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コラム

- 「いまシンガポールで起きていること」-シンガポール在住ファイナンシャルプランナーからの報告-

2015年 第1回 シンガポールからの報告「シンガポール成長の軌跡」
永柄 正智  ⇒プロフィール

ここ数年、シンガポールがメディア等で盛んに取り上げられて注目されています。 シンガポールは、いまや個人所得で日本を抜いてアジアでトップとなるなど、この20年ほどの間に急速な経済成長を遂げてきました。なぜ短期間の間にこれほどの成長を成し得たのでしょうか。現地に在住するファイナンシャルプランナーの視点で、その理由といまのシンガポールの姿を報告していきます。

皆様、こんにちは。シンガポール在住のファイナンシャルプランナー 永柄正智です。

みなさんがシンガポールという国を聞いた時、いったい何をイメージするでしょうか。
3つの高層ビルが最上階で繋がり、屋上のプールからは摩天楼の夜景を一望できる高級ホテル「マリナベイ・サンズ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この空に浮かんだ船のような型をしたホテルは、いまや観光都市シンガポールを代表する観光スポットにもなっており、シンガポール経済発展のシンボル的な存在にもなっています。


■ますます注目されるシンガポール
私がシンガポールを初めて訪れたのは20年程前、ヨーロッパ旅行をした際にトランジットのついでに立ち寄った時でした。その時の印象は、「暑くて緑が美しい」という程度のもので、それ以外に強い印象はあまりありませんでした。しかし、数年前に2度目に訪れた際には、以前とは比較にならないほどに発展したシンガポールの姿に驚いたことを覚えています。

ここ数年、特に日本でも東南アジアが注目されるようになりました。日中間の摩擦によってチャイナリスクが意識されるようになってからは、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟各国が市場としても、投資先としても一層注目を集めるようなったのです。このような状況の中で、地理的にも経済的にもASEANの中心に位置するシンガポールへの注目度はますます高くなってきています。

■シンガポールの成長の軌跡を数字で見てみましょう
それでは具体的にシンガポールはどれぐらいの成長を遂げてきたのでしょうか。過去20年間の成長を日本と比較して見てみることにしましょう。

まず、名目GDP(国内総生産)ですが、日本が微増であるのに対してシンガポールは約4倍に拡大しています。次に消費者物価指数ですが、日本が微減であるのに対してシンガポールは約41%の上昇、人口にいたっては、日本が微増であるのに対してシンガポールは約58%も増加をしています。




さらに日本との違いが最も顕著なのが、一人あたりの名目GDPの伸びです。
下のグラフを見ていただくと、シンガポールの一人あたりの名目GDPがここ10年間で急激に増加しており、日本を追い抜いていることがわかります。その結果、一人あたりの国民総所得(GNI)は、日本が46,140ドル(約550万円)であるのに対して、シンガポールは54,040ドル(約650万円)となっており、アジアでトップとなっています。



■ますます注目されるシンガポール
シンガポールがこれだけの短期間で驚くほどの急成長ができた理由はいったいどこにあるのでしょうか。何かしらの理由があるはずです。

私が考えるひとつの要因は英語が公用語として使われていることです。シンガポールの公用語は、英語・マレー語・マンダリン(標準中国語)・タミル語ですが、シンガポールでは、同じ民族の間ではその民族の言語を話し、他の民族間でコミュニケーションをとる時には英語を使用します。ほとんどの人が英語と母国語の2か国語を上手に使い分けることができるのです。いまやグローバル経済の中では、英語でのコミュニケーション能力は必須なものとなっていますが、シンガポールでは建国以来の政策的な英語教育によって、国全体で英語が通じる環境が整えられました。つまり、投資や雇用、外国人労働者の受け入れを行うための素地が整っていることが大きな成長の要因になっているのです。

シンガポールで生活をしていると、様々な国籍や人種、文化や宗教などを持った人たちが、お互いを認め合うことでここでの暮らしを楽しんでいると感じます。シンガポールの人口は、現在約547万人ですが、その約3分の1が外国人で占められています。この多様性を受け入れる環境も、海外からの成長を取り込むひとつの要因になっているのではないでしょうか。

次回からは、シンガポールの教育や文化、生活、制度などについて、現地に住んでいるからこそ得られる情報をもとに皆様にお伝えしていきたいと思います。

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