンタルできるから、介護用のベッドにした方が良いよ。」と返事をしたのですが、話が噛み合いません。

 実は、彼女「ウチにある自前の介護用ベッドが余っているけど、お宅で使うならあげるよ。」と言いたかった訳です。電動のベッドが自前・・・和風の古い家屋で長く過ごしていた私には、介護用の電動ベッド(15年以上前の大きく重たく高価な古い物を想起)を購入する・・・という発想が全くありませんでした。

 最近は普通に使うベッドも電動でリクライニング出来たりしますよね。新聞折り込みの通販にも2万円でおつりが来る若者向けの電動ベッドもよく見かけます。

 では何が違うかというと、介護用は電動が1モーターと2モーターの2種類がありまして、2モーターの場合は背もたれを起こす、床からの高さを調整する、の二種類のモーターが付いています。ベッドに腰を下ろした時に、足が床に着く高さに調整が可能ですので、お年寄りの立ち上がりに優しい作りとなっている訳です。

 他にも両側に手すりの柵を差し込む場所があり、起き上がりや立ち上がりがより安全になるよう配慮されています。近年改良が進んでいますから、より軽く、より使いやすい作りになっている最新のものを必要な期間だけレンタルする、というのが住宅事情を考えてもよろしいのではないか、と。

 ということでレンタルできるものを以下にまとめてみました。金額は平均的な1か月のレンタル費用です。ベッドや車いす以外にも沢山の種類があります。介護の程度が進むにつれ必要になる物、回復が進むと必要なくなる物もありますので、せっかく買い込んだのに使わずに邪魔物扱いよりは状況に応じてレンタルする方が良い物もあるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

平成18年の法改正以降、要支援1、2要介護1、2では原則利用できないものが増えています。需要の多い介護ベッドも原則要介護3から保険適用となりました。但し、介護保険が使えなくても社会福祉協議会、NPOなどで同様の金額でレンタル可能な物もありますので、ご相談されると良いでしょう。

 「あら、ポータブル・トイレがない」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんね。物によってはレンタルに馴染まないとして購入が必要になります。他には入浴補助の椅子や簡易浴槽等も購入です。但し、介護保険が適用される用具は自己負担1割でよい事になります。慌てて買い込まずに、相談してみましょうね。

 相談せずに先走って買い込み、全く別の余生を過ごしている福祉用具、我が家の状況は下の写真の通りです。歩行困難になったので、半年も使わなかった立ち上がり用簡易手すり。通販で2個9,800円でしたが、レンタルすると月300円程度でした。何事もじっくり相談することが必要ですね。

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