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2012年 第2回 受験シーズンに思う
浅川 陽子 

今年もセンター試験が終わり、これから本格的な受験シーズンを迎える。数年前の子どもの受験を思い出すと一番気になるのは体調管理だ。今年はインフルエンザが猛威をふるっているようであり、受験生の皆さんにはくれぐれも体調に注意をしてベストを尽くしてほしいものだ。

<神奈川県の公立中高一貫校がさらに増える>

我が家の近くには、神奈川県の「中等教育学校」という、いわゆる公立の中高一貫校の1つがある。今年は知り合いのお孫さんが受験されるとのことで興味もあり、この公立の中高一貫校について少し調べてみた。公立の中高一貫校は1999年に初めて開校になり、現在全国で179校ある。首都圏では、東京に11校、千葉、埼玉、神奈川に各2校ある。神奈川県では、さらに今年4月から横浜市立として初めての中高一貫校が開校になる。

 

中学で入学できれば、そのまま併設の公立高校に進学でき、学費の面でも負担が軽くなり、さらに高校受験もなく6年間の教育プログラムを組めることから私立の中高一貫校に近いものが期待でき、当然人気も高いようだ。ここ数年の競争率は、「相模原中等教育学校」で約9倍、「平塚中等教育学校」で約5倍となっている。ちなみに、この2校とさらに4月開校の横浜市立も募集人員は各160名で、3校合わせても500名足らず、一方東京は11校で募集人員の合計は1,410名であるから、東京に比べると神奈川ではまだまだといえる。

 

私立中学の延べ受験者数が首都圏でみると、ここ数年、減少傾向にあるという。私立中学受験と公立の試験の傾向は違うといわれているが、私立中学の受験日の主流が2月1日で、公立の中高一貫校の受験日は2月3日と、ダブル受験も実際に可能だから、最終的に公立の中高一貫校へシフトしていることも十分ありえそうだ。神奈川の「中等教育学校」では、実際に中学で入学してきた生徒がまだ高校を卒業するまでには至っていないが、東京では、すでに一部の学校で卒業生が出ておりその進路に注目が集まっている。進学実績によってはさらに公立の中高一貫校の人気が高まるといわれている。

 

<来年変わる、神奈川の公立高校入試>

ところで、神奈川県では、2013年の公立高校の入試制度が変更になる予定だ。現在の制度では前期(作文+面接)と後期(学力検査)に分かれているが、2013年からは受験が1本化(学力検査+作文+面接)になる。現状では、もし前期で志望する公立高校に合格すれば、受験する高校は実質1校ですむが、来年、受験生全員が一斉に公立高校を受験することになれば、当然滑り止めの私立高校を受験しようという生徒も増えることになり、来年の受験事情は大きく変わりそうだ。新中学2年生以降、すべての受験生に学力検査が課されることになり、塾に通う生徒がさらに増えることも考えられる。

 

<最近の大学受験事情と学生生活>

2年前に、知り合いの息子さんが大学進学のため埼玉でアパート探しをしたところ、家賃の相場が前年に比べてかなり下がっていたのに驚いたという話を聞いたことがある。理由の一つが、地方からの大学入学者が減っているからとのこと。ここ数年、首都圏の大学を目指す「上京志向」や「難関大学志向」が薄れ、近いエリアから進学先を選ぶ「地元志向」「安全志向」が目立つといわれている。

 

日本の代表的な奨学金制度を運営している「日本学生支援機構」による、平成22年度の「大学生生活調査」によると、4年制大学(昼間部)に通う大学生の年間収入は、前回の調査(平成20年)と比較して9.6%減少した。内訳では家庭からの給付が4.2%減少している。学生の家庭の世帯の平均年収は、前回の822万円から今回は797万円に減少しており、世帯年収の減少が家庭からの給付の減少につながっているともいえそうである。

 

また、平成22年度の私立大学の初年度納入金の調査結果が公表された。私立大学平均では、授業料が前年比0.8%増、入学金は1.2%減、施設準備費は0.1%増で、納入金合計では0.3%増になっている。大学生のいる世帯の年収が減少している中で、私立の学費が上がっているのは、その分家庭の負担が重くなっているともいえそうである。

<奨学金を受けている学生は50%を超える>

学生の収入は9.6%減になっている一方で奨学金の受給額は増加している。さらに、今回の調査では、何かしらの奨学金を受給している学生の割合が、前回の43.3%からついに50.7%と過半数を超えるという結果になった。

 

「日本学生支援機構」の奨学金は大学であれば卒業後に返還義務がある。経済的な理由等で卒業後に返還が難しい場合は、「返還期限猶予制度」(経済的理由では上限5年間)があるが、今年から「所得連動型無利子奨学金制度」が新たに導入になる。これは、年収300万円以下の低所得世帯の生徒が無利子の「第1種奨学金」を貸与される場合、返還は本人の所得がある一定水準(300万円)に達するまで返還が猶予されるというものだ。猶予期間には特に制限はない。 

 

奨学金を受けている学生の増加は、教育費を親に頼らず自ら負担する学生が増えているということで、今後ますます日本も外国の学生のケースに近づいて来ることが考えられる。ただし、奨学金に返還する義務がある以上、卒業後安定した収入が得られることが前提になる。そのためには、新卒者の就職、安定した雇用を目指した対策に、もっと国が力を入れるべきなのはもちろんのことであろう。

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