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2012年 第8回 山陰の相続事情
キムラ ミキ 

夏真っ盛りの8月。夏休みを利用して、国内外に旅行にお出かけされるだけでなく、ご実家に帰省される方も少なくないでしょう。

私自身は、両親とともに暮らしております。しかし以前、実家を離れて暮らしていた時に、しばらくぶりに帰省して両親の姿を見たときに、小さくなった背中や頭髪の色などから、ずいぶんと歳をとったように感じたことがありました。

 

その際にふと思ったのは、今後、両親がいなくなった場合に、弟とどのように遺産を分けたら仲違いをしないで済むかなということでした。あくまで、漠然と…。

 

私は現在30代。私の年代で、そのように感じることもあるのですから、もっと年を重ねた方が、帰省などの機会にご両親について考える時、さらに現実的な問題として感じることも少なくないかもしれません。

 

相続税を納める人ってどれくらいいるの?

ただ、相続ということを考える際、「ウチにはたいして資産がないから大丈夫」と考えていらっしゃる方も少なくないでしょう。確かに、相続税の課税対象となるのは、全体の4%ほどですから、相続税を支払わないといけないという点においては、不安要素は少ないかもしれません。

 

ちなみに、都道府県別で相続税の課税対象となる割合(平成22年の死亡者数に対する平成22年中に相続が開始した被相続人数の割合/厚生労働省および広島国税局の平成22年調査より)を見てみますと、鳥取県で約2%強、島根県に至っては約1%強となっており、全体平均よりもさらに、相続税を支払わないといけないという点においては、不安要素は少ないと言えます。

 

どんなものが課税されているの?

課税対象となった方の財産には、どのような財産が多いのかを見てみましょう。先ほどの広島国税局の調べを見てみますと、相続税の課税対象となる財産として、断トツに多いのは「土地」。遺産全体の約4割を占めます。また「土地」に「家屋および構築物」を加えて考えると、遺産全体の5割近くを占めることになります。また、現金として遺されることになる遺産(生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産含む)の割合は遺産全体の約3割強。その他の遺産は、被相続人が自営業を行っていたり、有価証券投資を行っていたり、という場合の財産で、主に占められることになります。ここから推測すると、山陰における主に相続税の課税対象となる財産は、自宅の土地建物と預貯金、生命保険金等という姿が見えてくるように思います。

 

争続は少ない?

ちなみに、司法統計によると、平成22年度の鳥取県における遺産分割調停の件数は、56件、島根県においては51件となっており、平成22年の死亡者数に対するその割合は、1%にも満たないという結果が出ています。

 

こうやって見てみると、やっぱり山陰、相続税がかかる不安も少ないから、遺産も話し合いでいい塩梅に分ければ、揉めることもなさそうだな…って思いますよね。

 

とはいえ、司法統計によると、調停に至ったケース、つまり話し合いで上手く分割の方法を決めることができなかったケースの約7割が、一般的には相続税がかかる心配のない5000万円以下の遺産分割だったという事実もあります。

 

それを考慮した時、のどかな山陰だからといって、ただただ無関心でいても大丈夫かと問われると、「そうではないかもしれませんね」と私はご相談者に答えると思います。

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