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 フリーコラム もう一つの日中関係 黒潮枢軸

執筆者:アジアベスト株式会社 大山 宜男 氏 東京エリア登録
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第1回 スワトーの白粥

大山 宜男 氏
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中国広東省の東半分を潮州といいます。潮州の大きな街にスワトー市があります。ご存じの方も多いと思いますが刺繍製品で有名な町です。

商社勤務時代、2002年の思い出ですが取引先の社長が当市の出身ということで、招待されました。駐在していた香港から社長差し回しの車で快適な高速道路の旅です。

社長主催の昼食会、ひとあたり、あっさりとした潮州料理のコースが終わり、チャーハンで終わりと思いきや、その後さらに白粥が出てきました。ここで二つのびっくり発見。まず、米の種類。チャーハンは長粒種インディカ米を使っておりパサパサなのに白粥は短粒種ジャポニカ米で米がドロドロになっていました。

台湾と香港の間のこの潮州で、東洋の知恵を見た思いです。チャーハンは油っぽいから油を吸わない長粒米。粥は煮崩れする短粒米。ちゃんと米の特色を使いわけているのです。

それに引き換え我が日本は恥ずかしい。ひところ米不足の時、タイのインディカ米を入れたのに国民はまずいと文句を言い家畜の餌にしたこともありました。さらに油を吸いやすい短粒種の米でチャーハンを作るから日本の中華料理は油っぽいことこのうえない。モノつくり先進国日本の東洋食文化、恥じ入るばかりでした。

次に、白粥の付け合せは、なんと、海苔の佃煮「磯自慢」と全く同じ海苔の煮物、それに、沢庵の壷付け。日本と同じ白粥の文化だ!広東料理のおいしいオカユを愛される方は多いと思いますが、ここで出てきたのは日本と同じ白粥。

当時香港駐在員として非白粥、ザーサイ、油條(揚パン)になれた自分には白粥・海苔佃煮・沢庵のセットが広東省の地方都市で出てきたことは新鮮な感動でした。そうだ、きっと潮州と台湾と日本は繋がっているのだ、黒潮で!そう確信しました。

しかし、その社長がアレンジしたレストランの個室、トイレが専用でついており、床が傾いているため何度閉めても扉が開き、強烈な悪臭でした。

ご存知の人も多いと思いますが、中華料理と言っても色々あります。メジャーなものは広東料理、上海料理、北京料理、四川料理の4つ。

広東料理はフカヒレ、アワビ、ツバメの巣等、素材に値の張るものも多く、おそらく中華料理の最高峰でしょう。

上海料理は酢豚を筆頭に日本人になじみの深い醤油と油をたっぷり使いフライパンで炒めるものが多いです。

北京料理は北京ダックが有名だが、南の料理とは一線を画し小麦粉を使うものも多い。

四川料理は4大地域のなかでは低所得地域のためか素材の値段が安いものが多いようです。赤唐辛子と山椒を沢山使うので大変HOT。(重慶で聞いた話ですが四川の人の半分近くが痔を患っているとのこと) 私も苦手ですが、殆どの香港人はこの激辛激ピリを大変苦手としており、香港ではあまり四川料理は人気がなく、好んで食しているのは日本人と味音痴の西洋人が多いようです。(西洋人はカレーも好きですね)

 香港で数の多い順にあげれば、広東(潮州)料理>上海料理>日本料理>北京料理OR四川料理でしょう。激辛・激ピリはやはり海の無い大陸奥地、或いは冬に大変寒い地域の食文化であり、香港・華南の人はむしろ日本料理が好きのようです。

これを括るのは高温多湿地域=米と海の幸の美味な華南華東地域と、赤唐辛子・山椒で厳しい気候に立ち向かう四川地域、小麦粉と羊肉の華北・以北地域に分かれます。香港人の舌からすると華東(上海料理)までは許容できても華北(北京料理)や四川(四川料理)は田舎文化か異国文化で、日本料理の方が余程舌にあい身に近しいものなのです。

一か月前、香港へ出張したとき或る列に並んでいたら前の女子学生の携帯電話の着メロが鳴りました。「ポーニョポニョポニョッポニョー」です。やっぱり、益々日本文化化だと思いました。

数えたことはありませんが、香港には至るところに吉野家と回転寿司とラーメン屋があり、何時でもどこでも大繁盛しています。日本のモノというだけで愛されたり、尊敬されたり。

2003年SARSの時、みんな外食をしなくなりました。ひとり、あの高級料理店「なだまん」は大忙しになりました。なぜ?日本料理は清潔だと信じられているからです。このイメージはブランドです。

地場のファーストフードチェーン「大家楽」(英語名 Cafe de Coral)の経営陣とSARSの時話したことがあります。彼らは従業員全員に使い捨ての手袋をはめさせPRしました。これで客が回復してきたといいます。SARS時代から高級広東料理店では菜箸(さいばし)が置かれ、それまで各自の箸で取っていたものが日本のように菜箸でとりわけるようになりました。

香港はいまや清潔オタクです。食文化を共有すること、出来ること、これは相互理解の礎です。

2005年帰国前のころ、地下鉄セントラル駅のBGMはドラエモンのテーマソングが、日本語のままで鳴っていました。当時日本国総領事館によれば「香港文化協会と香港電台がWEBサイトと書面により日本語を学んでいる香港人を対象に行ったアンケート調査では、次のような結果が出ています。

アニメでは「ドラえもん」、ドラマでは「ロングバケーション」、歌では「真夏の果実」、俳優では「木村拓哉」が最も人気があり、好きな日本料理は「刺身」、旅行で最も行きたいところは「北海道」、最初に購入した日本ブランドの家庭電化製品は「炊飯器」。(中略)また、自分に最も影響を与えた日本文化としては、「テレビドラマ・映画」、「日本料理」、「家庭電化製品・日常用品」の順で、日本文化の日常生活への浸透ぶりが伺われます。

それにしても、香港中、至るところに「日本城」(ヤップンシンと発音)という店があり、日本の家庭用品がこれでもかと置いてあります。これらは上等ということでは最早無く、一番日常にある普通に買える品質のよい家庭用品の代名詞で、日本のプロダクトに対するゆるぎない信頼が感じられます。

このコラムでは、最終回に向け香港を利用した中国株や新興国投資に話が発展して行きます。そこへ行く前に私なりの主張をしておきたいと思います。それは、

中国は一つではない

ということです。広東省や福建省(上海と香港の間の沿海部)は以北の地域と山で遮られ陸路より海路の交通の方が便利でした。香港・潮州・台湾・日本と繋がる海の枢軸がある。ここには料理や文化の歴史的であると同時に現代的な繋がりがある、これを私は黒潮枢軸と名付けたいと思います。

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