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 家計コラム 後悔しない住宅ローンの選び方と付き合い方

執筆者: 福田 英二 氏 北陸甲信越エリア登録
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第8回 後悔しない住宅ローンの選び方G―信用補完率上昇が意味すること
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福田 英二 氏
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フラット35の貸出が順調に伸びている。9月の適用金利が最低水準を更新した。関係者の関心を引いている。デフレ下で住宅購入に消極的だった人の中には、“この時期を逃しては”と食指を動かした人は少なからずいるだろう。なんと借入当初10年間1%前後の資金が使え、その後も1%台、最後に上がったとしても2%ちょっとの金利水準である(下図)。



次表は、機構MBSの裏付けとなる信託債権額(当初融資額)と信用補完率(*)を追ったものだ。
フラット35は、貸出が伸び悩んだ時期に着々と制度改正と言う融資条件の弾力化が進んだ。2009年6月(第26回債)以降には@融資率上限9割→10割A借換融資の対象化B諸費用の拡大Cフラット35Sの20年引下げタイプの実施が組み込まれた。2010年2月以降(第34回債)ではフラット35Sの引き下げ幅0.3%→1.0%と拡大措置が緊急経済対策の一環として2010年12月30日までの時限として組み込まれた。こうした諸対策の積み重ねが功を奏した訳だ。

次表では35回債以降の融資額が伸びていることが明瞭である。低金利効果狙いの中古物件(申込みから実行まで短期間で取引が可能)購入者が駆け込み的に動いたものと推測できる(この点は統計を交えて「10年引き下げ効果などでフラット35の利用が急増」(http://www.fstyle-karuizawa.com/hloan/jl3/335)で触れている)。
       


一方では、信用補完率が近時急上昇している。第27回債までは一桁台。その後僅か一年強の間に9.7%(2009年8月発行)→22.1%(2010年9月発行)と2.28倍の急上昇振りである(端的には裏付け債権が将来悪化すると見込む度合いが高くなっているのだ)。
融資率が8割→9割→10割と緩め、間口も対象費用の拡大と緩めてきたのだから、債券投資家がリスクをより見込むのは当然なことである。

下図は、平均借入率(ピンク色)と平均返済負担率(青色)である。平均借入率は、融資率100%に上限アップした26回債以降上昇したが34回債発行時の90.62%をピークに、以後は87~88%前後で推移、無理な借入依存の兆候らしきものは窺われない(金利低下も一役買っているのか)。平均返済負担率も融資額が伸びた最近でも23%台に収まっている。35回債までの24%台よりむしろ落ち着いた借入れぶりと見れる。この限りでは信用補完率の急上昇の背景は、明瞭に読み取れない。
        


下図は、返済負担率30%超と融資率95%超の債権群団を各回毎の債権残高に占める割合を見たものである(住宅金融支援機構2010年9月1日現在公表ベース)。これによると融資率95%超のような不健全な借り入れを行っている割合が最近では過半を占めている。このような状況から将来を“不安視”したくなる気持はこれまた自然と言えよう。

間違ったことをしている訳ではない。フラット35の借入条件がそれを許しているだけだ。確かにそう言えることではある。しかし、そうした条件を使うか使わないかは、借り手の意思である。借り手が“やっていける”と言っているのに、FPや住宅ローンアドバイザーなど借り手の相談に預かる部外者がそれを遮ってまで“言えるか”。との声も出そうだ。
      


返済負担比率30%超や融資率95%超だけが信用補完率上昇の要因とは思わない。本稿で統計面の用意までには至らなかったが、機構MBS発行から相当の時間が経過し、フラット35の債務者は様々な経済金融環境の変化に晒されてきたし、自らも変化を招いてきたことが少なからず予想できる。借入当初の見込みが外れ、予期せぬ事象(延滞の発生→延滞の深化→事故化)がそれなりに発生してきているのではないかと読んでいる。信用補完率上昇の要因としては、これが大きいのかもしれない。未だ水面下に潜んでいる(潜ませている)。そう思って見ている。今後大きなテーマになるであろうことは十分に予想できる。かつての住宅金融公庫で経験した学習効果が十分に活かされているとは言い難い、私はそう思って見ている。

“こんな筈ではなかった”。事故に遭遇した債務者の殆どが吐く言葉である。FP等のアドバイザーが関わった債務者が早々に事故に遭遇した時、それは債務者の問題で片付けるのではなく、アドバイスに至らないところはなかったのかの視点を持って見る目がFP等アドバイスを送るものには特に必要なこと。とこのような時だからこそ強く思っている。心してアドバイスしている。

(*)信用補完率:担保保全措置の度合いを見る指標で超過担保率とほぼ同義語。
機構MBSではAAAの格付けキープ狙いからその水準達成を意識しており、債券の中身(融資の実質)が悪化してくるとデフォルト発生、予想損失率が高くなり信用補完率も当然高くなる。




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