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家計コラム - 遺言を書く

2011年 第10回 こまでやればさらに安心!予備的遺言のすすめ
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス 

遺産をもらうはずだった人が遺言者より先に亡くなったら、遺産の行方はどうなるのでしょうか?

Aさんがこんな遺言書を作りました。

「妻には不動産を、長男と長女には預貯金を2分の1ずつ相続させる。」

 

・・・遺言の形式も満たしているし、遺留分にも気を配った。争いの起こらないような配分もしてある。これで私の遺言は完璧、安心だ、と遺言者Aさんは考えています。

 

しかしその前にもう1つ、「予備的遺言」をする必要がないかどうかについても考えてみて下さい。

 

予備的遺言とは・・? たとえば長男が遺言者であるAさんより先に亡くなってしまったとしましょう。その場合、Aさんが亡くなって長男に相続させるはずだった預貯金の2分の1の行方はどうなるでしょうか。

 

長男が受け取るはずだった分は、通常の相続の場合のように自動的に長男の子ども達(Aさんの孫)に引き継がれるのか(代襲相続といいます)、といえば答えはノーです。

 

遺言者が亡くなる前または遺言者と同時に、遺産の受取人に指定されていた人(受贈者)が死亡すると、その部分についての遺言の効力は生じません(民法994条1項)。したがって、長男が受け取るはずだった遺産については、あらためて相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

 

つまりこの場合、Aさんの妻と長女、長男の子ども達で話し合い、ということになります。相続人同士の話し合いがすんなり進めば問題ありませんが、そうとも限らないという場合に備えて遺言に予備的な一文を加えておく、それが「予備的遺言」です。

 

予備的遺言をしておけば、遺言者の希望する人に財産を渡すことができ、また、相続人間の手間を省き争いを防ぐことにもなります。

 

Aさんの遺言書の例として、

「ただし、上記長男が遺言者より先又は遺言者と同時に死亡した場合は、上記長男に相続させるとした財産は、上記長男の長男○○に相続させる」などの一文を入れておきます。

もちろん長女に相続させる、でも構いません。想定しうる範囲内で、万が一の場合にAさんがどうしたいかという希望を書いておけばよいのです。

 

状況が変わった時に遺言自体を書き直すのもひとつの方法ですが、二度手間になってしまいますし、遺言者が高齢である場合などには遺言書の作り直しが容易でないこともあります。もし遺言者が認知症になってしまったら、遺言する能力がないために、もはや遺言書を作り直すことはできません。

 

受遺者が高齢の場合も同様です。遺言者より先に亡くなってしまったら、遺言書を書き直さなくてはならなくなります。

 

たとえば、世話をしてくれた近所に住む妹に財産を相続させるつもりでも、遺言者と年齢が近ければ妹も高齢でしょうし、妻に全財産を相続させると遺言したが妻のほうが先に逝ってしまうという事態も起こらないとは限りません。

 

様々な事態を考えすぎてもきりがありませんが、万が一を想定した遺言書を作っておけば、遺言者自身も遺された人もより安心です。

 

なお、公証人に公正証書遺言を作成してもらう場合には、予備的遺言の内容によっては追加の費用がかかることがありますので、公証人の方と確認なさってみて下さい。

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今年はマイアドバイザーにとっては、熟考し、正直あまり動く事ができなかった一年でした。
そんな中、総PV(ページビュー)数が「4,000万PV」に達成し、また、閲覧総数(ユニークユーザー数)も700万人に達成することができました。
SEO対策などweb上の誘導施策を行わず、地道に「顧客利益優先」原則に基づき、実務家FPの活動をしてきて、12年。
登録者の入れ替わりが進む中、倫理面が重視される昨今の世の中で、多くのみなさんに支持頂いているようで、感謝の言葉しかありません。
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マイアドバイザー運営者 株式会社優益FPオフィス 佐藤益弘

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