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家計コラム - 遺言を書く

2011年 第9回 遺言執行者って何する人?
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス 

遺言書を書いてもその内容が実現されなければ、ただの紙切れになってしまいます。遺言内容を忠実に、公平に実行してくれる遺言執行者を決めておくと安心です。

遺言書の中で、「遺言執行者」を決めておいたほうがよい場合があります。

遺言執行者とは、亡くなった人(被相続人)を代理して遺言の内容を実現してくれる人のことを言います。

 

●遺言執行者の仕事とは

遺言執行者の仕事は、相続が発生したら、まず相続財産の目録を作り相続人に交付することです。そして「自宅不動産は妻の△子へ、○○銀行の預金は長男の△男へ相続させる」など、遺言書に書かれているとおりに不動産の相続登記の手続を行ったり、銀行預金の払い戻し手続を行ったりします。

 

その他にも遺言内容の実現に必要な一切の行為、たとえば相続財産を売却して金銭に代え、その金銭を指定された相続人に分配したり、相続財産の中の不動産が賃貸されているときは、賃料を取り立てる管理行為なども職務に含まれます。

 

●遺言執行者がいれば、確実・迅速

遺言執行者を定めるメリットには、

1.遺言内容を確実に実現できる

2.相続手続がスムーズかつスピーディーに行える ことなどがあります。

 

遺言執行者を定めておくと、仮に相続人のひとりが勝手に相続財産を処分してしまった場合でもその行為は無効となり、遺言内容の実現を妨げられることがありません。

 

遺言執行者がいない場合、不動産や預貯金の名義変更の手続などは相続人全員で行わなければならず、相続人全員の印鑑証明書など求められる書類も多いため手続が煩雑になりますが、遺言執行者がいればこれらの手続を単独で行うことができます。

 

民法上で遺言執行者が必要とされるのは、遺言書で子の認知をしたり、遺産を与えたくない相続人を廃除したり、廃除を取り消す場合です。これらの手続は必ず遺言執行者が行うことになっています。

 

それ以外の場合には必ずしも定めなくてもよいのですが、次のような場合には遺言執行者をおくほうがスムーズです。

 

たとえば、遺言内容を快く思わない相続人の存在が予想される場合など、すべての相続人が満足する遺産配分が可能とは限らないため、1人でも非協力的な相続人がいるとそこで手続は滞ってしまいます。

 

あるいは、他人に遺産をあげたり(遺贈)、寄付するという内容を含む場合、相続人同士が申し合わせて「そんな文言見なかったことにして、自分たちで分けてしまおう」ということにでもなれば、遺言者の意思は無になってしまいます。

 

また、相続人同士が遠隔地に暮らしていたり、高齢だったり、仕事が忙しく日中に金融機関や役所に行く時間がないことなども、手続が滞る原因になりえます。

 

●遺言執行者になれる人

遺言執行者には未成年者と破産者を除き誰でもなれます。相続人の1人を指定しても構いませんが、相続人間のトラブルを生まないためにも、できるだけ利害関係のない第三者に依頼することが望ましいでしょう。

 

一方で、遺言執行者の権限は大きく、遺言内容の実現のためには訴訟を起こしたり、反面、遺言の執行(実現)方法をめぐって相続人や第三者から訴訟を起こされる可能性もありますので、人選は慎重に行うようにします。

 

なお、実際に相続が起きた時、指定された人が執行者を引き受ける義務はありません。引き受けてもらえない場合や遺言者より先に亡くなる可能性も考え、複数の人または法人(信託銀行など)を指定しておくほうがよい場合もあります。

 

遺言執行者が決まったらその名前を遺言書に記載します。その際、報酬額も定めて記載しておくのがよいでしょう。報酬額に明確な決まりはありませんが、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家が執行者となる場合には相続財産の2%~数パーセント程度としているところが多いようです。

 

また、遺言執行者とその報酬については、遺言で定めがない場合には相続発生後に相続人などが家庭裁判所に申し立てて決めてもらうことも可能ですが、その場合には時間も手間もかかります。

 

裁判所の司法統計を見ても、遺言執行者の選任の申立をした件数は右肩上がりに伸びつつあります。遺言書の中であらかじめ遺言執行者をきちんと決めておく必要性は増してきていると言えるでしょう。

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登録メンバーの 佐藤益弘氏 が、2月8日(金) に 毎日新聞主催 朝日新聞後援「今考えたい!後悔しない土地活用 賃貸住宅経営のリスクと対策セミナー」にて講演を行います。
2019.01.01
【新年のご挨拶】
2019年・・・あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
マイアドバイザーもサイト誕生から14年(現在の体制になり12年目)になりました。
今年は元旦より、運営者である㈱優益FPオフィスの佐藤益弘氏が朝日新聞の誌上にてコメントをの弁させて頂いております。
今年のテーマは「変化」です。出来るだけ早く新たなフィールドに進めるよう精進しますので、ご期待下さい。
今年も変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。
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【年末のご挨拶】
2018年・・・今年1年、マイアドバイザーをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。感謝申し上げます。
今年はマイアドバイザーにとっては、熟考し、正直あまり動く事ができなかった一年でした。
そんな中、総PV(ページビュー)数が「4,000万PV」に達成し、また、閲覧総数(ユニークユーザー数)も700万人に達成することができました。
SEO対策などweb上の誘導施策を行わず、地道に「顧客利益優先」原則に基づき、実務家FPの活動をしてきて、12年。
登録者の入れ替わりが進む中、倫理面が重視される昨今の世の中で、多くのみなさんに支持頂いているようで、感謝の言葉しかありません。
そんなマイアドバイザーですが、来年以降も変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。 また、来年!
マイアドバイザー運営者 株式会社優益FPオフィス 佐藤益弘

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