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エリア別コラム - 地域:北海道東北

2012年 第8回 国税庁のデータからみた相続の状況と今後について 
恩田 雅之  ⇒プロフィール

平成23年度の税制改正大綱にて相続税・贈与税の改正が検討されましたが、「税と社会保障の一体改革案」に先送りされました。

  検討した事項は、

・相続税の基礎控除の引下げ

・相続税の税率構造の見直しと最高税率の引上げ

・死亡保険金に係る非課税限度の引下げ

・相続時精算課税制度に係る受贈者に孫を追加

・贈与税の税率構造の見直し、最高税率の引上げ

になります。目的は被相続人の比率を上げ相続税の納付額にアップです。

 

被相続人の比率が低い北海道 

 

 国税庁の資料から、その年に亡くなられた方の中で被相続人になった方の比率をみますと、

全国では、4%の前半で推移しています。北海道は1%後半で推移しています。

北海道は、全国に比べて、現在の基礎控除(5,000万円+1,000万円×相続人の数)の範囲内の相続が多いことがわかります。

 

 

流動性資産の相続税に占める割合が高い北海道 

 

  次に、相続財産の内訳を土地、有価証券、現金、その他で分けてみると全国平均と北海道の違いがわかります。

 

 

 全国では、年々減少傾向(平成15年56.2%  平成19年47.8%)ですが、相続財産に占める土地の割合が依然として高いことがわかります。

 また、土地の割合が減少したのとは逆に、有価証券(平成15年9.0% 平成19年15.8%)の比率は増加傾向にあります。

 

 

 北海道の土地の比率(平成15年33.7% 平成19年31.1%)は、全国の比べて低く、年毎の比率の変化は大きくありません。有価証券(平成15年11.3% 平成19年16.9%)については、全国と同じように増加傾向にあります。

 

 北海道の特徴は、現金+有価証券(平成15年38.7% 平成19年45.9%)といった流動性資産の比率が全国(平成15年27.2% 平成19年36.3%)に平均より高いことです。

 

相続税・贈与税の改正が実施された場合の影響 

 

 今回、検討された改正事項の中で、被相続人の比率が増やすものは、

・相続税の基礎控除の引下げ

・死亡保険金に係る非課税限度の引下げ

の2点になります。

 

 北海道の場合は、土地に比べて相続時の評価を下げづらい、現預金や有価証券の比率が高いため、上記の改正が実施されることで、被相続人の比率が全国平均に近づいていくことが考えられます。

 

相続時精算課税制度の注意点 

 

 現在、65歳以上の親から20歳以上の子への贈与の時に相続時精算課税制度と暦年贈与のどちらかを選択することができます。相続時精算課税制度による贈与した場合、贈与金額の累計2,500万円まで贈与税が課税されず、贈与した親が亡くなった時に、贈与した時の価格で相続財産に加算されて、相続税が計算されます。

 

 贈与する財産としては、財産の評価が贈与時より相続時が高くなる財産が適しています。

 逆に、相続時より贈与時の評価が高くなる財産に、この相続時精算課税制度を使うと、相続時の実際の評価よりも高い評価になり、相続税も多く納付することになる可能性があります。

 

 今後の日本は、人口や世帯数が減少していきます、土地や住宅に関しては、贈与時>相続時になることが考えらます。また今後、日本がデフレを脱却してインフレになり、土地や住宅の価格が上昇することも考えらます。どちらにしても、贈与する財産の選択は、慎重に行いましょう。

 

相続で手間が掛かること 

 

 被相続人(亡くなった方)の比率のところでみてきましたが、相続税の基礎控除の範囲内で、相続財産を受取る相続人がほとんどです。私の場合も基礎控除の範囲内での相続でした。

 相続で手間が掛かったことは、金融機関や保険会社などの第3者に対して、相続人が誰で、何人いるのかを、証明することでした。

 

 特に、保険の受取人が変更になった場合、速やかに変更をしておかないと、保険金を受け取るまでにかなり手間のかかる作業が発生します。

 戸籍謄本を複数の役所から取り寄せてようやく、法定相続人である自分を証明することができました。古い戸籍謄本の中には、戸籍の筆頭者の生年月日が江戸時代の戸籍謄本もありました。

 

最後に 

 

 毎年、お盆に親戚一同が集まって先祖の供養ができるように、良好な親戚関係を作ることを心掛けましょう。これが、一番の相続対策になるはずです。

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