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家計コラム - 実録介護保険

2011年 第11回 介護施設を選ぶ③ グループホーム
浅川 陽子 

――平成27年には250万人といわれる「認知症」のケアの切り札になるか――

「グループホーム」は、正式には「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれます。介護保険の地域密着型サービスの一つであり、認知症の人が少人数で、専門スタッフ等の援助を受けながら共同生活を送る施設です。私の周りでも、自宅で家族の介護を受けていたが、認知症が進み、「グループホーム」に入居したという例が2つほどありました。ちょうど、私の知人の家族が、神奈川県の山北町で、「グループホーム」を6年前から運営しており、その「グループホーム」へ見学に行ってきました。

 

<施設というより住宅のイメージ> 

私が見学に行った「グループホーム山北」は神奈川県のはずれの山北町に位置し、豊かな自然に囲まれた静かな住宅地にあります。施設というより、ちょっと大きい一般住宅、ペンションのイメージに近い建物です。「グループホーム」は最大9人のユニット制で、2ユニットまでという規制があります。「グループホーム山北」も1階に9人、2階に9人の2ユニットの運営です。ユニットごとに、居間、食堂、台所が設けられており、入居者の居室はすべて個室で、プライバシーは保たれています。

 

<共同生活を送るというコンセプト>

 「グループホーム」が他の施設と違うのは、入居者がスタッフとともに食事の準備や清掃などの家事等を行い、できるだけ家庭と近い環境で生活を送るという点です。「グループホーム山北」では、建物のすぐ近くに畑もあり、畑の世話や収穫もスタッフと入居者で行っています。

 

私が見学させていただいた時は、入居者の一人のおばあちゃんが、リビングルームで、雑巾を一生懸命縫っていました。このおばあちゃんは運針が得意でよく雑巾を縫ってくれるそうです。認知症の人に、過去に経験したことや得意だったことを役割として与えることは、潜在的な力に働きかける効果があるそうです。

 

<入居条件>

 「グループホーム」の入居条件は要介護認定(ホームによっては要支援も可)を受け、医師による認知症の診断を受けている人になります。

また、「グループホーム」は、市区町村に住んでいる住民のみが利用できる「地域密着型介護サービス」にあたるため、住民票をもっていることも条件です。他の市区町村から入居する場合は住民票を移す必要があります。

 

さらに、施設ですから、共同生活を営むことに支障のない人というのが条件になります。認知症の中には暴力的行動をとって、共同生活を送るのが困難な症状の人もいるといわれています。「グループホーム山北」でも、当初はそのような人も入居していた時があったそうですが、やはり共同生活は無理ということで、精神科の病院で運営している施設に移られたそうです。現在の「グループホーム山北」は、非常に静かな落ち着いた雰囲気の施設です。

 

<費用・医療ケア>

「グループホーム」で生活する場合、家賃、食費等の費用に、介護保険の1割負担の自己負担金がかかります。グループホームによって金額は違いますが、月の費用は13~20万円程度といわれ、入居金がかかる所もあるようです。費用的に見れば、有料老人ホームよりは安価といえるでしょう。

 

「グループホーム山北」では、スタッフによる「胃ろう」(口からの食物・水分が摂取困難者に対し、手術で胃壁と腹壁に穴を開けてチューブを取り付け、外から直接胃に栄養剤などを注入する処置)は行われていますが、他の医療ケアは行っていません。一般のグループホームでは、医療ケアは行っていませんが、医療法人が運営している「グループホーム」の中には、医療ケアを行っているところもあるようです。

 

グループホームは2007年時点で、約9000軒といわれていますが、認知症ケアの受け皿としては十分とはいえないでしょう。また、多くのグループホームが、日常生活が送れるような中軽度の認知症を対象としており、重度化にともなって、退去を迫られたというケースも少なくないようです。現在、重度の認知症を受け入れている「グループホーム」もあるようですが、数が少ないので入居は簡単ではないと思われます。

 

認知症の方の受け皿として、現状、特養や有料老人ホームも一端を担っている状況ですが、認知症専門のケアが受けられる点では、グループホームはやはり心強い場所です。今後、認知症はますます増加の予想もあり、グループホームの拡大、重度者ケアの充実等が待たれているといえるでしょう。

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