土地探しのポイントを知る【2013年 第5回】

【2013年 第5回  土地探しのポイントを知る】
注文住宅を建てたい人のための、知って得するマメ知識12

奥田 知典(オクダ トモノリ) ⇒ プロフィール

注文住宅を建てる際の、予算の考え方について、住宅専門FPがお伝えします。

土地探しの進め方

 

土地なしの状態から家づくりを進める人にとって、どのタイミングで、どのような予算組みで土地探しをするのかは大切なポイントです。
よく見受けられるのが、土地だけのことを考えて土地探しをしてしまい、その結果予想以上の金額を土地に振り分けてしまい、建物へお金がかけられなくなるというケース。そうなってしまえば自分たちはもちろん、建築会社も限られた予算であれこれ要求を受けなければならず、お互いに辛い思いをすることになります。そうならないためにも、土地探しの進め方について、ポイントを整理しておきましょう。

■土地探しの前に、全体の予算を決める

前回、「ライフプランで本当の予算を知ることが大切」と話をしましたが、土地探しをするにあたってもこのポイントはとても重要です。というのは、土地建物および諸費用を含めた予算総額を決めなければ、土地に振り分けられる予算が決まらないからです。

一般的に土地探しにおいては、お子様の通う学校がどこになるか、すなわち学区が重要視されるケースが多いのですが、当然ながら人気の学区は土地価格も強気な値段になりがちです。

同じく、利便性や道路づき、角地など土地の条件にこだわりすぎると土地の予算がオーバーしがちです。

 

これらの問題が生じた時の落とし所を定めるためには、土地探しの前にまず予算総額を決め、次に自分が建てたい家には幾らぐらいの予算が必要かを見極めることです。そうすると予算総額から建物予算を引いた残りが土地予算となり、その予算を目安に土地探しを進めることができます。

■私たちは、好立地の土地にテントを張って住むのではない…

家づくりにおいて、土地と建物どちらに重点的に予算配分するかは十人十色です。しかし事実として、私たちは敷地のうえにテントを張って住むわけではありません。すなわち、自分たちの理想の家づくりをするために最低限確保しておかねばならない建物予算があります。

 

例えばライフプランから予算総額が3,500万円と判断されるのであれば、まずそのうち建物にかけるお金を優先的に取り置き(例:建坪35坪×坪単価65万円=2,275万円)、その金額を総予算3,500万円から差し引いた1,225万円が土地にかけられる予算となります。

 

土地にこだわるのもいいですが、あまり土地のことばかり考えていると肝心の建物にかけられるお金が目減りしてしまいます。事前に土地建物のバランスや優先順位について決めておくことが肝要です。

 

土地探しにはこのほか、土地の形状やにおい、ごみステーションとの距離、降雨時の水はけのよしあし、朝晩の道路状況など、いくつか見ておきたいポイントがあります。自分たちだけでは不安なときは、土地探しに強い専門家に相談をしてみてください。

■土地を決める前に、建物を配置したラフデッサンを確認する

好みの土地が見つかったとしても、いきなりそれだけで契約を結んではいけません。土地を契約する前には、必ず建物を配置したラフデッサンを確認するようにしましょう。

 

これは実際にあった話ですが、某ハウスメーカーで家づくりをしようと思っていた人が、土地の形状や接道状況を確認したところ、そもそも論でそのハウスメーカーの機材が搬入できないために、急遽建築会社を変更したことがあります。そうなるとお互い不幸ですよね。

 

土地を探すにあたっては、建築をお願いする建築会社、ハウスメーカー等も同時進行で決めておき、好みの土地が見つかったらすぐにそれらの会社へ相談し、ラフデッサンを描いてもらうようにお願いしましょう。なお、必ずしもその時点では建築会社を1社に絞る必要はありません。その土地においてどのような家づくりを提案してくれるのか、それを踏まえて建築会社を絞り込むのも1つの方法です。

好みの土地がみつかったら、直ちに建物完成後のイメージ図をデッサンしてみて、そのうえで当初想定した予算内とのバランスに注意しつつ、問題がなければ土地決済へと歩みをすすめてください。

土地探しにおいても、土地だけを見て判断するのは禁物です。あらかじめ全体の総予算を知り、幾らのお金を土地に使えるのかを見極め、バランスのとれた予算配分を実行していただきたく思います。
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