どんな生命保険がいい?【2009年 第 7 回】

【 2009年 第 7 回 】どんな生命保険がいい? 相談コラム

高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール

 

 

 

  • 相談者
    Mさん一家
  • 家族構成
    夫(33)公務員、妻(34)パート、長男(9)、長女(7)
  • 相談内容
    約1年前に生命保険を共済組合のものから大手保険会社のものに替えたのですが、どうも家計を圧迫しているようで、毎月赤字です。
    今はずるずると貯金を取り崩して生活している状態。いったいどんな保険に加入したらいいのか、まったくわからないので具体的にアドバイスしてください。

 

  • 収支表

 

 

 

 

 

 

 

回答
具体的にどんな保険に入ればいいかとのご質問ですが、一概には言えません。それはMさん一家のライフプランにかかわることだからです。

保険の見直しをする際、「どの会社のどの商品がいいのか」という商品探しから始めてはいけません。見直しに着手する前には、まず見直す目的をはっきりさせましょう。既に加入している保険のどういう点が自分の家族と家計に合っていないのかを確認し、改善したい点を明らかにすること。

その上で、欠点を補ってくれる商品をさがすという順番です。この順番をまちがえて、目的や意思をはっきり持たずに、何となく見直しに着手してしまうと、保険会社の都合を優先されてしまうことも起こりうるのです。見直しをする以上、以前加入していた状態よりも満足のできるものになっていなければ意味がありません。

ちょっと厳しいかもしれませんが、そういう意味において、昨年の生命保険の掛け替えは失敗だったようです。加入されたタイプは、1つの保険にいろいろな特約等もセットされたもので、便利な反面、不要な保障までがついていたり、逆に不要な保障が分散されて不足していたりする場合もあるのです。保障の幅が広く金額も多いと安心できそうですが、保険料の支払いに貯蓄を取り崩さなくてはいけない今の状態は本末転倒です。

Mさんやお子様に高額な死亡保障は不要ですし、お子様の医療特約も既に加入しているこども共済と重複しています。不要な特約や重複しているものを外して負担を抑えるか、もしくは掛け捨てでも保障の重点が絞りやすい職場の共済への再加入も含めた見直しを再検討することが必要です。とにかくこのままズルズルと貯蓄を取り崩す形を続けてはいけません。

住宅や車のローンに加えてクレジットも返済中というのも気になります。今あるローンは早く確実に返済し、今後は極力組まないこと。せっかく財形や引落積立をしていても、その一方で借金が増えていては本当に貯蓄ができていることにはなりません。車にかかる維持費も着実に増える一方ですから、車の台数を1台にすることはできないのかなどの検討も必要でしょう。

今後は、必要となる金額が確実に増えていくお子様たちの教育費を着実に準備できる家計に改善しましょう。

このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したモノです。

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