ホントにベストな生命保険③~今、そこにある家庭のリスク【2009年 第 2 回】

【 2009年 第 2 回】ホントにベストな生命保険③~今、そこにある家庭のリスク トピックス

松山 智彦(マツヤマ トモヒコ) プロフィール

ある保険会社のCMで、「火事で家を失うとショックが大きいので家を買わない」「事故が怖いので車は買わない」「現地でトラブルに巻き込まれるのがいやなので旅行はしない」というのがありました。しかし、生活している限りアクティブに生きれば生きるほど、リスクは伴ってきます。ちなみにこのCMのオチは「じゃあ何を楽しみに生きるの?」。
一番のリスクは人生を楽しめない事かもしれません。

大黒柱のリスク・・・・万一の時、長期療養の時

家庭のリスクでまず思い浮かぶのは、大黒柱に万一のときの遺族の生活費だと思います。
その生活費は、一般的に「現在の年間生活費×70%×末子が22歳になるまでの年数」と「現在の年間生活費×50%×末子が22歳になった年から配偶者の平均余命までの年数」の合計といわれています。

そこから、遺族年金+預貯金などを控除した残りが必要保障額、つまり保険金額になります。

しかし、大黒柱のリスクは万一のときだけではありません。病気、ケガで長期療養して、収入がなくなる事もリスクのひとつです。そのために、サラリーマンの場合、健康保険に疾病手当金から給与の三分の二が1年6ヶ月に渡って支給されます。

また、治療費が高額になった場合には、高額療養費の制度があります。など公的な保険制度が充実しています。ただし、それだけでは充分と言い切れないこともあります。

専業主婦のリスク・・・経済的遺失は馬鹿にならない

専業主婦に万一の場合、家事にかかるコストも馬鹿にすることができません。たとえば、子供の養育に時間をとられ、その分の収入が減ることも考えられます。

もちろん、家事にも時間がかかります。養育、家事をホームヘルパーなどにお願いするとそれなりの費用がかかります(とある団体では一般家事で1時間あたり1,600円)。病気、ケガによる療養の場合も同様です。

この場合、サラリーマンと違って疾病手当金がありませんので、サラリーマン以上の対応が必要になります。

子供だってリスクを抱えている・・・・子供やペットのリスク

子供にあるリスクは、大人と比べて病気やけがが多いことだが、それ以外にも、誘拐、ひきこもり、家庭内暴力、などさまざまなことも考えられます。

さらに他人への危害・・・。野原で野球していてホームランを打ったら隣の家のガラスを割って怒られる。これが昭和の時代だと、住人のげんこつ一発で、済んでいたが、現在はそんなわけにはいきません。割ったガラスを弁償しなければならないこともあります。

ガラスぐらいならば、費用的にも高くはないが(だから昭和の時代はげんこつ一発でことが済んだのかもしれません。当時はお互い様精神が強かったと思います)、いずれにしても、損害賠償をしなければならないこともあります。

災害で財産を失うリスク・・・・火事の時、地震の時

火事に合ったら、住居だけでなく、そこには生活に必要なさまざまなモノ(家財)を失う事になります。災害は火事だけではありません。水害、空き巣、落雷、地震なども考えられます。

またこれらの災害に合うと、当面の生活環境の確保や廃材の処理など、後処理にも費用がかかります。そのために火災保険に加入している方も多いと思います。

但し、地震による災害の場合には、火災保険だけでは補償されず、火災保険に付帯して地震保険の加入が必要になります。

家庭のリスク、大別すると

家庭のリスクには、
1) 大黒柱の死亡による遺族の生活費
2) 大黒柱の病気、ケガによる支出増または収入減
3) 主婦の死亡、病気、ケガによる支出増または収入減
4) 災害などによる、財産の喪失
5) 他人に損害を与えることによる賠償
6) 子供の死亡などによる精神的ショック
7) 病気、ケガ以外の理由による収入減
などが主なものだと思います。

学術的な表現にかえると、直接的財産損害(火事などによる財産の喪失)、間接的財産損害(他人からの侵害による財産被害など)、賠償責任被害(他人の生命、財産などに危害を加えた事による損害賠償など)、人的被害(病気、けがなど)が上げられます。

もちろん、これら以外のリスクも家庭には潜んでいますが、いずれにしても経済的損害が大きく、生きていくうえで大きな障害になることは間違いないでしょう。

パーソナル・リスクマネジメント

家庭のリスクの6番目に「精神的ショック」という言葉を使いました。個人の資産という倍、とかく経済的なものを考え勝ちです。

しかし、それだけでは私たちは生きていけません。文化的な資産、精神的な資産なども重要な資産といえます。もっと具体的には、心身の健康、趣味、知識、人脈、家庭関係、名誉、など、これらが豊かであるかどうかで人生が大きく変わっていきます。

リスクマネジメントの世界では、リスクをいくつかのステップに分けて対策を講じています。

1)リスクの認識・・・どういったリスクが考えられるか?
2)リスクの測定・・・リスクが発生したときの損害額は?
3)リスク処理技術の選択・・・・リスク処理の方法とそのコストを検討、選択する。
4)リスク処理技術の実行
5)リスク処理技術の効果測定

たとえば、家庭に置き換えますと、1)が大黒柱に万一のとき 2)でそれぐらいの収入減になるか 3)ここでは生命保険を選択 4)保険の加入 という形になります。

もうすこしシンプルに考えますと、
1)リスクアセスメント・・・・リスクに備えた対策の準備をさします。
2)ダメージコントロール・・・・最小のコストでリスクを最小限に食い止め、またできるだけすばやく現状復帰できる対応をします。

では、リスクマネジメントにおけるリスク処理技術とはどういったものがあるかを見ていきましょう。


1) リスクコントロール・・・リスクそのものへの対策
(1)回避・・・・夜道を歩かないなどリスクを最初から避ける
(2)損失制御・・・初期消火用の消火器や避難訓練など発生時に被害を極小化する対策を講じる
(3)分離・・・工場を地方にも建てるなど細分化すること
(4)結合・・・携帯電話を複数もつなど数を増やして準備しておくこと
(5)移転・・・配達を配達専門業者に任せるなど他人に処理をお願いすること

2)リスクファイナンシング・・・リスクの経済的な対策
(1)保有・・・預貯金などをすることで、自分で経済的な対策をすること
(2)移転・・・保険に加入するなどで、万一のときの経済的対策を他人に依頼すること

ここではリスクコントロールの損失制御に含まれるかもしれませんが、家庭においては、日ごろから家族や近所付き合いを大切にするなどの他人とのコミュニケーションや人の言葉で発しないメッセージを察知することも、リスク処理技術のひとつとしてあげておきたいと思います。

保険でカバー、その前に・・・

家庭のリスクには、それらをカバーできる保険が用意されています。しかし、その前にすべきことがあります。

万一のときに備えて、保険に加入することも大切ですが、それ以前に健康であることも重要なリスクマネジメントです。「リスク=保険」と考え勝ちですが、まずはそれ以外にできることが大切です。

 

保険はあくまで、事前対策を講じても避けられなかったときのためとものと心がけて下さい。保険料がムダになることは、すなわちリスクが生じなかった証明でもあります。

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