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2012年 第4回 新社会人誕生
岡本 典子 

4月は全国で55万人以上の新社会人が誕生します。初々しい新社会人が希望と不安を胸に入社式に参列する姿が、TVでも映し出されます。

2012年3月卒業予定者の求人倍率(※)は1.23倍、前年の1.28倍よりわずかに低下

 

 (株)リクルートの「人と組織に関する研究機関」であるワークス研究所のデータ(2011年5月24日リリース)を見ると、今年3月卒業予定(すでに卒業していますね)の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.23倍。昨年の1.28倍より▲0.05%、わずかに低下しています。しかし、就職氷河期の1996年3月卒の1.08倍や、バブル崩壊の2000年3月卒の0.99倍ほどではない、と記載されています。

 

 全国の民間企業の求人総数は、前年の58.2万人から56.0万人へと3.8%減少。

従業員規模別に見ると、5,000人以上の大企業では前年より+7.0%と増えていますが、300万人未満の企業では前年より▲9.0%と減少、大企業と小企業で明暗が分かれています。

 

 一方、学生の民間企業就職希望者数は、前年の45.6万人から45.5万人へとほぼ同水準。従業員規模別の就職希望者数を見ると、1,000人未満の企業では前年より+8.1%、1,000人以上の企業では前年より▲6.8%と、中小企業に目を向ける学生が増加しています。

 

 この数字を見て、エエッ~と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

 近年の新卒者はバブル景気時代に生まれ、バブル崩壊後の不景気と日本の低迷により倒産、リストラを目の当たりにして育ってきた世代。それ故、安定志向や大企業志向が底流にあります。しかし、大企業への就職がいかに困難かもわかっており、「大企業優先から中小企業へ」とかなりの学生が転換しているのです。

 

 大企業に比べ、中小企業は不況による業績回復が遅れているため、求人数回復も遅れています。前々年、前年の採用で人員をすでに確保できている、また、新卒者を一から育てる余裕がないこともあり、採用を控えています。

 

 ということで、従業員規模による求人倍率の開きは以前よりは縮小してきていますが、やはり大企業を希望する学生の求人倍率は未だ高いのが現実です。

 

(※)大卒求人倍率とは、民間企業への就職を希望する学生1人に対する、企業の求人状況を算出したものをいいます。

 

就職率、求人倍率の数値と実情とのギャップは?

 

 

 文部科学、厚生労働両省の調査による2012年3月卒業予定の大学生の就職内定率は、2月1日時点で80.5%、前年同月比を3.1ポイント上回ったと発表されました。

 1996年の調査開始以降最低だった昨年2011年の77.4%、2010年の80.0%に次ぐ過去3番目の低い水準です。ちなみに、2011年4月1日の就職率は91.0%。最後の2カ月間でポーンと上がるため、2012年4月1日の就職率の発表を期待しています。

 

 

 

 さて、ここで、求人倍率が1.23倍であるにもかかわらず、内定率が80.5%。

数十社の入社試験や面接を受けても内定を一つも取れない学生が続出しているという現実。

このギャップはなぜ生じているのでしょうか?

 

 

 不況の年は、良い人材がいなければ定員を満たしていなくても採用を取りやめることがあります。上述のように、新卒者に一から高度な製造技術を確実に伝承する人材育成の余裕がない中小企業は特にこの傾向が強く、即戦力となりそうな学部を限定して募集するケースもあります。また、採用のミスマッチにより早々に退職した既卒者(第二新卒)も、新卒枠に応募し採用されるケースもあることなどが、求人数と内定者数が一致しないギャップの原因と考えられます。

 

 

新社会人――【東京都】の特徴は

 

 大都市と比べると地方は有効求人倍率が低い傾向があり、北海道や九州では「1」を上回らない時期もありました。

戦後から現在まで、集団就職などで仕事を求めて若い人が集まってくる「東京都」の就職状況を、(株)リクルート・ワークスの調査数字を基に見ていきます。

 

 2012年3月卒の大学生、大学院生を対象とした新卒採用において、本社所在地が「東京都」の民間企業における求人数は17.3万人(前年も17.3万人)。一方、「東京都」を第一希望の勤務所在地とする就職希望者数は18.6万人(前年は17.7万人)です。本社所在地が「東京都」の民間企業における求人数を、「東京都」を第一希望の勤務地とする就職希望者で割った「東京都」の求人倍率は0.93倍(前年は0.98倍)となります。

 

 では、全国数値と比較してみましょう。2012年3月卒の大学生、大学院生を対象とした全国の民間企業の求人数は56.0万人(前年は58.2万人)。一方、学生の民間企業就職希望者数は45.5万人(前年は45.6万人)。同様に算出した「全国」の求人倍率は、小見出しトップにあるように1.23倍(前年は1.28倍)です。

 つまり、「東京都」の企業を希望する学生は求人数より多く、「東京都」における就職は全国平均より厳しいということがわかります。

 

 次に、東京の就業者数を、<東京都、総務省「労働力調査」>の「産業別就業者数、全国比(東京、2010年)」で見ると、卸売業、小売業が最も多く111.8万人、次いで製造業の75.6万人が突出しており、全国比(業種別構成者比)と比べて高い割合になっています。また、医療・福祉、サービス業も全国比より高水準です。

 

 特筆すべき東京の特徴としては、情報・通信業の全国比が32.7%、学術研究、専門技術サービス業が21.0%と、圧倒的に東京に集中していることです。

 これらの業種への就職をめざす学生には、東京での就活は有効でしょう。

 

 

 

入社当時の記憶をたどり、これからの就業を考える

 

 

 入社式は、もう数十年前のできごと。

経済的に親元から独立し、自立するんだ!という希望と、社会人としてやっていけるかという不安が交錯した4月1日。

配属された部へ、課へ挨拶に回った時、顔が引きつっていたことでしょう。

 

 私が入社した頃にいらした先輩方の多くは、まだ現役で働いています。

改正高齢者雇用安定法の成立で、高齢者の雇用延長が労働市場からの引退を遅れさせ、新卒者の労働市場への参入を阻んでいるともいえます。

 

「日本全体の景気低迷で、老いも若きも仕事の取り合い」

これを解消し、

「新卒者の明るい未来と高齢者の安心できる老後生活」

これを実現するには、日本全体の景気回復が必須。

 

国民全員が生き生きと働き、人生を謳歌できる社会にしていく道を模索することが急務です。

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