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2012年 第11回 非正規雇用
岡本 典子 

2008年9月のリーマンショック、製造業の世界で派遣労働者が3年間の契約期間終了を迎えた2009年、「派遣切り」が急増しました。その後も世界経済の減速に伴い、日本のみならず世界各国で雇用情勢は厳しい状況が続いています。

非正規雇用の問題点


非正規雇用とは正社員以外の雇用で、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員、嘱託などの雇用形態があります。

以前は結婚により仕事を辞め、子育てが一段落した頃仕事を再開する女性のパート、学生時代のアルバイト、一部の専門職が非正規雇用の大半でしたが、現在は様相が異なってきています。

 

「就活」という言葉が定着したように、自分を一番高く売り込める新卒採用でも就職すること自体が難しく、卒業しても正規雇用に就けず非正規雇用で働かざるを得ない人が増大しています。就職を希望する大学新卒者の約4割が非正規雇用というのが実情です。

 

10月1日から日雇い派遣を原則禁止する『改正労働者派遣法』が施行され、最低賃金が全国的に引き上げられました。また、派遣会社はマージン率などの情報公開を義務づけられたことから、自分の実入りがいい派遣会社を選ぶことができるようになったなど労働環境の改善が謳われています。しかし、日雇いでもいいからすぐに働きたいという切実な人々も多く、そのような人々を労働市場から締め出すことがないようにと願います。

 

非正規雇用で働く人は、≪正社員≫と比較したとき、

1.低所得(時給が低い、退職金がない、ボーナスがない)

2.雇用が不安定(有期期限である)

3.キャリア形成面で不利(教育を受ける機会に恵まれない、単純作業労働が主な業務でスキルアップできない、昇進困難)

4.社会保険料は本人負担となるケースが多々ある点が挙げられ、一度非正規社員になると正社員への道はますます狭き門となり、格差が拡大していきます。給与は上がらず経済的自立ができない、いつ切られるかわからず不安、将来に夢が持てない、仕事へのモチベーションが上がらない、結婚し家庭を持つことが経済的に厳しいなど、新たな社会問題になっています。

 

 

非正規雇用者率の推移

 

総務省統計局による「労働力調査」男女年齢別非正規雇用者比率の推移を見ていきます。

 

非正規雇用者比率の推移(男女年齢別)

 

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3250.htmlより出典


非正規労働者の割合が各年齢、男女とも上昇しています。男性平均(折れ線グラフの黒線)では、1997年に10%を超え、2011年には20.1%に。女性平均では、2003年以降、50%を越えています。
特に、男女とも15~24歳の若者の非正規比率が急激に高まっており、いわゆるフリーターの増加を表しています。

 

2009年は冒頭の陳述通り、リーマンショックによる景気減速で「派遣切り」など非正規労働者を減らした影響で、男女ともに合計の非正規比率が低下しています。特に男性はこの20年間ではじめて1%ポイントに近い落ち込みで、経済情勢の悪化が直ちに非正規雇用者を直撃した深刻な時機だったことを物語っています。


一方、逆に2011年には非正規比率が男20.1%、女54.6%と男女とも過去最高を更新しました。特に15~24歳男の非正規比率の上昇が際立っています。これは、大卒の就職内定率が低下し、正社員としての就職を諦め非正規雇用者として就職した人の増加が背景にあります。つまり、詳細を見れば、非正規比率の低下も上昇も景気のよい話ではないことがわかります。


65歳以上の高齢者、特に男性の非正規比率は高くなっていますが、これは定年後嘱託や顧問として継続雇用される割合が高くなっているためです。


女性は15~24歳の若年層ではアルバイトなどが多いのですが、25~34歳になると正社員の比率が高くなり、非正規率は下がります。しかし、35~49歳にはまた非正規雇用比率が高まっています。これは結婚、出産で退職した女性が再度就業する場合には不安定な雇用とならざるを得ない状況を示しています。 

 


東京都の就労支援

 

就労支援は日本各地で行われていますが、東京都は日本一就業者が多いこともあり、すばらしい就労支援センターがありますので、2箇所ご紹介します。

 


「東京しごとセンター」

飯田橋近くにある東京都しごとセンターは多彩なカリキュラムをそろえた近代的な一大就労支援センターです。

 

若年者から高年齢者まですべての年齢層の求職者を対象に、一人ひとりの適性や状況を踏まえたきめ細かな就業相談(キャリアカウンセリング)から、就職活動や就職後に役立つ知識・スキルを習得するための各種セミナーや能力開発、求人情報の提供・職業紹介まで、就職に関する一貫したサービスを当該施設内で提供(ワンストップサービス)し、仕事を探す人の雇用・就業をサポートしています。

 

東京しごとセンター

http://www.tokyoshigoto.jp/

 

 

女性就業支援センター(旧:女性と仕事の未来館)

 

JR田町駅近くにある、こちらも立派な建物で、とてもゆったりしているのが印象的です。

 

ここでは、女性の就業を促進し、働く女性が就業意欲を失うことなく能力を伸張、発揮できる環境を整備し、就業に関わる相談ニーズに対応するなど、働く女性の就業を支援してくれる強い味方です。

具体的には女性就業支援専門員などによるセミナーや研修会、女性労働に関する教材の展示、女性労働に関する図書資料閲覧、行政資料の収集・レファレンス、全国女性関連施設とのネットワーク強化などの事業が展開されています。

 

余談ですが、ここの2階にあるレストラン『お米café Makiba Style』はボリュームのあるランチが戴けるカジュアルなお店(食堂)です。『お米café』というだけあり、お米にこだわっていて玄米に替えられます。野菜もたっぷり、デザートも3種類がセットされていて、おなか一杯になります。そのためか、女性就業支援センター内とはいえ男性客も多く、ランチどきはワイワイと賑わっています。昼からビールOKです。

 

女性就業支援センター

http://www.joseishugyo.go.jp/

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