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執筆者: 有田 宏 氏 北海道・東北エリア登録
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第6回 原油先物ETFの活用法

有田 宏 氏
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本年(2009年)7月から大阪証券取引所は先物取引を対象にしたETFを上場可能とするとのこと。原油先物を対象としたETFの上場が予定されています。

 原油先物の主要な指標はWTI(West Texas Intermediate)です。上のグラフは中東産原油の主要な指標であるドバイ原油の現物価格のグラフ。 

ドバイ原油に関しては昨年(2008年)7月には1バレル140ドルまで高騰。当時はいずれは200ドルの声も聞かれていましたが、7月に急落。同年12月には30ドル台までに。2009年3月ごろからゆっくりと値を戻し5月には60ドル台。

 サウジアラビアのアブドラ国王によれば「75ドル程度が適正価格」(2009年6月4日:日本経済新聞)
 1年前の原油価格高騰により、コストの価格転嫁が難しい運送業者や漁業者の方の悲鳴。まだ記憶に鮮明に残っていると思います。
 しかし原油先物ETFを活用すれば、原油価格の高騰も怖くない。

原油価格が高騰したとする
1)燃料価格上昇によりコストが増大→価格に転嫁できなければ営業利益は減少
2)現有先物ETFに運用益が発生

原油価格が下落したとする
1)コスト減少→価格に転嫁しなくてすむのなら営業利益は増加
2)原油先物ETFによる運用損

コスト上昇を製品価格への転嫁が難しい業種であれば、原油価格の変動による損益と原油先物ETFの損益は相殺しあい、どちらにしても安定した最終利益を確保することができます。

 “先物取引”というと危険性の高い取引とも感じられますが、先物取引の本来の目的は上記のように将来の危険を回避するためのもの、いわば“保険”のようなものです。

しかし、よく効く薬ほど副作用は大きいもの。次の注意点を確認して利用することが必要です。

(1)先物取引による損失の回避は、原油価格が上昇している場合にのみ可能。価格が高値で安定している場合には対応できません。常日頃のコスト削減の努力は必要です。

(2)原油価格に変化がなくとも、国内的要因で石油関連製品が上昇した場合には対応できません。

(3)コストを販売価格にどの程度転嫁できるか?その度合いは経済構造の変化に伴い変わりうる。原油価格上昇のリスクにどの程度のヘッジ(保険)をかけるのか?経済動向の情報収集は必要です。

(4)原油価格上昇による減益を全額カバーするまでの必要はありません。原油価各に関わらず事業が安定的に継続できれば良い。

(5)個人の場合は自己責任で済みますが、企業経営者の場合、値上がり益目的の投機的取引に陥って、社員を路頭に迷わすことはぜひとも慎むべきです。

(6)企業の場合、年度決算で原油先物の損益を実現させ、営業損益の変動と相殺させる事により、課税所得も安定化できます。ただし、原油価格の変動からガソリンなどの関連製品の変動まで3ヶ月程度のタイムラグが生じます。原油価格が大きく変動したのが決算直前の場合、石油関連製品の実際の変動は翌年度になります。この場合は営業利益の損益は単年度では相殺できません。

(7)税務処理、会計方針は税理士等と事前の打ち合わせが必要です。さらに株主等の出資者への詳しい説明も忘れないようにしてください。

 原油先物取引は上場予定のETFの他に、投資信託も販売されています。“ETFや投資信託を通じて原油先物取引の買いが増えれば原油価格の上昇につながるのではないか?”との懸念も有り得ます。

 しかし、原価価格の下落で収入の減る産油国や石油関連産業が先物の売りに回り、下落リスクをヘッジするようになれば、“売り”と“買い”でバランスがとれるでしょう。
 そして“売り”と“買い”の量が増加すれば市場の厚みが増します。投機資金の急激な流出入の影響も薄まり、昨年のような異常な乱高下も抑えられるのではないでしょうか。

(6月9日現在の情報を元に執筆しています。)





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