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 家計コラム 遺書を書く

執筆者: 行政書士 福島くみこ事務所 福島 久美子 氏 南関東エリア登録
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第3回 もっとも安全・確実な遺言とは 

福島 久美子 氏
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ある老人が亡くなりました。二朗さん(仮名)、78歳男性。妻は既に他界しており、遺されたのは同居していた長男と、お嫁にいった長女の2人です。

■ 自筆の遺言書が見つかった、しかし・・
葬儀の終わった夜、兄妹は仏壇の奥から二朗さんの遺言書を見つけました。
封筒の表には間違いなく二朗さんの手による「遺言書」の文字。早速開封しようとすると、居合わせた伯父さんが「確か、遺言書は勝手に開けてはいけないものだと聞いたよ。」と教えてくれました。

長男がインターネットで色々調べてみると、家庭裁判所に行って検認というものを受けなければならないらしい・・しかも勝手に開けると5万円以下の過料(ペナルティ)というものがかかることがわかりました。

決まりならばと、それに従うことにしました。ところがこの手続は思った以上に大変で、裁判所から通知された期日に長男は会社を休み、嫁いだ長女も遠方からわざわざ出向いて手続をしました。

無事に遺言書が開封され、中を見てみると、自宅は同居していた長男に、畑は長女に相続させ、銀行預金は2人で均等に分けるようにと書いてありました。自宅と畑はほぼ同じ広さです。

自宅はもともと長男が父と同居していたのでこのまま引き継ぐことは自然な流れだし、サラリーマンなので畑はいらない。遠方に嫁いだ長女は、畑を売ってお金に換えれば良いと思い、特に問題はないかのように見えました。

ところが後になって、畑がそう簡単には売れないことがわかりました。不動産会社の話では、宅地として売るには許可が要る上、造成や排水工事も必要とのことで、そのためには当然費用と時間がかかります。かといってこのまま持っていても、遠く離れて暮らす妹にとっては管理費や固定資産税がかかるだけ・・。

■ 埋もれていた遺産が見つかった
そうこうしているうちに、長男の妻が、お義父さんは確か株をやっていたはずだと言い出しました。正月に親戚一同が集まる席でいくら儲かったとか損したという話をよくしていたのを思い出したが、株は遺産分割に入っていなかったと。探してみると、株だけでなく投資信託もいくつか買っていたことが明らかになり、金額もそれなりにまとまったものでした。

長男が早速妹に連絡し、新たに見つかった株と投資信託を半分に分けようと提案したところ、畑が売れなければ資産価値が無いも同様なので不公平、株や投資信託は全部自分がもらう権利がある、分割の終わった預金分も含めてもう一度公平に分けるべきだと主張してきました。

■ 争い、始まる
長男は長男で、一旦もらったものを返せといわんばかりに言われ面白くない上、大学受験を控えた息子の学費に頭を痛めていたこともあり、ついカッとなって声を荒げ、子供の頃妹だけがピアノとスキーセットを買ってもらったことまで持ち出す始末です。

妹は妹で、わざわざ裁判所にまで手続に行ったのに、あの遺言は兄さんがお父さんを焚き付けて自分に都合よく書かせたものに違いないと言い譲りません。

■ 手続、進まず
結局、相続手続は進まず、2人きりの兄妹は顔も見たくない口も聞きたくない間柄となり、正月の親戚一同の集まりも無くなり、畑は草伸び放題で近隣から苦情が出るわ、長男は当然知らん振りするわで、二朗さんがせっかく思いを込めて書いた遺言は、円満な相続どころか兄妹断絶の火種になってしまったのでした。

さてここで考えてみましょう。二朗さんはどうすればこのような悲劇を招かずに済んだでしょうか。

【対策1】自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言を作っておく
理由:専門家が作成してくれるため、法的不備がなく裁判所の検認も不要。
他人による改ざんや紛失の恐れもなく、トラブルを防げます。

【対策2】遺言を書く前に、財産調査を確実に行う
理由:遺言に書き漏れがあると、あとで見つかった場合に分け方をめぐって争いになる
ことがあります。

【対策3】遺言内容を実行してくれる遺言執行者を指定しておく
理由:対策1とともに、相続人でない第三者(弁護士、行政書士等の専門家が望ましい)
を指定しておくことで、相続人間の争いの緩和が期待できます。

自筆証書遺言も、公正証書遺言もそれぞれの長所短所はあります。自筆ですと費用もかからず簡単ですが、法律で決められた方式を満たしていなければ無効です。より安全・確実を期すなら費用と手間がかかっても公証人に作成してもらう公正証書遺言にしておくことをお勧めします。

相続財産5000万円、相続人2人で半々に分けるとした場合の公正証書作成費用の目安はおよそ6万円(具体的には公証役場でご確認下さい)。その他証人2名を頼む費用等も必要な場合がありますが、円満な相続のための必要コストと考えることができるのではないでしょうか。

いきなり公正証書遺言は少々敷居が高いと感じられたら、まずは自筆証書遺言を書いてみて、折を見て公正証書遺言にするのが良いでしょう。

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