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2012年 第9回 高齢化社会を見据えて
浅川 陽子 

日本は世界的に見て、長寿の国といわれてきました。特に、女性の平均寿命は、2010年まで、26年連続で世界一を維持してきましたが、2011年のデータでは、少し変化が見られました。

厚生労働省の発表では、2011年の女性の平均寿命は85.90歳、男性の平均寿命は79.44歳で、前年に比べると、女性で0.40歳、男性で0.11歳、縮んだことになります。この結果、女性の平均寿命は、世界で香港に次ぐ2位、男性は前年の4位から8位に下がりました。日本の平均寿命が縮んだ要因としては、昨年の東日本大震災で1万5,000人超の方が亡くなったことが挙げられています。

 

<「平均寿命」より「健康寿命」>

ところで、最近は、「健康寿命」という言葉がよく使われるようになってきました。この「健康寿命」は、もともと、WHO(世界保健機関)が2000年に公表したもので、定義は「日常的に介護を必要としないで自立した生活が送れる生存期間」のことです。2004年のWHO保健レポートでは、日本の健康寿命は男性で72.3歳、女性で77.7歳、全体では75.0歳で世界一位とされています。

 

この健康寿命については、今年、初めて日本の厚生労働省が2010年の統計値を公表しました。男性の健康寿命は70.42歳、女性は73.62歳、と、WHOの公表値と比較すると、やや乖離していますが、厚生労働省の「健康寿命」の定義がWHOの定義とやや違いがあるためとされています。

 

通常は、「平均寿命」から、「自立して生活のできない期間」を引いて計算をしますが、厚生労働省の調査では、「健康上の問題で日常生活に何か影響を与えているものはありますか」といった質問をもとにしているので、「介護が必要とまではいかないが健康上に問題があると自覚している期間」も引いているため、健康寿命がやや短い結果になったと思われます。

 

平均寿命と健康寿命

 

厚生労働省が、初めて健康寿命を算出したのは、高齢化が進む中で「健康で長生きをすること」を重視し、この「健康寿命」を延ばすことに積極的に取り組むためといわれています。「健康寿命」のベスト5の県は、男性で、愛知、静岡、千葉、茨城、山梨、女性の場合は、静岡、群馬、愛知、沖縄、栃木となっています。関東でみると、東京が男女ともに健康寿命がやや低いのが目立っています。平均寿命が延びても、健康寿命が延びないと、それは介護等が必要な期間が長くなるということですから、これからは、「平均寿命」ではなく、「健康寿命」について、国民全体で関心を高めることが必要になってくるでしょう。

 

<「超高齢化社会」へ>

人口における65歳以上の割合を「高齢化率」といい、20%を超えると「超高齢化社会」といわれていますが、日本の場合、2007年にこの20%を超え、ついに「超高齢化社会」に移行しました。これは、日本が主要先進国の中でも最も早く「超高齢化社会」に達したことになり、2025年ではさらに30%を超えると予想されています。

 

高齢化率と将来予想値

 

<高齢化社会とライフプラン>

高齢化が進むと、それに伴い社会保障給付費の増加が予想されます。平成21年の社会保障給付費は約99兆円、これは国民所得の29.4%にあたるそうです。また、社会保障給付費ののうち、高齢者関係の給付が約68兆円で全体の68.7%を占めており、将来、医療費、介護費等のさらなる増大が懸念されています。政府は「税と社会保障の一体改革」で、社会保障の充実・安定化と財政健全化の達成を目指していますが、医療や介護等、将来的に、国民の自己負担は重くなることは覚悟しておいた方がよいでしょう。

 

WHOで公表された、日本の健康寿命は75歳といわれていますが、この75 歳という年齢は、ひとつの節目の年齢と考えることもできます。後期高齢者医療制度でも75歳が加入年齢とされていたのも偶然ではないかもしれません。75歳までは体力も気力もしっかりしているが75歳以降は体力や判断能力が落ちてくるといったことを前提に、セカンドライフのライフプランをたててみるという考え方があります。

 

例えば、資産運用では、75歳まではある程度リスクを取った運用も可能だが、75歳以降はリスクをとるような運用をせず、それまでに蓄積した資産を取り崩していく期間にするというものです。また、75歳以降、医療や介護等で大きな支出が生じる可能性も高くなってくることもあり、すぐに現金化できる、流動性の高い資産に少しずつ移し替えていくといった工夫も忘れないようにしたいものです。

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