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2012年 第5回 「日本の観光事情」
浅川 陽子 

GWも始まり、本格的な行楽シーズンが到来しました。昨年は東日本大震災の影響がかなりありましたが、今年は昨年の反動もあって、観光、行楽に盛り上がりを見せそうです。

 

今年は、祝際日の並びがよいこともあって、9連休という人も少なくないようです。5月6日までの9日間での人出は60万6000人と昨年と比べて、19万人増の予想になっています。また海外旅行も昨年の自粛ムードからの回復が目立つといいます。

 

<東日本大震災、観光への影響>

昨年は、東日本大震災の影響が観光に大きな影響を与えたといわれています。特に、原発事故の影響もあり、外国人観光客数が激減し、2011年中の外国人観光客数は、過去最高の2010年に比べると27.8%減の621万9000人になりました。また、観光庁によれば、昨年の震災後から12月までの国内宿泊客数は、前年比でみると約7%減になったそうです。

 

ただし、被災地は復興関係者の宿泊需要があり、宿泊者数の減少幅はそれほどでもなく、特に、仙台周辺のホテルの予約は、いまだ取りにくいという話もよく聞かれます。ただ、観光客でみればかなりの減少といえるでしょう。

 

さて、私の居住する神奈川県で、最大の観光スポットを有する横浜市がまとめた、2011年に市内を訪れた観光客数は、前年比14%減の3,610万人となり5年ぶりに4,000万人を割ったとのことです。宿泊施設の利用者数は前年比2.3%減の471万人、観光施設などを訪ねた客数は15.5%減の3,183万人となりました。

 

横浜市は「東日本大震災後の観光客数の大幅な減少が響いた」とコメントしていますが、今年はどれぐらい観光客が回復するか興味があるところです。ただ、今年は、東京スカイツリー、また渋谷やお台場に大型商業施設がオープンするなど、集客が期待できるような話題の施設が東京に集中しているので、神奈川の観光地集客にも影響がでるかもしれません。

 

昨年3月の震災直後から、今年1月まで被災地で活動したボランティアの数は約93万人といわれています。徐々にその数は減ってきていましたが、最近は新しい流れがでています。それは旅行会社の企画運営するボランティアツアーが増えているということです。現地でのボランティア活動が目的のものから、被災地周辺の観光を含めたものなど内容も多様化しています。ボランティアツアーの最大のメリットは個人でも参加しやすいということです。

このGW中もたくさんのボランティアツアーが企画されているようで、陸前高田市では、GW初日の4月28日に関東から500人ほどの参加者が集まり、当地では今年一番の参加者になったとのことです。

 

ボランティアの数が減ってきている現状、被災地や支援への関心を持続させる上でもこうしたツーリズムとの連携は今後も必要でしょう。また、観光は地域における経済効果が高いので、観光も当然被災地への支援につながります。最近、被災地では、「語り部」ツアーという新しい企画も生まれているそうです。震災の現実を見据えてさらに復興を応援しようという趣旨で企画されたもので、被災状況や今後の復興について専門知識を持ったガイドさんから、被災地において説明を受けるというものです。

 

2010年中、東北への旅行者は、東北在住者が約49%、関東からが34%、その他地域が17%とのことですが、いろいろな形での「東北支援ツアー」が継続されると、この比率も変わって、関東以西からの東北への旅行者も増えるかもしれません。

 

<観光の経済効果>

観光白書によると、2009年の国内旅行消費額は約22兆円といわれています。さらに間接的な効果を含めるとその波及効果は約48兆円で、名目GDPの5.2%にもなるということです。一方、2011年のレジャー白書によれば、余暇活動に使った金額で、年間平均費用と1回当たりの費用の第1位は「海外旅行」で年間平均費用は31.5万円、1回当たりの費用は17.5万円になっています。

 

また、「国内旅行」の年間平均費用は10.1万円、1回あたりの費用は2万8860円になっています。2011年の日本余暇市場は約68兆円といわれ、2年連続で減少しており、景気の影響でどの業界も利用する金額が下がっているのが原因と言われています。

 

今後、少子高齢化が進む中で、日本の余暇消費市場はますます縮小していくことが考えられ、当然、観光市場も縮小していくことになります。観光の経済効果を考えると、やはり外国からの観光客を呼び込む(インバウンド)ことにもっと力をいれていくことが必要です。今年3月に入り、訪日外国客数は昨年の震災前の2月と同水準である67万人まで回復してきました。今年はさらなる外国人旅行者の呼び戻しに期待したいものです。

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