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執筆者: 恩田FP事務所 恩田 雅之 氏 北海道・東北エリア登録
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第4回 過去を振り返る(金融史とバブル)

恩田 雅之 氏
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 「モルガン家」(ロン・チャーナウ著/日経ビジネス文庫)は、1838年から1989年までの世界の金融界の動きに関して「モルガン家」を中心にして書かれたものです。他の歴史書と違い金融という視点から19世紀半ばから20世紀後半までの約150年間を知ることができます。

 1929年10月24日の「暗黒の木曜日」、10月29日の「悲劇の火曜日」と株価大暴落を経て、大恐慌の混乱を避けるために銀行業務と証券業務の明確に分離するように定めたグラス・スティーガル法(米国の1933年の銀行法)の成立時の金融界の動きも詳しく書かれています。

 グラス・スティーガル法は、近年多様な金融商品やサービスが登場したことにより、金融ビジネスの実情と合わなくなり、銀行と証券業務の兼業、兼職の規定は1999年の金融改革法で改定されました。

 リーマンショックの後、米国の大手投資銀行(証券会社)が無くなり、商業銀行のみになりました。今後、証券取引に規制についての物差しとして改めて「グラス・スティーガル法」に注目したいと思います。
 
 サブプライムローン問題からの金融危機に対して、各国の政府や金融当局がどのような行動をとるのか、想像するためのいろいろなヒントをこの本は与えてくれますし、「100年に一度の危機」という言葉で思考を停止することも防いでくれます。

 次に、「市場対国家」(ダニエル・ヤーギン&ジョゼフ・スタニスロー著/日経ビジネス文庫)は、第二次世界大戦終了の1945年から1995年ぐらいまでの世界経済における、市場の力と国家の力の変遷を振り返り21世紀の経済体制を考察する内容になっています。

 第二次世界大戦終了後、主戦場になったヨーロッパの経済的疲弊がひどく、とても民間の資金では復興が困難である判断され、国家や政府が主導して経済の建て直しを行っていきます。

 そこに登場するのが、混合経済という政府が市場に規制をかけながら経済運営をしていくという経済の仕組みです。その当時のソ連の経済成長や科学技術の進歩が西欧よりも優っていたために市場に経済運営を任せるより、政府が経済運営をするほうが上手くいくという考えのもとに始まりました。

 しかし、1970年以降に国有企業の非効率や不況とインフレが同時に進行するスタグフレーションがひどくなり、英国でサッチャー首相が誕生した1980年代以降、再び経済を市場に任せる方向の動き、市場経済が力を盛り返しました。

 サブプライムローン問題からの金融危機と経済危機により、ヨーロッパを中心に金融取引に関して規制強化の動きが出てきています。
 「100年に一度」と言われる金融危機の後に、どのような経済体制の仕組みができてくるかわかりませんが、「過去の歴史から方向性を見出すことは可能かもしれない!」

 そんな気分にさせてくれる2冊を今回は紹介させていただきました。



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