住宅ローン利用者ならではの保険とのつきあいかた【2011年 第4回】

【2011年 第4回】 住宅ローン利用者ならではの保険とのつきあいかた ~住宅ローン~

奥田 智典(オクダ トモノリ) ⇒プロフィール

住宅ローンの返済を少しでもラクにするために、家計の見直し、特に保険の見直しをしましょうというのはよく聞く話。しかし気をつけないと、保険見直しのはずが保険の買い増しになってしまいます。今回は住宅ローン利用者ならではの保険とのつきあいかたをお伝えします。

 

 

まずはこのたびの東北地方太平洋沖地震で被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。
私も自分で出来ることを考え、継続して取り組んでいきたいと思います。

■住宅ローン利用者は保険見直しをやりやすい?

さて、今回は『住宅ローン利用者ならではの保険とのつきあいかた』がテーマ。ここ最近、保険は見直すものという考え方が浸透し、特に住宅を購入するさい保険の見直しを併せて行う方が増えています。一般的に住宅ローンには団体信用生命保険がセットされており、借主に万一のことがあった場合には、その保険金で ローンを完済できるため、余分な保険をカットできるといわれているのです。長期にわたる住宅ローン支払いを考えれば、少しでも出費は減らしたいですもの ね。

しかし、この『保険の見直し』というのがクセモノでして、見直しした結果保障は厚く、より貯まりのよいプランにはなったけど、月々の支払負担は逆に増え…ということも多々見受けられます。一体なぜこのようなことが起きるのでしょう?

■保険の優先度によって、保険見直しの方法は大きく異なる

一般的に保険会社のプランナー経由で保険の見直しをする場合、まず保障を合理的なものとし、かつ資産になる保険にしましょうとアドバイスされます。すなわち、掛捨て型で安い収入保障保険、医療保険と、貯蓄を兼ねた終身保険との組み合わせをお勧めされます。確かに保険だけでみれば合理的な組み合わせですが、 貯蓄と保障をダブルで求めると、どうしても支払い負担が大きくなります。

保険会社の収入源は、契約者が支払う保険料です。結果として保険料が減ってしまっては、保険会社の収入(売上)は増えません。劇的に契約件数が伸びれば話は別ですが、少子高齢化がすすむのに対し、これだけ多くの保険会社が競争する現在では、それはまずムリな話。となれば、世帯あたりの保険料単価を上げるのが最良の策となります。

したがって、保険営業マンの多くは、保険の優先度を家計における最上位とし、それを裏付ける数多くの例や数字の根拠を示します。そして資産になる保険を提案することで、結果として保険料単価を上げていくのです。営業的には、非常に合理的で筋の通った話です。

しかし、住宅ローン利用者からみれば話は別。そもそもは家計の負担を少しでも減らすために始めた保険見直し。それが結果的には保険料が増え、お金の面では負担が大きくなる。それでは保険見直しの目的がすりかわっているとしか言えません。

■住宅ローン利用者ならではの保険とのつきあいかた

住宅ローン利用者にとって、家計で最も優先すべきなのは住宅ローンの返済。30年で貯蓄が出来る保険に入っても、10年後にローンが払えなくなっては意味がありません。

保険見直しのさいは、ぜひ保障と貯蓄は分けて考え、まずは出来るだけ家計の負担を減らすことを考えましょう。私としては、以下の手順で見直しされることをおすすめします。
① 万一のさいに家族に遺すための保険と、自分が長生きするための保険に目的を分ける。
② 家族に遺す保険(遺族保障)は、公的な遺族年金とのバランスも踏まえて考える。ハコ型の定期保険よりは、毎月受取の収入保障タイプがおすすめ。
③ 医療保険、ガン保険はシンプルで長持ち出来るタイプを選ぶ。特にガン保険は診断一時金が手厚いものがおすすめ。ローン返済支援保険なども組み併せ、働けないリスクに優先的に保険を手配する。
④ 上記はいずれも掛捨て型で、保険料を節約しつつ準備する。
⑤ 最後に、住宅ローン支払いとのバランスも踏まえつつ、貯蓄性のあるものを検討。老後よりは学資が優先です。

上記はあくまでこれまで実際に保険見直しを手掛け、多くの方々にフィットした例です。実際には家計の状況やライフプラン、その人の価値観で選び方は変わりますので、気になる人は身近なFPへぜひ相談ください。

住宅ローン利用者は、万一の不安に備えるのも大切ですが、無理のない保険付き合いで、手元のお金を増やすことを心がけましょう。

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