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地域コラム 北海道・東北
執筆者:
大山FP事務所 大山 潤 氏
大山 潤 氏の『地域コラム』一覧
第5回
物価急騰の主犯はインデックスファンドなのか
大山 潤 氏
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コモディティ(金やオイル、食品などの商品)市場への投資は、投資信託、ETFあるいはETNといった形で、次々と新しい商品が開発・提供されることで、一昔前と比べて投資家にとって随分身近な対象になりつつあります。すでにそうした金融商品を通じて商品市場に投資されている方、これから投資してみようとお考えの方も多いのではないでしょうか。
またそうした投資目的は、一般的にいわれる所では、
・ 長期分散投資において、アセットアロケーションの一部にコモディティ(金、オイル、食料品のような商品)を含むと、将来の資産価格の変動(ボラティリティ)を抑えられる
・ 今後発展途上国の急成長にともない上昇する物価に備える(ヘッジする)、あるいはその運用益を狙うことができる
といったものが多いのではと予想します。
ところで最近の物価の高騰に関して、Barron誌である特集組まれました。そこには、これまでの弱い米ドルとエマージングマーケットの発展が、商品市場を押し上げているという説に対して、斬新な主張が掲載されました。
「特に中国は、その旺盛な食欲で、コーン、小麦、銅、オイル、など米国内の物価をここ12ヶ月で50%程度押し上げた。」としながらも、「商品市場急騰の主役は、その中国ではなく小口投資家を含む投機家、それも投資信託とETFといったインデックスファンドから流入する資金である」というものです。
もちろんこれまでも商品市場の価格動向には、需給関係以上に投機目的の資金が関与しているのではないか、ということは知られていました。しかし価格高騰の主役がインデックスファンドからの資金かもしれないという情報には正直驚いています。
小口投資家、長期分散投資、インデックス運用、投資目的、アセットアロケーションへの組み入れ割合、どこをとっても世界のコモディティマーケット全体にあたえる影響は微々たるもので、良くも悪くも「Naïve(単純、無邪気)」といった言葉がしっくりくるような資金の性格だと感じていたからです。
ところがそうしたインデックスファンドからの(投機的な)資金流入が、商品市場全体のブルポジション(将来の商品価格の上昇を予想している市場参加者)の40%を、伝統的な商品市場にいたっては60%を占めており、コモディティマーケット急騰を演出しているとのことです。
いくつか要因はあるようですがもっとも大きな原因として、コモディティ市場の市場規模があげられます。
「商品市場は投機的なドルの超過量を吸収するにはあまりにも小さいため、CFTC(米商品先物取引委員会)は、投機家に取引を認める代わりに取引量の規制をかけています。しかしインデックスファンドにはこの規制が免除されている。」ということのようです。
さらに悪いことにインデックス運用を行う投資家の多くが、バイ・アンド・ホールドの戦略をとります。この点については、投資対象としての株式と商品の性格は全く異なっているということを理解しておく必要がありそうです。
インデックスファンドからの資金が、本当にどれ程商品市場の急騰を招いたのかについては、明らかではありませんが、それでも投資家一人一人の資金が、金融商品への投資を通して、回り回って私たちの購入する商品の価格の高騰を招き、はたまた途上国での貧困層の飢餓を招く要因の一部を構成しているのは間違いありません。
物価上昇に眉をひそめる自分と、物価上昇に対して投資という行動をとる自分は、常に合わせ鏡の表と裏で、ちょっと滑稽な関係に思えます。
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