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地域コラム 北海道・東北
執筆者:
大山FP事務所 大山 潤 氏
大山 潤 氏の『地域コラム』一覧
第6回
ベトナム発アジア通貨危機の恐れ
大山 潤 氏
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6/6日付のロイターの記事によれば、ベトナムの通貨ドンは5日のハノイの自由市場で1ドル18,500ドンをつけ、過去最安値を更新しました。オフショア先物市場では12月物NDFが23,500/24,500ドンに下落し、マーケット参加者は今後1年間のうちにドンが32.2%下落するとみているようです。
輸入超過により増加する経常赤字と減少する外貨準備高、さらに25%を超える急激なインフレが、ベトナム経済を襲っています。5月17日にはベトナム中央銀行が6〜12カ月物預金金利の上限12%を撤廃しています。仮に10%以上の金利が付く定期預金に預けても、物価上昇率がそれを上回っており、預けたお金の実質価値はさらに10%近いスピードで失われていくという悲しい状況です。
一方で、こうした数字を受けて中央銀行により設定された6日付の公式レートは、過去半年で最も低いとはいえ、年初来下落率にしてわずか0.06%に留まる1ドル16,124ドンでした。ちなみに現在ドンは変動相場制ではなく、1日許容変動幅は、公式レートの上下1%に限定されています。
こうした悪化する経済の実態と、評価の高すぎる(高く誘導され続けた)通貨ドンとのギャプは、1997年のアジア通貨危機の状況に酷似しており、次のアジア金融危機を引き起こすほど危険なレベルにある(モルガンスタンレーのレポート)と5/28付ブルームバーグが報じました。
1997年のタイの通貨バーツ暴落を発端としたアジア通貨危機は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、韓国、台湾、そして日本といったアジア地域に留まらず、その後ブラジル危機、ロシア危機、あるいは有名な米国のヘッジファンドLTCMの破綻を誘発しています。
10年前のこうした金融危機を経験し、日本をはじめとしたアジア地域間では通貨危機に対する協力体制が整備され、各国の外貨準備高も増加しており、当時と比較すると通貨危機に対する耐性は増していると考えられます。
しかしながらほぼドルに固定された為替政策を採用し、かつ貿易収支赤字に苦慮している国々では、実態経済と通貨価値にギャップが生じやすく、1997年のタイバーツと同様にファンドの売り攻勢のターゲットとなる可能性は高そうです。もちろん急速な経済成長の実現と引き換えに、こうしたリスクを承知で各国自らが選択した政策ではあるのでしょうが。
さて今回のベトナムの状況が実際に通貨危機にまで発展するのかどうかについては、現在のところアナリストによって賛否あるようですが、今後ベトナムをはじめとする成長著しい新興国、あるいは高金利の通貨にこれから投資される際には、ぜひこうした高成長の裏側にあるリスク、そして高金利である理由に対して疑問を抱いてみてください。
そうした負の情報も租借した上で、なおかつこれは投資のチャンスだととらえることができる方、そのアイディアを実際に行動に移すことができる方であれば、単なる運用での成功にとどまらず、より大きなリターンを得られる可能性が高まると思います。
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